それはそれは、すたん、ぶびょうで
ございます。まぁまぁ。

「延陽伯」(えんようはく)という落語から、意味不明ななんともけったいなコトバを拾いました。
東京では、「たらちね」と呼ばれているポピュラーな落語です。

長屋のやもめ男が、家主の仁兵衛はんの紹介で、嫁はんをもらうことになりました。
この女性が、「延陽伯」という名前で、すごく器量のいい美人なのです。
ただ、ひとつだけ傷があって、小さな頃から京のお公卿さんに奉公に行っていたので、言葉がものすごく丁寧で、何を言っているのかわからないのです。

たとえば、彼女に名前をまず聞いてみると、

「わらわの姓名なるや、父は京都の産にして、姓は安藤、名は敬三、字を五光と申せしが、わが母三十三歳の折、ある夜丹頂を夢見、わらわをはらみしがゆえに、たらちねの胎内より生でし頃は、鶴女(つるじょ)、鶴女と申せしが、これは幼名。成長の後これを改め、延陽伯と申すなり」

普通なら、「名前は延陽伯と申します」で終わるところ、こんなにすごい言葉になるのです。

さすがに家主の仁兵衛はんも、意味がわからず、悩んだ末にこう、答えました。

「それはそれは、すたん、ぶびょうでございます。まぁまぁ」

さて、これはどんな意味があるのでしょう?
真剣に考えると、いつまでたってもわかりませんよ。
仁兵衛はんも、なにを言っていいのかわからず、思わずタンス屏風(びょうぶ) をさかさまにして言っただけのことでした。

この落語は、やもめ男が嫁はんをもらえるというので、大喜びで、風呂屋に行きます。
普段、風呂なんて、盆と正月にしか行ったことがなかったのです。
まず、せっけんがありません。
そこで、座布団の皮をはがして、米屋でそれに一杯「ぬか」を詰めてもらって、巨大な「ぬか袋」を作ります。
それを背負って風呂に飛び込むところなど、何回聞いても大笑いしてしまいます。

先日も、momosanはアイロン掛けをしながら聞いていましたが、笑い転げて思わずアイロンをほっぺたに押しつけてしまうところでした。


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