史上最強のおかみさん
「かみなりのお松」


記念すべき20番目は、「船弁慶」(ふなべんけい)から。
気に入ったコトバというわけではないのですが、ものすごいおかみさんがいるので、ご紹介しましょう。

気の弱い喜六さんの奥さん、名付けて「かみなりのお松」またの名を「すずめのお松」。

すずめのお松なんてかわいい名前じゃないかと、勘違いしては困ります。
すずめのようにピーチクパーチクやかましく、かみなりのように恐いおかみさんなのです。

お松さんの数多い伝説の中から、ひとつ紹介しましょう。
ある日、お松さんが、喜六さんに夕飯のおかずの「焼き豆腐」を買ってくるように命令します。

喜六さんは二銭を握りしめて、豆腐屋に行くのですが、途中の道ばたで、いかけ屋(鍋の修理屋さん)の仕事を夢中になって見物してしまいます。案の定、買ってくるものを忘れてしまいます。

とりあえず、豆腐屋に行くことだけは憶えていたので、豆腐屋で「うすあげ」を買って帰ります。

が・・・

家に帰ってそれを見せると、お松さんの顔色が変わります。

はっと自分が間違えたことに気づいた喜六さんは、あわてて引き返し、八百屋で「ねぎ」を買って戻ってきます。

が・・・

こんどはお松さん、顔色を変えず、ニタリと笑います。(恐いですねー)

喜六さんは、着物をビャーっと脱がされ、奥の間にずるずる引きずられ、背中にお灸のもぐさをピャ、ピャ、ピャ、と乗せられます。そして、お線香で、シュ、シュ、シュ、と火を付けられます。

「熱い、熱い、かか、熱いわーい」と悲鳴を上げる喜六さん。

「熱けりゃ、熱うないようにしたるわい!こっちへ来さらせー」(大阪弁の変換はむずかしい・・)

こんどは井戸端に引きずられ、井戸水をジャバー、ジャバー、とかけられます。

「かか、冷たいわいー」(本当に大阪弁の変換はむずかしい。どなたか大阪弁が簡単に変換できるエディタをmomosanに紹介してください)

するとまたしても、奥の間に引きずられ・・もぐさをピャ、ピャ、ピャ、で、お線香をシュ、シュ、シュ・・それから井戸水をジャバー。

このようにして、火攻め水攻めのあげく、喜六さんはこう、つぶやきます。

「ここでわい、焼き豆腐を思いだしてん・・・」


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