PH130は、凸玉にPHOTARONを使用した3枚玉だそうです。製造が中止されたのは、恐らく素材が入手できなく
なったためかと思います。
PHOTARONは、住田光学ガラスが製造したCaFK95と思われ、そうだとすると、凸玉は私の愛機の15cmホタロンと同じということに
なります。CaFK95は、一般のEDガラスよりもフローライト(CaF2)に近い光学特性を持ち、従って光学性能もよりフローライトに近い
ものが期待できます。
私の愛機は2枚玉のF8ですが、横山さんのPH130は、F値は小さいものの、3枚玉ですので、少なくとも設計上は私の対物よりもさらに上の
性能が期待できるはずです。
1991年、15cmPHOTARON-BINOを計画中に、私はポケコン(当時流行った電卓サイズのPC)のBASICで独学で光線追跡ソフトを作り、ビルトインの
ミニロール紙プリンターで数値を打ち出し、それを手描きでグラフに表すという気の遠くなるような作業を経て
性能評価をしてみたことがありました。(当時のポケコンでは、1行の数値を打ち出すのに数秒かかりました。)
相手ガラスで最高の結果を示したのはKzF5でしたが、その後にレンズメーカーに相談したところ、その硝材はすでに入手不可能であ
ることと、たまたま、研磨、コーティング済みのKF3+CaFK95の15cmF8が2セット在庫ありとのことでしたので、
KzF5をKF3で妥協した組み合わせで計算してみました。
すると、残存収差は理想値とは少し外れるものの、実用上問題ないレベルであることを確認し、
採用を決断したのでした。
望遠鏡の性能が極限に迫るにつれて、架台も課題になって来ます。 フリーストップのフォーク式経緯台は、元来deep-skyを
低倍で流す前提での設計のようですが、私は、より高精度で大型の望遠鏡に対応できる汎用型のフォーク式経緯台を光学メーカーが
一日も早く発売してくれることを願って来ました。
1991年に私が15cmPHOTARON-BINOを製作した時も、当時は信頼できる大型の自動追尾式
の架台として、ドイツ式赤道儀しか選択肢がなく、大がかりな回転装置を準備しなければなりませんでした。しかし、これから据え付けの
大型BINOを作る方には、2軸制御の経緯台をお勧めしています。
光学メーカーは、十年一日のごとくドイツ式赤道儀の呪縛から逃れられないようですが、その目を覚ますには、消費者の方が
光学メーカーに対して、より強いメッセージを送ることが必要だと思います。 たとえば、望遠鏡のバックフォーカスやドローチューブ内径等に関しては、「ピントの出ない望遠鏡は買わない!」
くらいの強いご姿勢が求められると思います。