コヤスノキ(子安木)
Since 2004/05/21


 コヤスノキは、国内では兵庫県の南西部から岡山県の南東部にかけてのごく狭い範囲にのみ分布しています。生育地はアラカシやシロダモの茂る薄暗い照葉樹林です。そのような林は西日本のどこにでもあるのに、コヤスノキが何故、特定の地域でしか見られないのか、理由はよく分かっていません。中国大陸や台湾にも生育しているので、日本が大陸と繋がっていた古い時代の生き残りであると考える研究者もあるようです。

 そういえば兵庫県南西部には、秦河勝(はたのかわかつ)を祭神とする大避(おおざけ)神社がたくさんあります。秦河勝は大陸からやってきた渡来人で、聖徳太子のブレーンとして活躍しましたが、太子の死後、蘇我入鹿の迫害を避けて船で坂越の生島(赤穂市)に着いたと伝えられています。ひょっとすると、秦河勝がコヤスノキを当地にもたらした可能性もあるのではないか?と考えました。

 明治33(1900)年、牧野富太郎博士が、兵庫県の植物研究家大上宇市氏から送られてきた標本に学名(Pittosporum illicioides Makino)をつけて発表したのが世に出た最初のようです(週刊朝日百科「世界の植物46」による)。

 昭和9(1934)年、コヤスノキの生える兵庫県上郡町の大避神社の社叢と、相生市矢野町の磐座(いわくら)神社の社叢が、県指定の天然記念物に指定されました。

 名前の由来はハッキリしません。樹皮を煎じて飲めば安産できるという「伝説」は、県指定天然記念物に指定され、有名になって以降に出来たもののようです。

 下の写真はいずれも相生市の磐座神社で撮影しました。同神社入口の右手に相生市教育委員会の案内板(写真右端)があり、その脇に若木が1本生えています。そのほかに、奥の社殿の周囲に、比較的大きな木が数本あります。撮影したのは社殿付近の木です。地上に落ちていた種子を拾ってきて今年4月に播いてみましたが、未だ発芽していません。

 【関連ページ】  → 権現山と磐座神社 

(写真はクリックすると大きくなります。)


花 2004/05/17


花 2004/05/17


果実 2003/11/13


果実 2003/11/13


案内板 2003/11/13


「花便り」に戻る

メールはこちらへ
tonbiiwa@gmail.com

since 2005/05/06 12823

5330284