短歌 オレンヂ

 

 

赤尾 真秩子(新居浜)

夕食にまた冷麦ねと念を押す孫が好物も八日続けば

雨止みしわずかな時を草を引き洗濯物を山程なせり

夕暮れの日差しは木木の間を縫いて夫の病室にとどき来しなり

救急車にて運ばれし夫を懸命に診給う医師の神のごとしも

 

 

 

  

 

岡田 千代子(新居浜

厨には夏の匂いの漂いて紫蘇の佃煮今炊き上がる

三月の気まぐれ陽気は雨降らせ雷鳴らし木木を揺さぶる

可愛いね夫と二人でわが犬自慢大きい瞳でじっと見つめる

福子とう丸一歳の仔犬来て十四年目うから欠けゆく寂しさ

 

 

 

 

 

楠本 照美(新居浜)

退院の祝いと妻が笑いつつ温泉旅のプランを立てる

気まぐれに旅を歩くも虚しきや日暮れの磯に千鳥鳴くこえ

春明けの移りの風に吹かれなば晴れにけるかも迷う心の

文才が無くも今宵の十五夜を一首に詠みぬ窓をま開き

 

 

 

 

 

 

竹内 みわこ(新居浜)

野辺に咲く一きわ赤き花生けり生命あるもの皆美しき

森静か緑のトンネル過ぎ行けば視界開けて蝉の声聞く

夕映えて彩なす虹の橋かかりさ緑の山に暑さ忘れし

窓越しにジューンブライトの青き空雲輝やきて心に写る

 

 

 

  

 

正岡美智子(新居浜)

真夏日の百日紅の花の紅(べに)の濃し全国二位の猛暑を生きゆく

視力落ち眼底検査待つ吾にテレビの料理耳にやさしく

萩のはな彩よく咲きぬ人の背に触れんばかり今を盛りに

生れし曾孫よ君は我が家の六代目つぶらな瞳に語りかけたり

 

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