五六見山(野瀬)
Since 2000/03/28
Last updated on 2006/04/08



場所と名称

 兵庫県相生市野瀬地区の南、292.9mの三角点のある山を、土地の人は五六見山(ごろみやま)と呼んでいます。頂上から北東側へ標高で70〜80m下ったところに岩が露出した崖があり、このあたりを(水晶が採れたことから)特に水晶山とも言うようです。詳しくは下方の地図(地形図)を見てください。

 また、かつて頂上には大きな松の木があり、一本松と呼ばれていたとか。確かに、手元の1925年版と1954年版の1:25000地形図には、頂上付近に独立樹(針葉樹)のマークがあります。1968年版では消えているので、一本松は40〜50年前に枯れたのではないか?と思われます。

 この頂上ではかつて「雨乞い」の儀式が行われていたと聞きました。それならば、「ゴロミ」の名称は「雷鳴(ゴロゴロ)=夕立を呼ぶ」という意味から付いたのではないか?と、筆者(素人)は思ったのですが、「相生ライフ」紙の「地名をほる」欄は、「ゴリョウのミ山(御霊の御山)」からの転訛したものと推測しています。(下方に、「相生ライフ」の該当記事全文を添付しています。)

登山ルート

 2000年3月26日に野瀬地区の有志で水晶山に登る計画があると聞き、特別に参加させてもらいました。土地の経験者の先導で、頂上の真北にあたる、集落南西端の竹薮から山へ入ったのですが、昔の道は荒れていてはっきりせず、雑木林の中をヤミクモに頂上へ向かって進む結果となりました。枝打ちをしながらの登山で、地図上の直線距離700m、標高差270m登るのに約1時間半かかりました。

 帰路は尼谷と野瀬を結ぶ峠越えの道を下りました。頂上から峠までは尾根伝いで、登りとあまり変わらない、けもの道のようなところを枝打ちしながら進む状態でした。峠から野瀬へは沢伝いに下りました。出水で荒れてはいましたが枝打ちは不要でした。半分くらい下ったところに砂防ダムがあり、その西側へ出ました。ダム建設に使われた舗装道路がダムの下まで延びています。小型車ならここまで乗りつけることが出来ます。今回は歩いて下りました。

頂上の状況

 海岸付近にそびえる300m近い山ということで、眺望に期待をしていたのですが、頂上の視界は樹木に遮られていました。木に登ると室津港や相生荘が何とか枝越しに見える程度です。少し下った水晶山の岩からは、野瀬の集落や天下台山が良く見えます。 水晶山から見た天下台山

 頂上には、かつて祭祀に使われていたという石積みの段がありました。この段上にあった石彫は、現在は野瀬の賀茂神社に移されているそうです。かなり大きな枯れた松の木がありましたが、これが50年前に一本松と呼ばれた松かどうかははっきりしません。私には(推定樹齢等から)違うように思えます。二代目かも知れません。三角点の石柱は頂上から10mほど外れたところにあります。その他、シュンラン(春蘭)を数株見かけました。

追記(2006/04/08)

 近年は登山者が増え、登山コースの整備も進んでいます。こちらのページに関連情報があります。  → 大黒山(だいこくやま)    → 水晶山

 


(地名をほる)   五六見山(ゴロミヤマ)

「相生ライフ」 2001年8月5日号より

 野瀬集落の南面に位置する292.9メートルの山頂一帯を字五六見山と称する。この名称は野瀬住民の呼称で、船舶用の海図では「仏ノ台山」と標記されている。

 かつて旱天の年には山頂で雨乞いを行なった山で「あおもれ たぁもれ…」と呪文に近い歌を口にしながら火を焚いた跡が今も残り、やや離れた石垣の整地上には自然石の古墓が3基建てられている。

 往古海賊藤原純友の残党藤原文元・同文茂・文用の3人が矢野石窟より逃走し、以後行方不明になっていることや、平清盛8男盛高の後室賤野の方が遺児3人を連れ、此の村に隠れ住んだ等の落人伝説があることから、これらに関した墓とも考えられるが詳細はわからない。

 いずれにしても海図に記された「仏ノ台山」の名称は、この3基の墓によったことには相違ない。

 地名のゴロミは「ゴ(御)・リョウ(霊)・ミ」の転訛で、野瀬に伝わっていた「放生会」の風習からみると、御霊信仰や御霊会にちなむ字名が考えられる。

 五六見は「イロミ(色見)」とも読め、これは魚の群れて来るのを見張ることをいうが、昔野瀬では外海での漁を禁じた掟があったことから色見は該当しない。

 また「コロミ」と清音化した場合の「コロ」は瓢箪の異名で、野瀬の特産干瓢がこの語の転訛と考えても、山地の字名とすることには疑問が残る。

 野瀬地域に造られた7基の古墳や落人伝説等から考えると、五六見山は「ゴリョウのミ山(御霊の御山)」の転訛したものが現在のような文字使用となり、それが定着したものであろう。(石田)

 


地図(2000.08.03 補足) 


『相生市内』に戻る

メールはこちらへ
tonbiiwa@gmail.com

since 2005/05/13 6747

5299526