小選挙区制は野党を強くする?
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今日11月10日の朝刊各紙は、きのう投票が行われた衆院選の記事で溢れていました。それらの中で、日本経済新聞の「春秋」を最も興味深く読みました。

 故岸信介元首相が20年以上前、現世評とは逆に、「小選挙区制は野党を強くする」と言っていたこと。その理由が「与党が現職優先のため、優秀な人材が野党に流れる」だったことなどが紹介されていたのですが、「なるほど」と思いました。

 堺屋太一は「組織の盛衰」の中で、巨大組織が滅びる原因は、(1)機能体の共同体化、(2)環境への過剰適応、(3)成功体験への埋没、の3つしかないと断言しています。「現職優先」はこのうちの「成功体験への埋没」にあたると思います。産業界では以前から、「成功体験からの脱却」が叫ばれています。政界でも今後、同様の視点が必要になるのではないか、と感じました。

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 春秋
(日本経済新聞 2003/11/10)

 「政権選択」をかけた選挙という触れ込みだった。こなれない言葉だが「マニフェスト」(政権公約)を各政党が掲げるなど、新しい動きも見られた。しかし街で見かける選挙運動はおなじみの風景だった。

▼いつも使う駅では改札口で、夜遅く帰ってくる通勤客に立候補者がいちいち頭を下げながら「お帰りなさいませ」とあいさつしていた。「皆様のお役に立ちます」というのもよく聞いた。しかし結果をみたら、2大政党が政策を中心に争い政権交代もあり得るという、今まで違う世界の話と思っていたことが身近に感じるようになった。

▼故岸信介元首相は『岸信介証言録』(原彬久編)の中で20年余り前に「中選挙区よりも小選挙区が優れている最大の理由は、野党を強くする」ことだと言っている。小選挙区に変えた当初は、与党つまり自民党が圧倒的に強いが、やがて現職優先のために自民党で公認されない人材が野党に流れて、力が均衡するという読みである。

▼小選挙区比例代表並立制での衆院選挙は今回で3回目。中選挙区時代との違いが結果にはっきり表れてきた。一騎打ちの小選挙区は厳しい。今後、良い人材をいかに多く集めるかが各政党にとってより重要になるだろう。これで頭の下げ方より、もっと中身を競う選挙になっていけば結構だ。

 

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