ED115-BINO
1.使い勝手編
1−1.光軸調整:
初期組み立て時に、左右のアイピーススリーブが平行になるよう
EMSを(結構適当に)装着し、いきなり恒星を200倍で見ました。
それでも左右の像は一致しました(もちろんXY調整機構は使用しましたが)。
結構心配していたのですが何の問題もなし。ただその後昼間に見たら
少々狂っていました。やはり基本に忠実、昼間にあわせたほうがいいですね。
1−2.合焦部分:
第4世代用の合焦装置、使いやすいです。
動きが渋めなので高倍率での調整時にはさすがに像は揺れますが、ガタや
バックラッシュが全くないのでピント合わせ自体はしやすいです。
しゅう動抵抗が大きいので、粗動のほうはあまり使わないことが前提に
なっているみたいなのですが、アイピース交換時に大きく移動させるときは
微動の調整範囲内でも、微動で送るより粗動の方が使いやすかったです。
ただ大きく動かすのは、ピント位置が他と大きく異なるNagler22mmと他の
アイピースと交換するときだけで、その他の場合は一度バックフォーカス
を調整したらその後粗動を使うことはないです。
1−3.目幅調整:
スライド式の目幅調整ですが、簡単に目幅が合いました。
ヘリコイド式と、どちらがいいかは一長一短ですが、私はスライド式で十分満足です。
1−4.全体的に
何のストレスもないです。長年の工夫がたくさん反映された結果だと
思います。すばらしいです。
2.見え方編
(空は街中、4.5等が見えるくらいの感じです。)
2−1:低倍率
M35,M41,M42,M44,M45などの大型の星雲星団を見てみました。
アイピースはNagler Type4 22mm(30倍)とPENTAX XL40mm(17倍)です。
手持ちの小型双眼鏡と(当然)全く違う光量で、街中でもこれらの
星雲星団は見て面白い程度に見ました。
90°対空双眼なので本当に楽に長い間のぞけます。ひとたびのぞくと、
気づくと結構長い時間がたっていたりして、びっくりします。
早く夏の天の川を見てみたいところです。
2−2:高倍率
土星、木星を見てみました。
アイピースはMeade UW6.7+TeleVue バロー2.0x (200倍)です。
シーングは何とかこの倍率が使える程度。
像は感動ものでした。
単眼に比べ像劣化が全くなく明るくなっている像です。しかも単眼より
同じ倍率でも大きく見えます。特に木星は200倍なのにとてつもなく大きく見えました。
大きな望遠鏡+双眼装置でも同じような像は見えるのかもしれません。
しかし温度順応時間が短く、シーングにも強く、EMSアポ双眼のほうが断然
お手軽のようが気がします。
リバウンドを考えながら移動させなければいけませんが、HF経緯台でも
この倍率なら追尾はそれなりにできます。
スケッチや写真撮影を行わないのなら、惑星用にアポEMS双眼お勧めです。
(でもこれで追尾できるようになると、さらにいいんですけどね。)
2−3:地上の風景
ここもアポ双眼が得意なところです。像は一言でいうと「完璧」です。
ものすごくコントラストが高く、明るいです。100mほど先の木を見ていたの
ですが、枝の前後関係や青空との対比がものすごくよく見えました。
3:その他
鏡筒はいろいろ迷ったのですが、自分としてはいいものを選べたと
思います。
集光力は大型アクロに負け、高倍率の像は長焦点アポやフローライトに
負ける鏡筒ですが、この鏡筒はかなり高いレベルでそれらを両立していると
思います。
大きさ的にも小型と大型の間ぐらいです。海外遠征に持っていくのは無理
でしょうが、平日に30分だけ見るために外に出そうと思える大きさです。当初は中途半端になるかと思い、
小型の高倍率用と大型の低倍率用を1組ずつそろえようかとも思ったのですが、
見事にこれ1台でそれぞれの役割を果たしてくれそうです。
究極を求めず、1台であれもこれもとやりたい人にはお勧めです。
4:終わりに
松本さんへ。忙しい中質問や仕様変更にすべてお答えいただき、
これだけのものを作製していただきありがとうございました。