医師の言っていることが必ずしも正しいとは限らない。



皆さんを不安に陥れるような言葉ですいません。この場合、原因としていくつかのケースが考えられます。

以前は正しかったが、その後新しい知見がでて、以前の考え方がくつがえされ、そのことを知らなかった場合。
これは医師の恐れていることですが、急速な医学の進歩によりこのようなことが起こりえます。多くの医師は新しい情報に乗り遅れまいと、日夜努力しているわけですが、医者も人の子、全部を網羅することはできません。一つの対処法としては、なるべくならその専門の医師の説明を聞くことです。

もう一つは、勝手に医師が正しいと思い込んでしまっている場合。
診療は、多くの情報と経験の積み重ねです。経験の中には、必ずしも科学的に実証されていないものもあります。そしてその中には、意味のないものもある可能性があります。私の知るところでは、今のところこれが大きな問題となったケースを知りません。

その他、自分でたてた推論がいつの間にか実証されたものかのように思ってしまう、あるいは、受け手が、推論と実証されたものとを取り違えてしまうことがあります。とくに、医学関係の一般書の中には、この区別のつきにくいものがあります。最近も、専門家の批判をあびた本がありましたね。

別冊宝島「常識やぶりの健康読本」(宝島社、ちょっと大げさなタイトルです)という本の中で、矢野和夫氏は現代の医学を見事に分類されています。彼は、その「「脳内革命」はオカルト・トンデモ医学本である」という論文の中で、近代医学を「通常的医学」、「実験的医学」、「オカルト医学」の三種に分類しています。詳細についてはこの論文(この本とはいいません)を読んでください。簡単に説明しますと「通常的医学」とは、普通の病院などで多くの医者によって実践されている健康保険などで認められた医学のことをいい、「実験的医学」とは、まだ研究段階で評価が確定していない、中には先端的なものもあるような医学のことです。彼が文中で指摘しているとおり、「実験的医学」はマスコミが好んで取り上げる話題であり、時として過大評価されてしまいます。そして問題となるのが「オカルト医学」です。これが、上記の二つの医学と異なる点は、一般の科学的、医学的常識を無視した独善的な理論に基づく点です。これが、始末に負えないのはそういった理論を医師が提唱することにより、一般に医学として受け取られてしまいかねない点なのです。彼は、かの「脳内革命」を「オカルト医学」に分類しているわけです。

 

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