GMとは、自作の作図ツールです。最初のものは、Quick Basicを使って、四角形の1つの頂点を選んで、矢印キーを使って上下左右に動かして様子を見る程度のものでした。それでも、作図ツールを使って考えると今までとは違った図形の学習ができるような気がして、わくわくしながら作っていたことを覚えています。課題を考えているときに、こんな機能が必要だからつくる。といったように、必要に応じて加えていきました。そのころ考えていたのが、下のような課題です。いまだに自分では、しっかりと追求してないんですけど、この問題を考えながら作図ツールができあがっていったのを覚えています。たとえば、PQの長さとPRの長さを比較したいので、その線分を画面のすみにそろえて表示して、図が動くのと連動して表示させて比較できるようにしたり、また、条件を満たしたときの点の位置を記録する、軌跡をとる機能を付け加えたりしました。
そのうち、もっと微妙な位置に動かせるように、マウスを使えるようにして、GMの原型ができていきました。NiftyのFCAIをほとんどROMばかりでしたが、NECのMOUSE.SYSが使えるようにしたライブラリを見つけて、それで、マウスが使えるようになりました。そのあとは、MSのBASIC7.1やDOS版のVisual
Basicなどに開発ツールが変わって、現在はVisual BasicのWin版に移植し、そこで開発をしています。
作図ツールの課題について、自分なりにかいてみたいと思います。
自分が、作図ツールに魅力を感じて、使いながら機能を増やしていったとき、図形のいろいろな性質を発見するおもしろさ、自分の発見した性質を追求する魅力があったと思います。そしてそれを実現するために、いろいろな機能を付けていきました。ですから、数学の授業で作図ツールを使う場合も、自分の考えを追求する場面や、新しい性質を発見する場面で使って数学のおもしろさや楽しさを感じられるものでなければならないと考えます。
そう考えると、当たり前と考えられてしまうことに作図ツールを使うよりも、少し課題は難しくなってしまうかもしれないけれども、性質を発見する喜びや、考えを追求する道具として使える場面を想定して作図ツールを使っていくといいと考えます。課題が難しくなると、証明が難しくなり、中学校の範囲を超えてしまう場合もあります。そんなときは、割り切って、証明についてはきちんとできなくてもいいと思います。それよりも、新しい発見やその喜び、追求する楽しさを味わうことを第1の目標に置いた授業をしていいと思います。
本来考えることは楽しむことができると思います。特に数学において、自分の発見した性質など、それを追求していくことはとても楽しいと思います。実際、生徒の中には、計算の問題で、自分なりの方法を考えるとそれは、「○○の定理だ」「○○の公式」などと自分の名前を付けて喜んでいる生徒がいます。こんな生徒が、たくさん育てられるととてもいいと思います。作図ツールは、図形の性質を考えることを楽しくするツールだと思います。それが感じられるような授業や課題が必要です。
作図ツールを作り始めた頃に考えていて、未だにあまり考えていない課題ですが、下のような課題があります。自分がコンピュータを使って図形の性質を追求していった原点の問題でもあるし、これを追求していく過程でGMの機能が増えていった、問題でもあります。
課題
この課題は普通、「AB=DCのとき、△PQRはRP=RQの二等辺三角形となることを証明しなさい。」と問われることがほとんどです。しかし、作図ツールを使ってコンピュータの画面上で、頂点を動かしていると「∠Rが直角の直角三角形になる」とか「PQ=PRの二等辺三角形になることもある」ことに気づきます。これなどは、「・・・を証明しなさい。」では味わえない、数学のおもしろさを作図ツールを使うことによって味わうことができる例だと思います。
ただ、この自分で発見したことを証明しようとするとき大変難しくなります。これは、いくつかある証明のパターンに当てはめようとすることが悪いと思うのですが、なにしろ今までやってきたパターンではできない難しさがあります。これは、証明しようとする事柄が以前に学習した延長上にないからなのかもしれません。でも証明ができないからといって、この課題をさける必要はないと思います。数学本来の、図形の性質を探求する学習ができるこんないい課題はないと思うからです。
動かす点を選択して、マウスをドラッグすると選択した点が動きます。
Javaで作ってみました。Basicではじめに作ったようなプログラムです。Javaでちょっとしたプログラムを作るのも楽しいですし、授業で使い道がありそうです。
98/06/03