てんつてんてん、とてちんとてちん、ちりとてちん

人前で歌をうたうのが大好きな人がいますね。
上手い、下手にかかわらず、聴衆がいないと、燃えないタイプの方たちです。
momosanなどは、一人か二人でひっそりと、カラオケボックスで歌うのが好きな方なんですが…

昔、大阪で浄瑠璃がはやった頃も、そんな方たちが大勢いたようです。

今回のコトバは「軒づけ」(のきづけ)からもってまいりました。

「軒づけ」とは、浄瑠璃を習う素人集団が、夕暮れに他人の家の軒を借りて、浄瑠璃を披露する、というものです。
上手い方ならいいですが、下手な人のは聞けたもんじゃありませんよ。
今でいえば、他人の家の軒下で、突然、マメカラ片手に歌い出すようなもんで、下手をすると、警察ざたになりかねません。

さて、今日も軒づけに向かう浄瑠璃の手習い集団がおりました。

ところが、いつもの三味線担当の人が、用事があって来られません。
そこで、三味線のピンチヒッターに「紙くず屋のてんさん」がやってきました。
上手い三味線ならそこそこ浄瑠璃も上手く聞こえますが、この「てんさん」、三味線の調子あわせも自分でできません。
弾けるフレーズもたった、三つだけ…

そ・れ・が

てんつてんてん、とてちんとてちん、ちりとてちん

なんです。

これではまるで、チンドン屋です。

あの、「義経千本桜」や「忠臣蔵」の、壮大で幽玄なシーンが、てんつてんてん、とてちんとてちん、ちりとてちんで、語られるのです。

これでは笑い話です。
「欽ドン」の世界です(わたしも古いなあ)

オカリナと木琴をバックに歌う、KISSのジーン・シモンズか、はたまた、なにわ少年少女鼓笛隊を率いて歌う、ミック・ジャガーか…

聞けるもんなら聞いてみたい。




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