名前の由来駅 |
由来: かなり以前に、クリフォード・シマック(Clifford D. Simak)の1963年度ヒューゴー賞最優秀長篇賞受賞作品である「中継ステーション」("Way Station")というSF小説を読んで、なぜかすごく印象に残ったのを覚えています。シマックの作品は、田園的と評されていて、ここにもアメリカの田舎の自然描写がたくさん出てきます。だから、あまりSF小説を読んでいるという気がしませんでしたが、ただ、宇宙人が宇宙船ではなく、手荷物だけで銀河を旅行するというシチュエーションが珍しく、とても印象に残りました。ホームページを作成するに当って、頭の隅のどこかに残っていたこの本の事を思い出し、イニシャルとも音韻のあう「K−ステーション」となりました。 中継ステーション: アメリカはウィスコンシン州の人里離れた片田舎に、南北戦争以来年をとらずに暮らしている男の話です。彼は、たった一人で自給自足に近い生活をしており、時々宝石類を売って手に入れたお金で、たくさんの雑誌を定期購読しています。年老いた郵便配達から雑誌を受取る時に四方山話をすることだけが、外部との接触です。彼は、どう見ても30歳前後にしか見えないのですが、この小説の年代設定は1963年ですから、1840年生まれの彼は、すでに124歳になっているはずです。しかし、初めは不審に思った付近に住む僅かな人々も、年月が経つうちにこのことに慣れ、次第に受け入れるようになりました。彼らは、よそ者には何も言いませんし、訪問者もほとんどなかったので、この秘密は守られてきたのです。 実は、彼は、ある日訪ねてきたよそ者(実は中継ステーションの管理者のスカウト、つまり宇宙人)に頼まれ、自分の家を銀河に広がる交通網の中継ステーションにするという、取決めをしたのです。彼自身はその駅の管理者となり、中央本部の連絡があれば、転送されてくる旅人の世話をします。そして、彼は自分の家、すなわち中継ステーションの中にいる間は年を取らないのです。 話の展開としては、彼のことが政府の調査官にばれて、その他、宇宙の平和を維持する装置を盗んだ犯人が、地球に逃亡してきて、片や、地球では核戦争の危機に陥っていて、などなど。でも、最後はうまく納まります。納まり方が、少し強引な感じもしますが。 転送装置について: 現在から見れば、中継ステーション内部の機械類の描写に時代遅れの感があるのは仕方のないことですが、これらの装置は、基本的には、「宇宙大作戦」で一般に知られるようになった、転送装置と同じです。ただ、余りに長い距離(と言っても銀河全体から見た時にですが。)を一度に移動することは出来ないので、所々に中継ステーションが必要なのです。通常は銀河社会の一員である星が選ばれるのですが、付近に適当な星がなかったので地球が選ばれたのです。 転送装置が最初に登場したのはエドワード・P・ミッチェルの「肉体を失った男」("The Man without a Body"、1877年)だと、ロイド・ビッグル・Jrの「暗黒のすべての色」("All the Colors of Darkness"、1963年)の訳者あとがきに書いてありました。「暗黒のすべての色」に登場する転送装置は、「中継ステーション」の転送装置と違って、地球人の発明です。しかし、以前から転送装置を使っていた宇宙人達は、地球人が勝手(?)に発明した装置を闇に葬ろうとして妨害してきます。これを調査するのが、主人公の私立探偵ダーゼックです。これはシリーズ物で、ダーゼックは、商人として、外見は別にして、愉快な宇宙人達と友達になります。 「暗黒のすべての色」と「中継ステーション」は、偶然にも同じ年の出版で、同じように転送装置を扱っていて、奇想天外な宇宙人がでてきます。違いと言えば、「暗黒のすべての色」には宇宙船が出てくることです。これは、「宇宙大作戦」(アメリカでの最初の放映が1966年)でも同じですが、転送装置の移動距離の性能の違いでしょうか。まあ、「宇宙大作戦」は未知の世界の探検が目的なので、宇宙船がなければ行けないことは確かですが。 一言: 田舎の古びた建物が、実は銀河旅行の中継ステーションだったという話は、ごく普通の隣人が実は宇宙人だった(これは恐怖かも知れない)、という話とはまた別の、もっと雄大なロマンチシズムを感じさせました。もちろん、宇宙人も出てきますし、彼らはET以上に人間離れ(というか、物体でさえない場合もあります)しています。しかし、読んでいて、彼らが恐ろしい怪物だとか、醜悪な化け物だという感じはしませんでした。むしろ、人間と同じように喜怒哀楽を持ち、お互いに歩み寄れば心が通い合う相手だという風に描かれていました。 移動方法が何であれ、旅する時には必ず駅を通ります。車は例外のようですが、最近は「道の駅」というのも出来ています。空港も、ケープ・ケネディも、駅の一形態です。SF小説には宇宙港がごく普通に登場しますし、銀河鉄道999も駅を必要とします。でも、これだけたくさんの駅があるのに、駅はそれぞれ違っていて、同じ駅というのは存在しないのです。どの駅も同じではないのは、「K−ステーション」も同様です。どうぞ、楽しんで下さい。 |
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