宮尾登美子の作品

義経 平家物語 櫂 春燈 朱夏 仁淀川 一絃の琴 きのね 蔵 手とぼしの記  つむぎの糸 楊梅(やまもも)の熟れる頃 菊亭八百善の人びと 東福門院和子の涙  伽羅の香 わたしの四季暦 陽暉楼 鬼龍院花子の生涯 きものがたり  天涯の花 松風の家 クレオパトラ 花のきもの  くらしのうた  地に伏して花咲く  女のこよみ 夜汽車・岩伍覚え書 はずれの記 天璋院篤姫 記憶の断片  成城のとんかつやさん 寒椿 菊籬 大人の味 対談 お針道具  小さな花にも蝶―宮尾登美子対談集 その他に 
  義経(宮尾本)

運命の子 義経 新しい義経像をもとめて2005年NHK大河ドラマ(大河ドラマで義経が登場するのは五度目)従来の義経としてのありかただけでなく情の深い心優しい 一面をたっぷり見せるでしょう


    平家物語(宮尾本)

 若き日の清盛、自らの運命を如何に受け止め、この乱世を生きていくのか。そして貴族社会の衰勢に翻弄される女たちは・・ (1)青龍之巻(2)白虎之巻と続く (3)朱雀之巻(4)玄武之巻


   

 高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐが…。大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞。


   春燈

土佐の高知で芸妓紹介業を営む家に生まれ育ち、複雑な家庭事情のもと多感な少女期を送る綾子。育ての母喜和と、実父岩伍の離縁という破局の中にあって、若くみずみずしい心は激しく葛藤し、やがて束の間の淡い青春を迎える…。両親の側から生家の事情を克明に描いた名作『櫂』と、戦時下の満州での苦難の結婚生活に焦点を当てた『朱夏』を架橋する、著者の自伝小説。


   朱夏(上

 綾子、19歳。土佐の開拓団の子弟教育のため、夫の要の満州(現、中国東北部)行が決まると、大陸での生活を夢み、生後50日目の美耶を抱え、故郷を旅立った。広野での生活は不便さ半分、楽しさ半分だったが、戦局は悪化し、やがて日本の敗戦が知らされた…。


   朱夏(下)

夫と美耶、20歳の綾子、満州(現・中国東北部)での生活は、日本の敗戦により逆転、凄絶この上ない地獄絵が展開された。飢えと病におびえながら、飢餓の極限状況の中で、炊事やおむつ洗い等々の日常生活を強いられ、ただ、ひたすら生きのびようと、逞しく戦っていった。自伝的長篇小説。


  仁淀川

昭和21年秋、夫と幼い娘と共に満州から高知県の夫の生家へ引き揚げてきた20歳の綾子。お嬢さん育ちの綾子が農家の嫁として生きる心の葛藤、戦後の混乱と復興の中で最愛の父母の死までを描く。『櫂』『春燈』『朱夏』に続く自伝的長編小説。


   一絃の琴

 一絃琴の音色に涙ぐむほどの感動を覚えた幼い日から、人生の全てを琴に託した女の姿を、土佐を舞台に移りゆく歳月のなかに描いた、直木賞受賞作。2000年3月より放送のNHK時代劇ロマン「一絃の琴」原作。


   きのね(上)

 上野の口入れ屋の周旋だった。行徳の塩焚きの家に生れた光乃は、当代一の誉れ高い歌舞伎役者の大所帯へ奉公にあがった。昭和八年、実科女学校を出たての光乃、十八歳。やがて、世渡り下手の不器用者、病癒えて舞台復帰後間もない当家の長男、雪雄付きとる。使いに行った歌舞伎座の楽屋で耳にした、幕開けを知らす拍子木の、鋭く冴えた響き。天からの合図を、光乃は聞いた…。


   きのね(下)

 夢み、涙し、耐え、祈る。梨園の御曹司、雪雄に仕える光乃の、献身と忍従の日々。雪雄の愛人の出産や、料亭の娘との結婚・離婚にも深くかかわる光乃。一門宗家へ養子に行く雪雄につき従い、戦中の、文字通り九死に一生の苦難をも共に乗り越えた光乃。続く戦後の混乱期、雪雄の子を宿していると気づいた光乃の、重い困惑と不安…。健気に、そして烈しく生きた、或る女の昭和史。


   (上)

 雪国新潟、旧家にして蔵元の田之内家に娘・烈は生まれた。父意造、母賀穂、叔母佐穂らに見守られ健やかに成長した烈には、失明という苛酷な運命が待っていた。烈と家族それぞれの、苦悩と愛憎の軌跡を刻む。


   (下)

「あの蔵を全部、烈に下(くんな)せ」―打ち続く不幸に酒造りへの意欲も失った父意造に、烈は見えぬ目に必死の願いをこめて訴えた。女ながら蔵元を継いだ烈は、さらに蔵人・涼太への愛をまっしぐらに貫き、喜びの終末を迎える。


   手とぼしの記

 心のたけをぶっつけるように激しい上村松園の恋文。われながら呆れる「そうめん」好き。命からがら満州から引き揚げた日々の思い出。五十歳を過ぎて初めて覚えたワインの恍惚…。実人生を深く生きてきた著者が、長編小説を書き継ぐなかで、一年間一週ごとに、折々の瑞々しい感想と、日常生活の率直な報告。長編エッセイ。


   つむぎの糸

 身の回りのこと、食べ物、旅の話…。四季折々の生活を写すさりげない筆に、ふるさと土佐への熱い想いを秘めた素顔のエッセイ。


   楊梅(やまもも)の熟れる頃

 楊梅(やまもも)、日曜市、おへんろさん、酒、料亭などなど、南国土佐を彩る様々な風物にからめて、13人の土佐の女たちの愛と情熱のドラマをさりげない筆致で描く、著者新境地のルポルタージュ・フィクション。


   菊亭八百善の人びと

 深川木場育ちの汀子は、戦後まもなく料亭八百善の次男に嫁いだ。長い歴史をもち江戸文化の極みと謳われた八百善も、店を戦火で失っていた。やがて再開した店で、江戸文化の粋、味の風雅を現代に伝えたいと懸命に努めるが…。現代の変化のなかで傾いていく老輔を、もちまえの明るい気性で健気に支える汀子を主人公に、滅びゆく文化の最後の輝きと、その再生を遠望する


  東福門院和子の涙

 徳川家から武家の姫として天皇に嫁いだ東福門院和子の一生を華麗に描く。徳川二代将軍の娘和子は、史上初めて、武家から朝廷に嫁ぎ、「稀なる福運の姫君」と称えられた。戦国を毅然として生きた女性・お市の方の血を引いて、自らの苦悩は決して語らない女性であったが、宮廷の冷たい仕打ちは、中宮の紅絹の布が知っていた…。涙を秘めた慈愛の国母を描いく。


  伽羅の香

 三重の山林王の一人娘として何不自由なく育った葵は、従兄と結ばれ、二児にも恵まれた。しかし、その幸福な結婚生活も束の間、夫の急逝、両親の相つぐ死、二児の死と次々に不幸に襲われる。失意の底にあった葵が見出したものは、日本の香道の復興という大事業への献身であった…。度重なる不幸から立ち直り香道の復興に一身を献げた女の生涯。 


  わたしの四季暦 

 新年の若水、早春の摘み草、強い陽ざしになつかしい絵日傘、土用の虫干し、晩秋の肩かけ、暮の羽子板市。日々を丁寧に生き四季の移りかわりに合わせて暮らしのしつらえを調える、懐しく心豊る著者ならではのしっとりとした情感をこめて暮しへの愛を綴る。エッセイ。


  陽暉楼

 家の窮乏で土佐随一の大料亭・陽暉楼に売られた房子は、芸妓・桃若となる。天性の資質と努力によって舞踊の技をみがき、一流の名妓への道を歩みはじめた時、一人の男が現われ桃若の人生は思わぬ方向に流されてゆく。やがて病いを得た桃若は…  花柳界に生きる女の哀歓を描く。


  鬼龍院花子の生涯

 大正四年、土佐の高知に侠客業の看板を掲げた鬼龍院政五郎は、飛行機や相撲の興行、また労働争議の調停などで男をうる。政五郎・花子・養女松恵を中心に鬼政一族の浮沈や女たちの葛藤、鬼政一家をめぐる男達の世界を描く。土佐の一侠客を通し、今はうすれゆく仁侠道を浮き彫りにした。


  きものがたり

 幼い頃から日常きものに慣れ親しんできた著者が、そのコレクションを初公開。女たちの艶やかなきもの姿に囲まれて育ち、独特の女の世界を構成する著者がつづる、きものをめぐるエピソード。『櫂』や『春燈』など、土佐・高知を舞台にした半自伝的ともいえる小説に描き出された世界が彷彿とすエッセイ集


  天涯の花

 四国の霊峰・剣山の四季を背景に無垢なたましいを持ち続ける少女の成長と恋を描く。養護施設で育った珠子は園長のすすめで四国の霊峰、剣山の中腹にある剣神社宮司夫妻の養女となった。剣山の四季を背景に無垢なたましいを持ち続ける少女の成長と恋を描く。


  松風の家 (上)

 明治初年、京の茶道宗家後之伴家は衰退し、家元も出奔した。残された者は幼き家元を立て、苦難の時代を乗り切ろうとする…。千利休を祖とする一族の愛憎の歴史を秀麗な筆致で描く。茶道に生き、茶道に殉じる一族の哀歓。


   松風の家 (下)

 明治40年代、13代家元と一族の苦闘により、後之伴家はようやく隆盛の時を迎えようとしていたが…。明治、大正期における名族の孤高の歩みを香り高く謳い上げた、ここに完結.孤高の名族が遭遇する愛と憎しみ。


   クレオパトラ (上)

 ナイルの恵みを受ける豊かな国エジプト。七世クレオパトラがこの国を統べていきなさい―。父王の遺志を継ぎ、新女王は休みなく戦う運命を受け入れた。ローマの武将シーザーを愛し子をなすものの、女としての平安を得ることはない。伝説の女王を、流麗な筆致で描く歴史ロマン。


  クレオパトラ (下)

 権謀術数の上に築かれた地中海世界。シーザー亡き後、ローマの総督となったアントニーは、クレオパトラと再会、たちまち恋に陥る。世界大国を夢み、東方遠征を企てる二人の運命は破滅へと加速していく…。華麗にして波瀾に富んだ女王の生涯が蘇る。


  花のきもの

 繭から糸となり布に織られ、娘の晴着となり、嫁に贈られ、時を経て蒲団に再生され、はたきとなって命数が尽きる―。絹の巡る道が暗示する、女と着物のかかわりの深さと面白さ。数々の花模様の着物とそれに纒わる女たちの姿を鮮やかに描き、着物への愛着と思い出が美しく繰り広げられる、半自伝的エッセイ。


  くらしのうた

四季に彩られた豊饒な歳月に、五人の生がきらめく―。華麗なエッセー集。


  地に伏して花咲く

 両親の愛を一身に受け、芸妓屋という家業に悩む、病弱で繊細な少女時代。17歳で結婚ののち渡った満州で終戦、苦難の引き揚げ。「創作」への目覚めと静かな決意。離婚、上京、そして作家として多忙日々―。宮尾文学の精神風土をつちかった、起伏にとんだ実体験を、昭和の流れに沿ってたどる自伝的エッセイに、数々の名作の背景や登場人物の素顔まで、「人と作品」の全貌がうかがえる文章を加えた。淡々とした語り口の中に、「生」に向ける強靭な意思と弱者への深いまなざしがあふれている。


   女のこよみ

 春夏秋冬、新しい出会いとわかれ。豊潤な高知の農村での結婚生活。清冽な情感溢れる自伝的エッイ。


  夜汽車・岩伍覚え書

 廓から廓へ流れゆく女たちとそれを取り仕切る男たちの世界を描く。


  はずれの記

 季節もののおいしさに知る口の福。仲秋名月にこめた祈り。気になる秋の抜け毛。五十五年後の級友の消息。秘境への旅の感動―。移りゆく四季を背景に、日々の心の機微を描いた随想の数々。加えて、人生最大のイベントとなった豪華客船搭乗や引越しなど、稀な体験の数々。創作の現場から、日常生活の素顔に出会える。家の建て直しと新居への引っ越し、多摩川沿いの家から見える自然、心を楽しくしてくれるもの、そして縁のあった人々。好奇心旺盛な作家の日常を綴る。


   天璋院篤姫(上)

 薩摩島津家の分家 今和泉家に生まれた篤姫。気候温暖、紺碧の海と桜島に囲まれた自然の恵みを満喫し、学問好きで情の深いくっきりとした性格が愛された篤姫。よい心ばえの学問好きな姫に成長し、藩主斉彬の養女となった。聡明な人柄を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を13代将軍家定の正室として江戸城に送りこんだ。大奥3千人を統べる見事な御台所として、病弱な夫との形ばかりの結婚に耐え、養父の秘命を果たそうと努める篤姫。


   天璋院篤姫(下)

 名ばかりの夫、将軍家定の急死、継嗣をめぐる幕府内の凄じい対立、強力な後楯斉彬の死去と、重なる困難の中で篤姫は、大奥を預る総帥として振い立つ。14代将軍家茂の名目上の母として、皇妹和宮の降嫁を迎え、女の幸せとは遠く、ひたすら徳川宗家のために力を尽くした篤姫の、歴史的評価を決定した作品。 


  記憶の断片

 宮尾文学の原点を語る「太宰治賞受賞の言葉」から、その創作活動の背景、さまざまな出会いと別れ、そしてエジプト取材旅行の思い出まで25年にわたる作家人生の中で心に残る記憶の数々を、暖かく、細やかな筆致でつづる。 


  成城のとんかつやさん

 少女期を姉妹同様に過したが、いずれ芸妓となる身の上だった四人の女。満州の開拓団で苦楽を共にした小学生たち。さまざまな出会いと別れ。再会の歓び、歳月の哀しみ。故郷・土佐への想いは常に熱く。エジプトのみだらの蛇と呼ばれた女への憧憬はさらに強く。そして、何げない暮しの一齣からも濃やかにつづられる、人生の豊かさ。作家であり主婦である、宮尾登美子の「生活と意見」。 


  寒椿

 小奴の澄子、久千代の民江、花勇の貞子、染弥の妙子―戦争という苛酷な運命を背景に、まだいたいけな少女の身で、金と男と意地が相手の稼業に身を投じた四人の女がたどる、哀しくも勁い愛の生涯を描ききる長篇小説。女流文学賞受賞作。


  菊籬

 義理という建前ゆえに保たれるその家の暮し。貰い子の菊を迎えた娘達の葛藤の哀れといじらしさを描く表題作と、処女作「村芝居」など8篇を収録した作品集。苦界に流れた女たちを哀惜をこめて描く。 


  大人の味 対談

 一家の主婦として台所に立ち、その経験から「巷にあふれる料理の本は信用できない」という作家・宮尾登美子と、茶懐石料理の達人である「辻留」主人・辻嘉一が、〈食〉にまつわるさまざまな話題をざっくばらんに語りあう。鰹節・出汁の話にはじまり、鰹のたたき談議、土佐の味あれこれ、主婦業と作家業の両立、着物のこと、料理人の話などなど、とっておきの打ち明け話。  


   お針道具

 職業作家になって以来、夢を見ずに眠ったことはない。せめて一度、夢から名作を、と思うのに、目覚めれば忘れてしまう口惜しさ。朝に呻吟、晩に懊悩、反吐をはくような苦しみの中で書いた作品もある。けれど、平凡な人間の地道な人生をじっくり描いてゆく、その楽しさ。破天荒な人物の生き方を、舌を巻きつつ辿る、その醍醐味…。創作活動の節目節目で、深く心に刻まれた記憶の数々。


   小さな花にも蝶―宮尾登美子対談集

 吉行淳之介、水上勉、加賀乙彦、五社英雄、緒形拳氏など、現代を代表するステキな10人の男性たちと心を開いて語りあう、文学、芸、旅、人生―。華やかなベストセラー作家の創作の秘密、思いがけない生活の風景、関心事がさらりと語られる、対談集


   その他に 序の舞 母のたもと 美しきものへの巡礼

            影絵 もうひとつの出会い  女のあしおと 


表紙

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