タカサブロウ(高三郎)
Since 2005/08/19
Last updated on 2005/09/19


 毎年8〜9月ごろ、我が家の農地に、スベリヒユやカヤツリグサなどと競って繁茂する雑草です。日当たりが良くて乾燥気味のに生えるものと、湿気のある水田や排水溝に生える個体では、見かけにかなり差があります。

 インターネットで調べて、昔からあるタカサブロウ(高三郎)のほかに、1981年に見つかった帰化植物のアメリカタカサブロウという別種があることを知りました。両者の違いは、従来種が種子に翼があるのに対し、新種には無いとのこと。また新種は、従来種と比べて、(1)茎が枝分かれ部分のすぐ下で太くなっている、(2)葉の幅が狭い、(3)鋸歯が明瞭、などの特徴もあるようです。

 これらの情報をもとに判別すると、畑に生えているのはアメリカタカサブロウで、水田に生えるのはタカサブロウということになります。しかしどこかの掲示板には、「近畿地方にあるのはほとんどがアメリカタカサブロウで、タカサブロウは非常にまれである」との書き込みもありました。当地(相生市)は近畿地方の西部にあります。

 ともあれ、両者の比較写真を撮って記録に残すことにしました(下表)。撮影は2005年9月17日。写真で見ると、畑のものは水田の個体に比べて、花や葉、種子などの造作が全体に小ぶりで、葉や茎は赤みを帯びています。成長後の草丈には大差はありません(これは写真では分かりません)。水田の種子には、畑のサンプルには無い「翼」のようなものがあります。茎が枝分かれ部分のすぐ下で太くなる現象は、畑、水田の両方で見られます。どちらも若い(小さい)うちは分かりませんが、成長するにしたがってふくらみが目立つようになります。

 撮影標本を採取した畑と水田はあぜ道1本(幅約1m)で隔てられた隣合わせの土地です。そのことを考えると、タカサブロウとアメリカタカサブロウが本当に別種なのかどうか、疑いたくなります。同一種が、日照や乾燥状態などの生育環境に適応して、少し変異しているだけではないか?とも思えるのです。

 「タカサブロウ」という名前の由来については、図鑑などはたいてい「不明」と書いていますが、インターネット上には「昔、筆や墨が買えなかった貧しい高三郎という人物が、この草の茎を使って紙に文字を書いたという逸話から来ている」という説があります。この草の茎を切ってしばらく置くと切り口が黒ずんできて、茎で文字が書けるのだそうです。それで、墨斗草(ぼくとそう)という別名もあるとか。この説、どこまで信じて良いのかは分かりません。 

(写真はクリックすると大きくなります。)


畑の花


水田の花


枝ぶりの比較


葉の比較


花の比較


茎の比較


未熟種子の比較


完熟種子の比較


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