おまえ、いわし食てけつかるなー、この生臭坊主 おまえ、いわし食てけつかるなー、この生臭坊主

記念すべき30題目です。

今回は、坊さんをボロクソに言います。
このページを読んでくださる僧侶の方、どうぞお気になさらずに。
けっしてあなたの事を言っているのではありません。

「三年酒」(さんねんしゅ)という落語をご紹介しましょう。

これは、江戸時代の話しです。
当時は、どこでも、お寺さんが絶大な権力を持っていましたね。
なにしろ、人が生まれたり、死んだりしたときも、人別(にんべつ)というのがお寺にあって、お上に届け出をしていたくらいです。

さて、お酒を飲んで、突然死んでしまった友人の遺言で、なんとかお葬式を「神道」(しんとう)で出してやろうというのが話しの始まりです。

当時、お寺で葬式を出すのが当然だったところを、これは、大変なことなのです。

そこで、なんとか寺の坊さんを説得しようと、町内から三人の男が選ばれて、お寺に向かいます。

まず、最初の男は・・・
「おねおねの佐助はん」・・・彼は、どんな話しも、おねおねと要領を得ず、えんえんと続けるので、聞いている方が根負けしてしまう。

次の男は・・・
「こうまんの幸助はん」・・・その名の通り、高慢で名が通っている。

最後の男は・・・・
「げんこの源やん」・・・説明はいりませんね(笑)

さて、寺にやって来た三人のうち、まず、佐助はんが坊さんと話しを始めます。

が・・・

もちろん、坊さんは、「神道」で葬式なんて、もってのほかと、怒り狂います。

そこで、幸助はんと、その後ろに、もう、げんこをかまえている源やんが登場。

幸助はんも、坊さんの態度に最後は堪忍袋の緒を切らして、こう、叫びます。

幸助「おのれ、おまえの背中に爪をぴーとたてて、左右にさいて、骨を抜いて、酢であえて食ってしまうぞ!」
坊さん「そんな、人のことをいわしみたいに・・」
幸助「お、おまえ、今なんて言うた!いわしと言ったな!わいの調理法を聞いただけで、いわしと言うたなー、おまえ、いわしを食てけつかるなー、この生臭坊主!おーい、ここの坊さんはイワシを食 ってるでえ」

こうして大声で言われては坊さんもたまらず、神道での葬式をしぶしぶ承知したようです。

さて、この話しの最後は・・死んだと思っていたのは、実は、飲んだら三年は酔いが醒めないという「三年酒」を飲んでいただけで、神道で土葬にしたおかげで、掘り返したら生き返ったということでした。

江戸時代のお寺の絶大な権力を、思いっきり皮肉った話しですね。

momosanは大好きです。


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