ヤツデ(八手)
Since 2001/12/11


 ヤツデは、どこにでもある、なんの変哲もない木だと思っていましたが、なかなかどうして、面白い特徴があることを最近知りました。きっかけは実家の庭木の剪定でした。ふと見たヤツデに花がいっぱいついていました。12月に花が咲く木は少ないので、さっそくデジカメで撮影したのですが、マクロの画像を見ると、花に2つの種類があることが分かりました。どちらかが雄花でもう一方は雌花だろうと推測し、確認のため、検索エンジン(Google)で調べてみたのですが、話はそんなに単純ではありませんでした。以下はGoogleを介して得た知識の受け売りです。ただし写真はオリジナルです。

  (写真はクリックすると大きくなります。)

実家(相生市)のヤツデ

撮影は 2001/12/09
(以下同じ) 

左は開花前の花(つぼみ)

中央が雄性期の花

右は雌性期(受粉後?)

雄性期の花のアップ

 ヤツデの花には花と雌花の区別はありません。ひとつの花が日が経つにつれて雄花から雌花に変わるのです。雄花の時期は雄性期(ゆうせいき)と呼ばれ、おしべが成熟して花粉を出し、蜜も出します。やがておしべと花びらが散り、蜜も止まると、今まで小さかっためしべが伸び始めます。めしべが成熟するとふたたび蜜を出して虫を呼びます。花粉を着けてもらうためです。この時期は雌性期(しせいき)と呼ばれます。おしべとめしべの成熟する時期がずれているのは、同じ花の花粉がめしべに着くことを避けるための工夫です。近親交配すると性質の劣る子孫ができる可能性が高いからです。

 また花の咲く順番に規則性があります。ヤツデの花序(花の集まり)は円錐形で、ツリー状に分岐した花柄(かへい)の先に小花序(球形の花の集まり)がついていますが、枝分かれの少ない花柄についた小花序から順に咲くのです。すなわち、先ず(分岐のない)円錐形の頂点の小花序が咲き、次に大きな分岐の先端の小花序、その後に大きな分岐から分かれた小分岐の小花序が咲くのです。

 なお最後に咲く小花序には雌性期(しせいき)が無く、雄性期が終わると枯れてしまいます。他に雄性期の花がないので、花粉を着けてもらえる見込みが無いからです。

 ヤツデは昆虫の少ない冬に開花するので、受粉に必要な昆虫達をおびき寄せるために、特に甘い蜜を用意しています。ブドウやカキなどの果実の糖度(糖分の%濃度)は、甘くてもせいぜい15〜20ですが、開花したばかりのヤツデの花は、クリーム色の花床(かしょう)に糖度50以上といわれる甘い蜜を分泌します。


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