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喫煙防止教育

 

中山浩一(埼玉県)

          6年生の保健学習。ケーススタディを取り入れ、喫煙をすすめる相手に対して断る方法を考える。
          白石高士氏、村野聡氏、菊池亨氏の実践を参考に本実践を組み立てた。

準備物  ・学習カード ・喫煙実験人形 ・たばこ(強めの物) ・スチロール綿(人形の中などに入れるポリエステル100%の綿) ・ライター ・ビニール袋 ・輪ゴム ・ポスターの拡大コピー ・教科書のグラフ拡大コピー 

 これから見せるポスターは全部、あるものに関係しています。あるものが何か、わかったら座ります。全員起立。 

ポスターは、財団法人 日本学校保健会平成9年発行「新訂 喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導の手引き」P102・103に載っていたものを拡大コピーした。
ポスターを5枚、たばこだとわかりにくいものから順に見せていく。 5枚終わってまだ立っている子にも座ってよいと指示する。

 何に関係しているポスターでしたか。

・環境を守る  ・マナー  ・禁煙  ・たばこの害  ・たばこ

たばこに関係したポスターであることを教える。 ここで学習カードを配布する。

  「たばこ」という言葉から、イメージすることをカードにできるだけたくさん書いてください。
  時間は、3分です。

・自動販売機で売っている  ・においがいや  ・体に悪い  ・がんになる  ・けむり  ・まわりの人にめいわく 
・病気になる  ・20歳からすってもいい  ・環境に悪い  ・血のめぐりが悪くなる  ・肺が黒くなる  ・一度吸うと禁煙するのが難しい 
・ポイ捨てする人がいる  ・くさい  ・ヤニ  ・むせる  ・身長が伸びなくなる  ・歯が黒くなる  ・灰が出る
・火事になるかもしれない  ・あたまが悪くなりそう  ・カーテンを汚す  ・禁煙  ・けむりで他の人もにがい

体に悪い、病気になるなどの意見がたくさん出ていた。
そこで、クイズを出した。

クイズ・1  たばこを吸っていることと、病気になりやすいことは、関係があるでしょうか。
        A、B、Cのなかで、そうだと思うもの1つだけに手を上げてください。

          A 関係ない。           
          B 吸っている人はみんな病気になりやすい。           
          C 小さい時から吸っている人の方が病気になりやすい。

Bに手を上げた子が多く、Cにも数人手が上がった。
ここで、保健体育の教科書にのっていたグラフ「喫煙の開始年齢と病気による死亡の関係」(東京書籍 新しい保健5・6年生 P30)拡大コピーしたものを黒板に貼る。

グラフの中にクイズの答えがあることを知らせ、気付いたことを発表させた。
グラフの見方がわからなかったのか、意見が出なかったので、グラフの見方を補足した。

 縦軸は病気による死亡の人数、横軸はたばこを吸いはじめた年齢を表しています。

・吸わない人は1倍だ。  ・14歳以下で吸いはじめると一番病気になりやすい。

説明   正解はCです。
      細胞がどんどん作られる成長期にたばこを吸うと、特に影響を受けやすいのです。
      法律で20歳未満の喫煙は禁止されています。たばこは吸いはじめた年齢が早いほど、体に害があるのです。

次に実験を行った。養護教諭が作った喫煙ぞうさん人形を借りて行った。
使い方は、養護教諭に借りた本、「なんで?どうして?実験教室 小林賢二 東山書房(健康教室2001年1月臨時増刊号)」を参考にした。
この本に、人形の作り方も載っていた。
実験を始めると、子どもたちは真剣に人形の肺を見ていた。そのうち、けむりが肺に入ってくると、「あっ、黄色くなったきた!」などと、綿の色の変化に注目していた。

  

           

たばこのけむりで黄色くなった綿を、ビニール袋に入れ全員に見せた。1本だけでも、色が黄色っぽく変化していることに多くの子が驚いていた。

 これだけ体に害があるたばこですが、もしもすすめられた時、どうやって断ったらいいでしょうか。 


ここでケーススタディを行った。学習カードの物語を読んで聞かせてから、セリフを考えさせた。

 物語の中のヒロミ君になったつもりで、誘いを断るセリフを学習カードに書き込みましょう。

【物語】    ゴロウ君とヒデキ君とヒロミ君は、同じ塾に通っている仲良しグループです。
      今日は塾のテストも終わり、みんなで帰る途中のことでした。
      のどがかわいたのでジュースを飲もうと、自動販売機でそれぞれが好きなものを買いました。
      その時突然、テストができなかったと、やけになっていたゴロウ君が、となりの自動販売機からたばこを買ってしまいました。

       ゴロウ:「みんなで吸ってみようぜ。」
       ヒデキ:「ゴロウ、おまえ吸ったことがあるのか。」
       ゴロウ:「一度だけな。気分がスカッとするぜ。」
       ヒデキ:「ほんとかあ。じゃ、試してみるかな。」
       ゴロウ:「ヒロミ、おまえも1本とれよ。」
       ヒロミ:

ゴロウ役は教師が行い、子どもたちに役になりきってセリフを発表させた。 
・体に害をあたえるから吸わないほうがいいよ。
・いいよ!やだよ!
・ぼくはいいよ、体に悪いから。
・体に悪いし、身長も伸びなくなるから君たちもやめろよ。(二人からたばこを取り上げ踏みつける。)
・いやだよ。タバコの煙のにおいきらいだし、第一、未成年者は吸っちゃいけないよ。やめようよ。
・体によくなさそうだから、ぼくはやめとくよ。ヒデキもやめといた方がいいよ。
・やだよ やばいよ 吸わないよ。
・ぼくは遠慮しとくよ。あまりいいこととは言えないし、自分のためにもよくないからね。
・いらない。
・いらないよ!だって未成年だから。すったら病気になるよ!
・でも、まだ20才になってないし、吸った後がこわいし、体に悪そうだからやめとくよ。ゴロウもヒデキもやめた方がいいと思うんだけど…
ここでクイズの2問目を出した。

クイズ・2  たばこは、自分で吸わなければ病気にならないで、健康でいられるでしょうか。
        A、B どちらか1つだけ手を上げてください。

          A 健康でいられる。           
          B 健康でいられない場合がある。

これは、ほとんどの子がBに手を上げた。
教科書のグラフ「夫の毎日の喫煙本数と妻の肺がんによる死亡の関係」(東京書籍 新しい保健5・6年生 P30)拡大コピーしたものを黒板に貼る。

グラフの中にクイズの答えがあることを知らせ、気付いたことを発表させた。
・20本以上吸う夫の妻が一番肺がんになりやすい。  ・夫がたばこを吸うと近くにいる妻にも影響がある。

説明   正解はBです。
      たばこは吸っている人だけでなく、まわりの人にも影響があるのです。 ですから、たばこを吸う人は、禁煙の場所では吸わないなど、 
      まわりの人への思いやりやマナーが必要なのですね。

 授業の感想を学習カードに書いてください。

以下、子どもの感想
・たばこを吸っていなくても、吸っている人の近くにいる人も肺がんになってしまうことがあるので、たばこは吸わないほうがいいと思いました。実験をして、たばこの煙が肺の中に入っていった時の、肺の様子がよくわかった。(女子)
・たばこは、自分にもよくないし、他人とかにも影響をあたえてしまう。中学生ぐらいから吸い始めるのと、歳をとってから吸うのでは、すごく違いがあることを知りました。たばこは吸いたくないと思いました。(男子)
・思ったよりたばこは危険でこわい。断り方の学習ができてよかった。(男子)
・たばこすうゾウ君が出てきてよくわかった。1本のたばこを吸うだけで、あんなに黄色くなって、すごい体に悪いことがよくわかった。大人になってもたばこは、吸わないようにしたい。(女子)

授業の最後に、最初に見せたポスターの意味を一枚ずつ教えて終わった。

<参考文献> 「新訂 喫煙・飲酒・薬物乱用防止に関する指導の手引 小学校編」財団法人 日本学校保健会 平成9年3月31日発行
          TOSS道徳「心の教育」シリーズG『道徳授業で少年非行に歯止めをかける!』明治図書 2000年5月発行
          なんで?どうして?実験教室 小林賢二 東山書房(健康教室2001年1月臨時増刊号)

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