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Robert Herric

―詩人紹介―
ロバート・ヘリック(Robert Herrick:1591〜1674)
英国国教会の聖職者・詩人。ロンドン生まれ。ベンジョンソンの流れをくむ抒情詩が有名だが、自分で出版した詩集はHesperides のみ。短詩形を自由に駆使し、平易かつリズミカルな詩を書く一方、命のはかなさを嘆く一面もあり哀愁を誘う。


―詩人エピソード―
Devon 州の教会の司祭として赴任したが、共和政府時代は追われてLondonに帰ることもあった。王政復古後は任地に戻り、残りの生涯を過ごした。自身は政治的関心から常に離れて詩を書いていたといわれている。



−The Watch−

The Watch

Man is a Watch, wound up at first, but never
Wound up again: Once down, He's down for ever.
The Watch once down, all motions then do cease;
And Mans Pulse stopt, All Passions sleep in Peace.

時計

人間は時計。はじめに巻かれるが、
二度と巻かれることはない。一度降りれば永遠に降り続ける。
時計も一度下がれば、あらゆる動きはそのとき止まる。
人の脈拍止まったならば、あらゆる情念静かに眠る。
やはりこの人の詩は難解です。時計にdownを使っているのは当時の時計は錘が“降りてくる”ことによって時を刻んでいたためだと思われます。ということは、2行目のdownは“動きのある”downであり、3行目のdownは降りきってしまって“止まってしまった” downであるということになるのでしょうか。そして最後の部分がイタリック体で表されているのはなぜでしょうか。時計は“止まる”(二度と元に戻らない)ものに対して、人間は“眠る”(また起き上がる)という可能性を秘めるという意味で違いを見せているというような気もします。


−Upon Julia's Clothes−
Hesperides(1648) より

Upon Julia's Clothes

Whenas in silks my Julia goes,
Then,then,methinks, how sweetly flows
That liquefaction of her clothes!

Next, when I cast mine eyes and see
That brave vibration each way free,
― O how that glittering taketh me!
ジュリアの衣に

ジュリアがシルクの衣をまとい
流れるような足どりでいくのを見れば
私の目には水のように映る

私の視線は彼女にくぎづけ
もうほかにはなにもいらない
― そのきらめきに私はとりこ!
難しいです。できれば訳を見ないで(笑)。水の羽衣というものがあるそうですが、Herricは当然衣よりも“彼女が”着ている方に惹かれているのでしょう。文献によれば、実はジュリアは空想上の恋人だとか。そうだとすれば、ものすごいイメージがHerricの中に出来上がっているのでしょうね。



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