陰と陽の場(緊張と緩和の法則)

なにもみなさんに難しい講義をしようというわけではありません。 「代書屋」(だいしょや)という落語の枕で、枝雀師匠がしゃべっていることがおもしろいので紹介しましょう。

場には「陽」(緩和)な場と「陰」(緊張)な場があると、師匠が言っています。

たとえば、魚屋さんは、「陽」な場でなければなりません。
「おくさん、どうです!このいわし、さっきまで生きてましたからね。ほらびちびちびち・・!」
こうに元気でなければなりません。

もしも「陰」な魚屋さんがいたとすると・・
「おくさん・・この・・いわし・・ひきとってもらえまへんか? 2・3日前から熱出して寝てまんねん・・」
てな具合ではまずいですよね。

このように、場には必ず、陰か陽かに分かれるのだそうです。

お医者さんなんかも「陰」な場です。
「今日はどうしました?顔色が悪いですね?」
と、やさしく、静かに先生に話しかけられると、momosanなんかは思わずうるうるしながら自分の症状を話し始めます。
これが「陽」なお医者さんだったらたまりませんよね。

「代書屋」さんというのは、いわば、「陰」な場です。そこへおもいっきり「陽」な人間の留五郎さんという人が、履歴書を書いてもらいに来るのです。

「陰」と「陽」の対決です。
「陰」な人間と「陽」な人間のかけあいが、最高におもしろい落語なのです。

さて、momosanは自他ともに認める「陽」な人間です。
momosanの職場は、「陰」な場の人(お医者さんなどです)を相手にしていますから、本来でしたら「陰」になりやすいところですが・・そこをおもいっきり「陽」な場にしてしまっています。

同居人のkumasanはというと、これが・・ほんとに「陰」な人なんです。
メインフレームのプログラマーをしていますが、一日中、とある会社のコンピューターセンターで、プログラムを作ったり、人の作ったプログラムをいじいじと直したりしています。職場であまり会話がありません。みんな黙々と自分の仕事をしています。

こんなmomosanとkumasanが同じ家で生活しています(笑)

いわば、「代書屋」でのかけあい漫才みたいな事を、毎日実生活で再現しているのです。
だからおもしろいですよ。ほら、今もパソコンの前に座っているmomosanの後ろに、kumasanが背後霊のように立っていて、なにかぶつぶつつぶやいています。

「ぼくって、そんなに暗い人間かな・・」


戻りまっか?(演題別索引に)

戻りまっか?(落語のコトバに)