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12cmF5-BINOさて、去る7月11日に、12cmF5BINOを受け取りにお店にお邪魔して以来、天候不順と月明かり のせいで、なかなかBINOをまともに振り回せず悶々としていました。 が、ようやく高気圧の張り出し域に スッポリと覆われて、先週8月15日に、自宅から比較的アクセスしやすい南房総の山中へ遠征してきま した。 本当に待ちに待った日です。目的地への道中、お盆中でもあり帰省や行楽の渋滞も覚悟していまし たが、以外やスムースに流れました。夜行性の趣味にもメリットはあるようです。海ほたる方面の東京圏 の大光害域を背に南下してゆくと、右手にさそりのS字が傾きかけています。急がねば。しかし、後部シ ートには主役のBINOを寝かせているので、レーサー気分でつづら折れの山道を駆け上がるわけにはいきま せん。ここは、はやる気持ちを抑えて、粛々と歩を進めます。 開放した車窓からは昼間の暑さは影を潜め、どこはかとなく秋の気配が忍び寄ります。到着するやいなや車から飛び出し空を見上げると、満天の星空
を天の川がサラサラと流れています。思わずこの地の山ノ神に手を合わせてお礼をつぶやきました。この
星見場は稜線づたいを通る林道の待避所的な平場で、昨年より時折足を運びます。 わくわくしながらも、あっけなくBINOを組上げ、光軸と眼幅を微調整。鼻歌交じりで誰で
もいたって簡単。眼幅調整のクレイフォードのつまみをゆっくりと廻し、左右の視野円が合致したその時、
単眼時代の観望スタイルは粉々に砕け散りました。 かつて、マクルーハンという学者が 「Media is message] なる言葉をメディア界に投げかけまし た。これは、個々人が情報をどのように解釈するかは、その内容よりも伝えるメディアそのものに大きく 影響を受ける。というものだったと記憶します。BINOにはメディア進化の可能性が大いにありますよ。 今、林の輪郭にアンタレスとM4が沈みかけています。急ぎ向けてみます。ターゲットを導入する際の操作 性、安定感、全体のバランス、どれも申し分なしです。長く付き合う道具とは、かくありたいものです。 WS30mm 20倍 4゜強、M4が中心近くまで星々に分離されています。妖光を放つアンタレスと同一視野で の光景は絶品です。ここから、銀河に沿ってゆっくりと散策してゆきましょう。ファインダーは要りま せん。ただ、行きたいほうへ向ければよいのです。大抵、一つや二つ小さい散開星団や散光星雲が視野に ちりばめられています。背景には微光星の海原が拡がります。時折、有名どころの星雲星団に立ち寄る 際、視野の端で捉えてから中心へといざなうこのひと時がたまらずスリリングです。静止像は勿論の事、 視線を流している最中の動きのある光景も魅力です。このような感覚、楽しみは単眼では気づきません でした。旅人が旅のプロセスにこそ重きを置くような感覚です。 夢中で操作ハンドルを握り締め
ていると、あっという間に時間は過ぎ、天頂付近を飛翔する白鳥付近が視野に入ってきました。
この位置でもBINOの見易さにかげりは一切ありません。夥しい数の星の海をかきわけて、網状レムナント
のある辺りへと進行します。もう、何も言えましぇん。一度、他人の30cmドブソニアンにOV
フィルターを通してハの字の東側のアップを見せていただき、いたく感動したこともありました。 そうそう、ボーグの60EDで夏の散光星雲を撮る予定でしたが、それどころではあり
ませんでした。 サルスベリの紅白の花が満開の頃 玉川 |
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製作者冥利に尽きるリポートをいただきました。今までにいただいている数々の リポートもそれぞれに個性があって素晴らしいものばかりですが、久しぶりに感性にストレート に浸透するリポートに出会った気がいたします。 単体の屈折式天体望遠鏡のランク表記に、(単レンズはもうあり得ませんね)アクロマート、 セミアポクロマート、2枚玉アポクロマート、3枚玉アポクロマートと、かなりのバリエーション があるわけですが、EMS-BINOの真価は、そういうランクの比較の次元の外にあるということを、 玉川さんが非常に分かりやすく説明してくださいました。 もちろん、素材鏡筒を選べば、さらに素晴らしいことは事実ですが、決定的な部分はEMSが持つ 基本原理のシンプルさによる勝利に他ならないという事実が、昨今の鏡筒の高級指向の陰でかすんでしま うことに少々の危機感を持っておりましたので、この度は非常に良いタイミングで、私たちが原点を 見失わないように一喝いただいた気がするわけです。 玉川さんの初対面の印象は、”天文マニア”のステレオタイプからはほど遠い、スポーツマン
的な立派な体躯の持ち主だったことですが、もっと忘れられないのが、『合理的な命や道具の裏には
シンプルな数学の定理が隠されている。』という信念を深く共有する方だったことです。 ただ、数年前、箱型のEMS-Sユーザーの方が同新型を追加購入された際(
その方はネットをしない方で新型の画像を見ていなかった)、「今度はサザエみないな奇妙な形だ・・・」
と不評だったことも印象に残っています。^^;この、サザエの形^^;を具現するために数百万円の投資をし
た意義は、この方には理解できなかったわけです。 蛇足を重ねて、せっかくの素晴らしいリポートを spoil してはなりませんので、ここらで締めくくります。 |



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