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昨年から、とある計画をすすめているのですが、その一環として、フィールド・スコープをファインダーとして使う、という事を試みました。ファインダーとしての機能のみならず、同時に高品位の屈折の像まで楽しんでしまおう、というものです。 フィールド・スコープは、80mmを超える口径でEDレンズ、正立像、そして本体重量が1.5s などという、信じられないスペックが目白押しです。ところが、大口径のフィールド・スコープでは最大実視界は2.4°止まりがほとんどで、3°を超えるものは、あまりありません。以前は実視界3°を超えるアイピースも各社出していたようですが、どうも人気が無く、今はあまり生産されていないようです。NAV-HWと双眼鏡EDGシリーズで技術力の高さを見せ付けた、ニコン・ビジョンのEDG 85-A は3.3°の実視界が得られますが、本体が2s あって、他社のものよりひときわ重いようです。 まあ、とにかく覗いてみよう、という訳で、さっそくあれこれ比較してみました。やはり口径の差は歴然としていて、どうしても80mmは欲しいところです。私が大いに期待したEDG 85-A は、アイピースの交換が、とにかく大変。怪力が無いと出来ませんでした。何で、アイピースも双眼鏡も、そしてフィールド・スコープも光学性能は素晴らしいのに詰めが甘いのでしょうね。結局選択したのは、Kowa Prominar TSN-883。88mmもの口径があって、しかもフローライト・クリスタルレンズ、本体1.5s。最も明るく像も秀逸でした。アイピース:TE-17W で実視野2.4°、見掛け視界72°です。それにしても、昔の望遠鏡の感覚からすると、ほとんど信じられないスペックです。望遠鏡業界の感覚が、未だに古典的・保守的概念から脱却できない部分を常々感じていますが、ここでもそれを感じてしまいました。 さて、さっそく各種天体用アイピースで試してみました。愛用している笠井 EWV 32mm は、2インチバレルにレンズが詰まっておらず、しかも外す事が出来ます。しかも、スコープ本体のアイピース口部のリングを外して、これを被せるようにして見ると、無限遠でピントが出て、しかも実視野は3°以上取れているようです。ただし、見掛け視界は85°は得られません。専用アイピースの挿入部の径が細く、2”アイピースでは、視野がしっかりケラれてしまいます。アイピース・コンバーター TSN-EC3 を使って昔発売されていたTE-21WD を装着すると3°得られるようですが、今は入手が困難です。 純正アイピース:TE-17W を装着したところ
リングを外したところ
EWV 32mm を被せてみた。ピッタリ!
スコープ本体のアイピース口のリングは、口径54mmのネジ、EWV 32mm の鏡胴部(黒い部分)内径(2インチバレルを外した所)のネジは56mm、この、54mm→56mmのステップ・アップ・リングは、市販品には見当たりません。そこで、松本さんに製作を依頼した次第です。松本さんは、まるでドラえもんのようです。あっという間に、外周にギザギザの付いたフランジ付きのステップ・アップ・リングを作って下さいました。松本さんに送ったのは、スコープ本体のアイピース口のリングのみ。これを基にジグを製作して、ステップ・アップ・リングを作った、との事です。流石の技術力ですね。 松本製ステップ・アップ・リング
EWV 32mm に装着したところ
とはいうものの純正のネジではありませんから、このような場合、何らかの潤滑材を使用しておいた方が安全です。使用したのは、テフロン配合のオイル:Wako’s メンテループごく少量。APM-Bino の耳軸のメンテに使用しているものです。装着してみると、まるで標準のアイピースのようで、ピッタリです。
フィールド・スコープは、焦点距離等の情報は公開しておらず、各社、問い合わせても教えてくれません。ただ、このスコープの焦点距離が500mmである、という話を聞きました。そうすると、f5.68、EWV 32mm で、15.6倍、実視界5.4°、射出瞳径5.63mmとなりますが、視野がしっかりケラれるので、手持ちの機材との比較で、EWV 32mm を装着した時の実視界、見掛け視界がどの位なのか、チェックしてみました。実視界は、何と、約4°、見掛け視界は、62°位でしょうか。また、しっかりケラれた分、目の位置がシヴィアになります。的確に眼の位置を合わせないとブラック・アウトしてしまうし、アイピースに眼を近づきすぎても遠すぎても見掛け視界は狭くなります。
* 推定値 このスコープが活躍するのは、早くて春。現在は待ち遠しい日々を送っております。 |
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YKさんより、フィールドスコープ用のアダプターに関するリポートをいただきました。 小さなパーツを大きく評価してくださって、本当に製作者冥利に尽きます。 私は自分の機械加工はまだまだ素人の段階だと思っていますが、特に肉が薄いパーツの製作には気を使います。 加工物その物よりも、それを保持したりするためのジグ(最近、”治具”は英語の jig の借用だと知りました。)の製作や加工手順のプランニングの段階で勝負が決まります。さて、このスコープは進行中の巨大プロジェクトのファインダーに過ぎないのですが、私もその本命の完成を楽しみにしております。 この度はまた、タイムリーにパーツのリポートをくださいまして、誠にありがとうございました。 |



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