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なぜ銀ミラーなのか 今年の春、TMB/APM-LZOS 130/F6-BINO(リポート1、2) を手にし、素晴らしい
双眼望遠鏡で日々楽しんでおりました。 さて、銀ミラーは耐久性の問題があり、過去に使われなくなった経緯があります。いくら良くても2〜3年で劣化するよう では問題です。温泉に近い所で観望したら、ミラーが真っ黒になってしまったのでは泣くに泣けません。しかし、これ程差 が出るのであれば、消耗品のようにミラーだけ交換しても、と思う位の素晴らしさです。いろいろ調べてみると、マウナケ アの「すばる」の副鏡は銀ミラーを採用しているのがわかり、問い合わせてみると、2年経過した今でも何も問題が起きて いない、との事。また、ImDIYgo の池田さんの調達した銀ミラーは、既に耐久性の問題もクリアしているというではありま せんか。こうなったら、作らない手はありません。池田さんは、その後、過酷な耐久テストを行い、実用に全く問題が無い 事を証明して下さいました。 第1ミラーの大型化 一見して、ハウジングが大型化しているのがわかります。これは 第1ミラーが大型化し、鏡筒の光束がもれなく接眼部へ 送り込まれるためで、見るからに頼もしいですね。 ハウジング内の迷光対策 接続バレル内周には遮光シートが貼ってあります。 どんな塗料、表面架工も、これには遠く及びません。明るい像が、 コントラスト、シャープネスを増し、クッキリ、ハッキリ。 比較してみました 〜新時代の到来〜 さて、届いた新型 EMS。さっそく交換し見てみました。思わず口に出たのが「えらいこっちゃ」。昼間の地上風景を 散策しましたが、その間、ずっと頭の中は、「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」。何と言っても、像の鮮度が違うのです。 とにかく vivid! 一段と明るく、シャープさが増しています。 夕闇に包まれてきました。左側に従来型EMS、右側に新型 EMS を取り付け、冷静に比較してみました。いつも光学系の像を チェックしている700m先の高圧線・鉄塔のガイシですが、従来型EMSですと、もう黒いシルエットになっていますが、新型EMSです と、何とガイシに街の明かりが反射して、ガイシの質感が伝わってきます。街灯や、マンションの電球などを見ると、 ガラスの質感が1枚ベールを脱いだようにクリアにシャープに見えています。冷静に比較、等と書きましたが、実はすぐに 頭は興奮状態。いや〜、これは一種の革命ですね。 晴れた日を狙って(これがまた実に少ない)、星空で比較してみました。都会の空ではメジャー天体ばかりになりますが、 M13や、M31では、中心の星の密度が違います。中心の砂状のツブツブ感が増し、周辺の星がより多く見えています。M57で は、輪がよりはっきり見えました。M45や二重星団では、一つ一つの星の点が針を刺すようにくっきりし、見えてくる星の 数が違っています。木星は、帯の模様がより豊富に見えていました。M42は、ガスがより広がり、これからが楽しみです。 どうやら、銀ミラーは、少なくとも口径一段アップ、高度500m(?)アップの効果があるようです。という事は、ニュート ンの鏡を銀にしたらどうなるのでしょう。今まで見えなかった色が見えてくるかも?? 謝辞 私にとって、この1年間は10年以上、と思える位、濃密で激動の1年でした。このような素晴らしい銀ミラーを見つけて下 さった池田さん、そして新型EMSユニットとして形にして下さった松本さんのお陰で、素晴らしい世界に浸っております。 どうもありがとうございました。 |
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YK様より、銀ミラー仕様のEMSの、記念すべき最初のリポートをいただきました。 銀ミラーを採用する上で、技術的なこと以前の問題に、まずは非常に悩みました。 極めて短期間で銀ミラーの実現性が濃厚になったため、最近お作りした方との公平性をどう保つか?、また、アルミ蒸着 仕様をそのまま残して、プレミアム仕様として銀ミラーを採用し、2本立ての価格体系を作るか? 等々で、最初は厭になるほど悩み抜いたわけですが、銀ミラーサンプルをテストしている内に、次第に自分の 腹が決まりました。サンプルを検証している内に、アルミ蒸着仕様の継続は もはやあり得ない、と思えるほどの衝撃を銀ミラーがもたらしたからです。 すでに当サイトで発表しておりますように、銀ミラーへの一本化という結論に至った次第です。 銀ミラー(に限らず)の効果を客観的にお示しするには、どうしても数値データをお示しすることになるのですが、 その効果は、数値データだけでは表現しにくいことが分かって来ました。 たとえば、先日”BINO製作情報速報”に 掲載させていただいた私の友人のコメントの、『0.3等級くらい極限等級が上がった』というのがありますが、 これは単純に取り込まれる総光量から計算しますと、理論的にはあり得ない数字だと思われるでしょう。しかし、この 友人は、30年来の変光星観測家であり、無責任な感情的表現をする方ではありません。 この辺も、いずれは理論的に 解明されるかと思いますが、現時点での私の推測は以下の通りです。※ ※私たちの眼の視感度のピークは低照度になるほど短波長側にシフトします。(プルキンエ現象) これは客観的な事実ですが、これをどう解釈するかで判断が分かれます。 この一つの解釈に、「ただでさえ眼の感度が低い赤い方の光はプルキンエ現象下では無視して良い。」という のがあると思いますが、どうやら全く逆のようで、低照度下で眼の感度が下がる長波長域こそ、より強い刺激を眼に投入 する必要があるようです。また、この領域の少しの光量の差が低輝度の対象の認識の臨界を分けるというのが、どうやら実際に 近いように思います。1〜2割の差であっても、臨界点付近の差はその効果に0と1を分けるわけで、見える、見えないの 決定的な違いとなって表れます。 銀ミラーサンプルを音楽に詳しい方に見せた時、その方が、「携帯用のオーディオ機器は、一般的に言われている 人間の可聴域限界付近の両端で、高音部と低音部を切り捨てているが、その聞けないはずの領域を全て残したものと、切り捨てたものを 聞き比べれば、不思議にその差が分かる。」という意味のことを言って、赤外域まで高反射率が続く銀ミラーの 効果に納得しておられました。 ほぼ1膜が1波長ごとに切り取って行く誘電体多層膜では、条件設定した可視域ぎりぎりの 両端で急にストンと逆鍋底状に光を反射せずに透過してしまうのが、銀の反射率傾向と極端な対照をなしています。 (さらに誘電体多層膜では、入射角に鋭敏に依存してその反射率が落ち込む断崖の位置が大きくシフトするという 危険性も孕んでいます。) それと、反射率の向上でアップする光量を(否定的な意図で)口径換算で比較するのはナンセンスです。 構成光学素子の透過率のアップについては、単位射出瞳面積当たりの明るさがアップしますので、射出瞳径を 大きくしてしまう口径アップでは決して補填できるものではありません。たとえば、「反射率(透過率)8% アップは口径100oが104oになっただけの光量の差だからほとんど認識できない。」というのは大間違いなのです。 「√2倍の口径の単体鏡筒+双眼装置が本来のBINOと同じ明るさ」、というのも同じ間違いで、双眼装置は どんなに大口径に使用しようが、単位射出瞳面積当たりの光量は常に1/2以下なのです。 説明が長くなりましたが、この度の銀ミラーの採用には、池田さんとYKさんの大きなお働きが不可欠 でした。 簡単ではございますが、ここで改めて深く御礼申し上げます。 |



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