群れない 自由が一番
Since 2015/06/22

 私は幼少のころから「群れる」のが苦手で、特定のグループに属して遊んだり活動した記憶はない。多くの人は誰かとつながっていないと不安らしいけれども、私の場合は一人でいる方が気が休まる。

 今朝の朝日新聞に、読者のリクエストに応じる形で、蛭子能収さんの生き方が紹介されていた。一読して、自分の流儀と似ていると感じた。蛭子さんは子供のころから競艇が趣味だったようだが、私は、(競艇はしないが)40年以上前から株式投資をしている。株は、みんなと同じようにやっていては勝てない。

 偶然かもしれないが、蛭子さん(67)と、リクエストした読者の大沢さん(69)は、私(68)と同年代。この世代には似たような考えの人が多いのだろうか?。

 下欄に、その記事の全文を保存する。

 



Reライフ 人生充実  群れない 自由が一番
 
( 2015年6月22日の朝日新聞朝刊より )

  《集団のなかだと疲れるけど一人にもなれません。本音を言っても憎まれず、ブレずに生きる蛭子能収さんに憧れます。埼玉県鴻巣市・大沢春江さん(69)》

 

 ■一人で平気、好きなことあれば 漫画家・蛭子能収(えびすよしかず)さん(67)

 8年前から土曜日夜に不定期で放送されているテレビ東京系「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」に出演し、何度目かのブレーク中の蛭子さん。人気の秘密は、道中で口にするコメントの自由奔放さだ。

 ご当地グルメに見向きもせずに大好物のカレーやラーメンばかり注文する。“マドンナ”と呼ばれる女性ゲストに「俳優辞めてバラエティー1本にしたら」と言い放つ。レギュラー出演の相方、太川陽介さん(56)に「リーダー失格」とダメ出し。マイペースな上、失礼と受け取られかねない言動を連発しているのに、なぜか支持される。

 その理由には「群れない」という人生哲学が影響していそうだ。還暦を過ぎても「友だちがいない」「グループは良くない」と公言する。絆の大切さや人脈づくりが推奨される社会で、異色の存在だ。

 長崎での少年時代、不良仲間の使い走りを経験した。

 「初めは友だちのように遊んでいるんだけど、強いリーダーが現れ、必ず上下関係が生まれるでしょ。オレはいつも命令される側で、逆転がないんですよ。リーダーが最悪だととんでもないことになる。一刻も早く家に帰りたかったなあ」

 仲間に加わらなければ良かったのでは? 「オレね、割と好かれるタイプなんで」。昔から人が嫌がることはしないのがポリシーで誘いを断れなかった。「1対1の関係なら問題は起きないのに、複数の人間が絡んでくるといじめの対象が生まれてしまう」。今年2月、川崎市で中学1年生の13歳少年が殺されたニュースには過去の自分が重なって胸が痛んだ。

 ■人嫌いじゃない

 20代で上京して看板屋に就職。学生運動の全盛期で、顔見知りに中核派に加わる人物がいた。

 「どこかに所属しないと若者じゃないという雰囲気のなかで、『友だちだから夏と冬のボーナスは寄付しろ』と。オレの会社はそんなの出ないのにカンパして。でも結局、逮捕されたり仲間割れしたりで消えちゃいましたよね」

 決して人間嫌いではない。例えば高校時代の美術部では、みんなで黙々と絵を描いている時間が大好きだった。漫画家になったのは33歳。編集者に原稿を渡す際は「ここの展開がちょっと雑になっちゃって」などと言い添える。

 「面白くなくても作者を前に言いづらいでしょ。だから相手が批評しやすいように」

 競艇に行くのも映画を見るのも一人でだ。自分も相手も「自由」が一番。それを尊重したいだけだという。そして大勢のなかで「一人だけど一人じゃない感覚」に浸る。

 ■やわらかく断る

 たった一度、孤独でさみしくてたまらなかったのは前妻が亡くなった01年。何をしても涙が出た。なのに3カ月後には猛然と婚活に動いていた。07年、19歳下の今の妻と結婚。「早すぎたけど、前妻の親戚も『いいよ』って。競艇で勝ってもうれしくなかったんですよ。家にいてくれると思うだけで全然違う。外に一人でも大丈夫」

 最後に改めて蛭子さんに聴いた。なぜ人は群れたがるのか。友だちを欲しがるのか。

 「『自分が本当に好きなことは何か』を、わかってないからじゃないんですかね」

 集団のなか、無意味なおしゃべりに費やされる貴重な時間。意に反して従わざるを得ない状況。みんなで入った中華料理店で「にぎりずし!」と声を上げられない小市民に、蛭子さんは助言する。

 「気が合わなかったら『用事がある』とやわらかく断る術を身につけてください。うそをついてもいい。そうして少しずつ距離を遠くしていく。少なくとも自分からは絶対に連絡してはいけません」

 蛭子さんは今も月に1、2度は一人で競艇へ行く。子ども時代からの趣味だ。

 「どんなに他人からくだらないと見下されることでも構わないんです。フリーマージャンもいいですよ。今だったら絶対に中高年の女性と知り合いますから。あ、もし今の奥さんが亡くなったら、次は雀荘(じゃんそう)で探そうかな(笑)」

 

 ■現代人をさりげなく励ます

 場違い、KY(空気を読まない)、不謹慎……そんな“無言の圧力”を感じ取った時、私たちは口ごもる。24時間ネットやSNSでつながる情報社会で、圧迫感はより強まるのではないか。マネジャーのメールにも電話で答えるというIT弱者の蛭子さんは、しがらみから解放され、自由にモノを言っているように感じた。昨夏出版の「ひとりぼっちを笑うな」(角川新書)にも込められた「周りに流されずに我が道を行け」というメッセージは、人の目を気にし過ぎる現代人をさりげなく励ます。(高橋美佐子)


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