似てるんやないです、そのものです

7ヶ月ぶりの更新です。
ここまで更新が遅れましたのは、相変わらず北海道へ通っている、仕事も忙しい、家にピッキング強盗が入る等、いろいろ忙しい日々を送っていたのです。

95題目は枝雀師匠の「いらちの愛宕詣り」(いらちのあたごまいり)からもってまいりましたー。
「いらち」っていうのは、大阪弁で「いらつく人」、「せかせかする人」のことをいいます。ひとつのことをやっていても、せかせかと次の新しいことが気になって仕方ない大阪の人の性格も表しているそうです。
この話に出てくる「タケさん」という人もすっごい「いらち」な人です。
まず、朝起きると、普通は朝ご飯食べますが、この人は「朝飯食っているようでは気がおさまらん」と、朝なのに晩ご飯食べるんです。
では、晩はなにを食べるかというと、次の日の朝ご飯を食べるんです。

そんなタケさんが、いらちな性格を直したいと、「愛宕神社」にお詣りしようという話しです。
お詣りに出掛けるまでがまた大変なんです。
朝、おかみさんがタケさんを起こすと、顔も洗わず、寝巻きのまま表に飛び出します。
それをあわてて引き留めて、顔洗えっていうと、タンスの引き出し開けて顔洗う水を探し出す始末です。
やっと顔洗うと、手ぬぐいで顔拭こうとして、ネコつかまえて・・・拭いてる・・
ご飯は食べずに、おかみさんが作ってくれた弁当を風呂敷で包んで首にくくりつけて、さあ、出掛けました。
え?弁当をちゃんと風呂敷に包めたのかって?
それは最後のお楽しみ

愛宕山に着いたタケさんはさっそく愛宕神社にお詣りします。
「愛宕さんひとつよろしゅうお頼申します」とお賽銭を入れようとして、お財布ごと入れてしまう。
おかみさんからもらったお賽銭とおろうそく代とそれから自分の小遣いをみんなあげてしまったので、泣くのわめくのの大騒ぎです。
どんなに騒いでも、いちど入れたお賽銭を返してもらえるわけありません。
やっとあきらめてお腹がすいたのでお弁当を食べようと、茶店の軒先を借ります。

茶店の主人がタケさんの風呂敷に包んだ弁当を覗いて、
店の主人「あんたのとこの風呂敷何や格好がちょっと変わってまんな」
タケ「そうでっか?家の風呂敷はね、みんなこうして赤い色で、ひもが2本ついて・・あっつ、なんやこれうちの嫁はんの腰巻きですわ」
店の主人「中のお弁当は、箱枕によう似てますね」

タケ「似てるんやないです、そのものです」


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