ユーザーリポート




長野県の大沢さんが投稿してくださいました。(2001年8月15日)

  


 EMSbino120L、梱包を解いて初めて持ち上げた時にまずバランスの良さに 驚きました。ずっしりとしていますが重いという感じはなく、胸の高さのHF経緯 台耳軸受けに難なく取り付け出来ます。

 ちなみに双眼部本体の質量(鏡筒2本、接眼部、架台)は14.5Kg、 HF経緯台とHAL三脚は7.6Kgでした。 常時は 2階の自室に組立た状態で置いてあり、庭先に出すときは双眼部本体と経緯台 付き三脚の2つに分けて運びますが、数分で運搬組立が完了し、即座に観望 体制に入れます(組立といっても耳軸への装架、とレンズキャップを外すことく らいですが)

 使用前のセットアップに関して、眼幅調整はロックネジを緩める と左側の鏡筒が音もなく極めてスムーズに左右に移動してくれます。

 光軸微調 整はユーザレポートの山本さんの方法、即ち「明るい恒星を真ん中に入れ、右 側EMS第一ミラーユニットのXY光軸調整ノブを廻して左右の像を一致させる →そのまま少し目をアイピースから離し、目の矯正力で感じなかった像のズレ を左右視野円内の恒星が同一位置になるようウインクしながら微調整する」 方法で行っていますが、ゆっくり行っても2分もあれば完了してしまいます。

 通常、双眼鏡の光軸調整は素人の手には負えないと言われていることから 考えると驚異的なことです。 観望に際しては大変使い心地のよい操作性のハ ンドルを握って水平から垂直まであらゆる方向に自由に鏡筒を向けられ、かつ クランプを全く必要とせず任意の方向で停止する、しかも耳軸摺動部に適度な 摩擦抵抗があるため、粗動・微動操作共、極めて快適です。

 デザインも秀逸で 各部が堅牢丁寧に加工組立されていて美しく、いわゆる「持つ喜び」を満喫させ てくれます。

 /見え味について、正直言ってこれほど凄いとは思っていません でした。 昼間の風景では、遠くの電柱に取り付けられている装柱材のボルト やナットがくっきりと手に取るように判り、碍子の周りにはアクロマート特有のま とわりつくはずのハロは殆ど見えません。しいて重箱の隅をつつけば色つきは あることはあるが邪魔にはならないと言ったところでしょうか。 碍子の表面で 反射する小さな光の点は陽炎に揺らぎながらあくまで極小点に収束している のが判ります。

 花や木々は微妙な色合いや水々しさが眼前に広がりいつま で観ていても見飽きません。経緯台の操作感が抜群なので飛行中の鳥を追 跡することも容易で、旋回しているトンビの羽根の美しさにハッとさせられるこ ともあります。

 最初に観たのが昼間の景色で、既にその時この双眼望遠鏡 の並々ならぬ能力を予感していましたが、星空についてはさらに凄いもので した。視界中心の恒星像を見ながら近距離側から無限点へ静かにピントを追 い込んでいく・・・深く小さな光点に収束して恒星の輝きが頂点に達し、目が痛 くなるほどです。

 月はまるですぐそこにあるかのような臨場感、明暗と細部の 様子が見事なクレーター、二重星団は視界いっぱいに色とりどりの微恒星が 広がり例えようのない美しさに目を奪われます。 現在ペアで所有している唯 一の2インチ低倍率アイピース(WideScan30)による超広視界双眼視、そこ にはもはや「筒から覗いている」という感覚はほとんど存在せず、漆黒の宇宙 空間に漂う船から窓の外をみていると言った方が良い世界です。

 90度対空型 なので低空の星空を観望しているときは顔は下を向いているのですが、アイピ ースの向こう側の宇宙空間に落ちそうな錯覚に陥ることすらあります。

 SCHWARZは「大口径、眼視専用、低廉のアクロマート」と言われているようです が、私の観た限りでは「値段の割によく見える」などという低いレベルでは無さ そうです。もちろんその性能を遺憾なく発揮してくれるのは像質劣化の無いE MSの底力があるからだと思います。双眼視による宇宙、その臨場感を一度 味わうと単眼の世界には戻れないかもしれません。「両目で観る」光の量は 単眼の2倍ですが、頭の中で処理され感覚として認識する情報の広さと深 さはその何倍にも達するのではないか・・と思います。


Osawa








管理者のコメント;

 大沢さんは、この度のSCHWARZ120(F8.3)双眼望遠鏡がお初めてにもかかわらず、 最初から難なく使いこなされ(エンコーダもご自分で取り付けられました)、 持ち前の豊かな感性で、痒い所に手が届くリポートを次々に送ってくださっており、 この度、正式にまとめてくださいました。

 大沢さんは、前回のSCHWARZ150(F8)の初期仕様の受注の時に、唯一の12cmとして ご注文いただき、こちらの事情で随分と納期をお待ちいただくことになってしまいました。  もともとは、SCHWARZ150(F8)の初期仕様の縮小コピー的な物を計画していたのですが、 その後にF5タイプで成功を確認した新しい方法を採用しました。 




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