年金財源のつけ回し
Since 2012/04/16 


 先日の日本経済新聞(「大機小機」欄)に、国の年金財源の「自転車操業ぶり」が、「年金財源のつけ回し」と題して紹介されていた。

 一読して、国民の無知・無関心につけ込んだ「詐欺的流用」の連鎖で、仕組んだのはたぶん財務官僚だろうと思った。これではAIJの運用を叱ることはできないし、「消費税」増税法案が成立しても、施行されるころには「焼け石に水」になっていそうだ。将来はどうするつもりなのだろう。ハイパーインフレに誘導して、年金を含む社会保障制度を形骸化させる算段だろうか?。

 同記事は分かりやすく書いてあるのだが、第4幕まであって複雑で、年金受給年齢の私は粗筋さえ覚え切れない。全文を下に書き留めて、備忘録とする。
 


年金財源のつけ回し
( 日本経済新聞 2012/04/12 「大機小機」より)

 基礎年金の国庫負担の増分をどう賄うかは、迷走に迷走を重ねてきた。発端は2004年の年金改正だ。この改正によって09年度から、基礎年金の財源に占める国庫負担の割合を、従来の3分の1から2分の1に引き上げることになった。このためには毎年度約2.5兆円が必要となるが、これは恒久財源で賄うというのが本来の趣旨であった。

 ところが恒久財源は確保できなかった。そこで、09年度から11年度(当初)までは、財政投融資特別会計などの埋蔵金を使ってしのいだ。つまり、国の財源を減らして対応したということである。これが「年金財源のつけ回し」の第1幕である。

 ここで発生したのが11年3月の東日本大震災である。政府は、震災復興のために補正予算の編成を余儀なくされ、結局、第1次補正予算(11年5月)では、4兆円の歳出のうち2.5兆円について、当初予算に計上されていた基礎年金の財源の転用で賄った。

 すると、自動的に年金の支払いは年金の積立金を取り崩すことになる。つまり、年金の積立金を取り崩して震災復興に充当したことになる。これは、将来の年金原資を年金と無関係な分野に使ったという点で、かなり悪質である。これがつけ回しの第2幕である。

 その後、第3次補正予算(11年10月)でこの2.5兆円は、復興債を使って積立金に返済された。返済されたのは結構なことだが、この時点で、基礎年金の国庫負担分は復興債によって賄われたことになる。これもそうとう理解に苦しむ対応である。これがつけ回しの第3幕である。

 そして、12年度予算では、今度は交付国債が発行されることになった。年金の積立金を取り崩し、その分は「将来、求められたら払う」と約束するということである。しかしこれは、現時点では国が負債を負っていることになり、通常の国債発行と同じである。こうした措置を取ったのは「国債発行を44兆円以下にする」という約束を守るための苦肉の策だったと考えられる。これがつけ回しの第4幕である。

 以上のような対応は、国民への説明責任という点で大きな問題がある。多くの国民には複雑で分からないだろうからといって、こうしたごまかしを続けていると、やがては国民の信頼そのものを失うことになるのではないか。     (隅田川)


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