有用微生物群入り飲料水「EM-X」でガンが消えた(週刊現代2000年11月11日号)(00.12.28)


この記事では、「EM-X」という清涼飲料水を飲むとガンがよくなるといっています。ご他聞に漏れず、何人かのガンの患者さんがこれを飲んで改善した例が紹介されています。いろいろな病気に対し「完全回復ないし、病状改善の効果があったという。」とか「約5割の人に完治または相当な改善効果があった。」とか書いているだけで、具体的なデータは示されていません。「この清涼飲料水は抗酸化作用によって免疫機能が高まり、自然治癒力を引き出すことができるんです。」というある医師のコメントを紹介しています。活性酸素は確かに遺伝子を傷つけることによりガンを発生させる可能性があります。抗酸化作用のある食品を日常取っていれば、癌に対し何らかの予防効果はあるかもしれません。しかし、予防と治療は全く異なるものです。鎧(抗酸化作用)は刀(酸化作用)から体を守ることはできますが、一度傷ついた体(癌)を治す事はできません。また、抗酸化作用が免疫力を高めるという仮説も疑問です。もっともらしい説明がされていますが、その効果の仕組みは想像の域を出ていません。
「『EM-X』の薬理効果は医学の観点からは、いまだ確認されておらず、たとえばガンに絞って結果を分析してみても、すべての患者に効くわけではないし、すべての種類のガンに効くわけでもないことも事実だ。」と述べ、申し訳程度にある専門家の「現状では、『EM-X』が本当にガン治療の特効薬といえるかどうかは、まだまだ研究段階。」というコメントを紹介しています。しかし、私にはこのコメントは何か問題があったとき、たとえば「『EM-X』を飲んでいたのに癌が治らなかった」などのクレーム逃れのように見えます。というのは、最後には以下のようなことがかかれているからです。「『EM-X』に救われたというがん患者たちは、いま確実に増えつづけているのである。」これはまさにこの記事を書いた記者が、この「EM-X」がガンに効くのだということを言っているのと同じだからです。
このようなセンセーショナルな記事はよくあるのですが、「すべての患者に効くわけではないし、すべての種類のガンに効くわけでもないことも事実だ。」というのなら、せめて「どのような患者なら効くのか、どんな種類のガンなら効くのか。」くらいきちんと言及して欲しいものです。そうでないと何の役にも立たないのですから。

 

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