ユーザーリポート




埼玉県の井上さんが投稿してくださいました。(2001年8月22日)

  


 シュワルツ150双眼が手元に来てからはや半年、1号機の所有者であるにも かかわらずレポートをサボっているうちにユーザーレポートも充実してしま ったようなので、オーナー以外の声を拾ってみました。

      晴天に恵まれた新月近くの観望会にて

 コントラストは素晴らしく高い。経緯台の操作性もとてもいい。これで
   50万円は格安。

 やはり両目で見るのは楽だし、細部までよく見える気がする。

 射手座から鷲座くらいの狭いエリアだけに限定しても、流していくだ
   けで一晩楽しめる。

 いいかげんに振ってもなにかしら視野に引っかかってくるのは快感。

 散開星団までが立体的に見えるとは思わなかった。

 今晩の一番の収穫はシュワルツ双眼で見たh-χ。素晴らしい星々
   の色彩だった。

 LinearA2彗星は32cmドブよりもよく見えた。

 これで見たM13は忘れられない。分解能では大口径には敵わない
  が、双眼視と高コントラストのおかげで臨場感が違う。

 このときは周囲にテレビュー製10cm屈折、苗村鏡20cmニュートン、40cmスタースプリッターなど、高性能で知られる鏡筒が多々あったのですが、これらの中にあっても評判は上々でした。

        原村星祭り(満月近く...)にて

 ベタっと光線が当たっているだけの、月の海の中にある皺の部分などに何ともいえない質感がある。これは単眼では味わえない。

 ヌケとコントラスト、像の切れが素晴らしい。色収差もさほど目立たず、欠け際の部分を見ても不快感はない。
ライトイエローのフィルタを用いれば何の問題も感じられない。

 ディープスカイが見れずに残念だが、鏡筒のポテンシャルは高いようだ。
眼視専用なら十分な性能。

 フリーストップ経緯台の操作性は非常に良好で、これなら確かに微動は不要。

 (眼幅調整機構に関して)これだけのサイズの鏡筒が親指一本で平行に動くとは、工作精度の高さがうかがえる。

 これが組立・撤収それぞれ10分以内(※)というのは、構造が合理的なことの証拠だ。

このときも周囲には20cmマクストフニュートン、40cmスタースプリッター、PENTAX105SDHF他多数の高性能鏡筒があったのですが、評価は非常に高いものでした。

※1300ccの車に積む都合でピラーの三脚部までバラしているため、このくらいかかっていますが、脚部を組み上げたままで移動できれば5分でOKです。

 半年間使用してきての私としての評価ですが、一言で言えば「楽」、ということです。納品された時こそそのサイズに圧倒され、 訳も分からずいじっては左右光軸をずらしたりもしましたが、一度調整・操作手順を覚えてしまえば楽なものです。

 まず調整ですが、私はこれまで双眼望遠鏡には無縁で、しかも双眼視は苦手だったのですが、2〜3回使っているうちになんとかモノにできてしまいました。

 これは元々の工作精度の良さと、EMSによる調整の容易さに負うところが大きいと感じています。
工作精度が高いため再組立時にも光軸が大ズレすることはなく、まず間違いなく微調整だけで済みます。
 この右のEMS微調整に要する時間は、今では1分といったところでしょうか。比較対象としては不適切かもしれませんが、 ニュートン反射の光軸調整などよりもはるかに容易といえるでしょう。

 購入当初、最も不安であった光軸調整ですが、 最近ではほとんど意識することが無くなりました。操作性についても、フリーストップの経緯台は適度な動きの軽さ とフリクションのためキックバックもほとんど感じられず、低倍率から高倍率まで快適に追尾可能で、大変満足の行くものです。

 私の常用倍率は今のところ200倍までですが、少なくともその範囲では微動機構が必要と感じたことはありません。

 光学性能に関しては、さすがにフローライト屈折や高精度鏡眼視用ニュートンのようなカリカリのシャープネスは得られませんが、 コントラストが非常に高いため、淡い対象もよく見えます。惑星の模様もこの高コントラストのおかげで非常に見やすいと思います。
 私はもともと散開星団が好きなのですが、シュワルツ双眼+LVW42mm(29倍)で見る大型の散開星団は星々がとても色鮮やかで、 何度でも飽きずに同じ対象を見入ってしまいます。h-χ、M35、M46&M47、(散開星団ではないですが)M4などはもう絶品です。
これからの季節、美しい散開星団が多いので、非常に楽しみです。

 敢えて不満を言えば、ロッド式フォーカサーの操作性と、フォーク+フレーム部のサイズが私の車にはほんの少し大きいことでしょうか。
  しかしこれらの点は最新型では改善されているので、これから購入される方は私と同じ不満を持つことはないでしょう。

 シュワルツ150双眼は、「見る」という行為にとって当然ともいえる「正立像・双眼視」が実にスマートに具現化されており、 観望用望遠鏡として一つの理想型とも言えると思います。
  これでスカイウォークをするのはとても幸福な時間です。恐らくこれから所有される方も同じように幸福を感じられることでしょう。

 ところでこれは余談かもしれませんが、どなたも指摘されませんので敢えて書きます。このシュワルツ双眼の隠れたメリットは、 完全に架台側に目幅調整機構を持たせたことで、鏡筒の換装が容易に可能なことです。

  サイズ的に小型鏡筒の使用は辛いものの、入手可能な唯一の双眼望遠鏡プラットフォームと言えます。
より短焦点の鏡筒や、入手さえ可能ならED鏡筒なども、2本揃えれば双眼望遠鏡として使用可能なわけです。 考えるだけで楽しいと思いませんか?

  実のところ、私には1200mmという焦点距離がちょっと長かったので、 より単焦点の鏡筒への換装を計画中です。いつになるかは分かりませんが、もしうまくいけばこの続きも レポートさせていただきます。

井上 次郎









管理者のコメント;

 井上さんは、(試作機のユーザーの方を除くと)本機を一番長く使用してくださっているだけに、 他の方の感想も含め、非常に広範囲なリポートをくださいました。

 本機の長所ばかりでなく、短所とも長く付き合っていただき、総合的に使いこなして いただいていることに、製作者として深い感謝の念を禁じ得ません。

  SCHWARZ150(F8)発売当初、今までの私たちの古い常識では、アクロマートで15cmと聞けば、 F8でさえ、十分に無謀に短焦点でした。 それが、その常識を払拭して余りある性能であったことは、 当ユーザーリポートコーナーで繰り返し報告されている通りです。
  それが、さらに後に発売されたF5 鏡筒がF8に劣らない性能を有することが、すでに続々と報告されており、近日中にこのコーナーに投稿される はずです。

 時間的経緯から、最初にF8を選択されたのは、当然の事であると言えます。  しかし、F5鏡筒が、少なくともdeep-sky観望用には十分の性能を有することが判明した以上、 今後は、deep-sky遠征観望用の双眼望遠鏡の素材としては、F5タイプが主流になることでしょう。

 



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