泥仙,大島嘉楽・製陶図絵巻 

 オークションで手に入れた絵巻物。「山口の名家旧蔵品!泥仙?嘉楽,大島嘉楽・製陶図絵巻です。作者不明ですが、当時、製陶の様子を良く描かれた絵巻物です」とは、オークションでの説明でした。

  「四季耕作図」とか「職人図会」みたいなものはたいへん好きで、飽きることなくいつまでも興味深く見られる。仕事は好きじゃないのに、他人の仕事には興味があるとは皮肉なことだが、絵の中で仕事をしている人は、みんな生き生きとして一生懸命で同時に微笑ましい。描写が上手いとか下手など少しも関係なく、画面に引き入れる雰囲気を醸し出してくれていれば、それは良い絵と云える。粘土を運ぶ人、土や石を砕く人、薪を割る人、ロクロを回す人、器を陰干しする人、窯の火を見る人・・・大正時代のものだが、いつか手に入れたいと思っていた図柄の絵図で、絵が読むものでもあることを充分に語っている。落札できた時は、長年の思いが成就して嬉しかった。


 本体・紙本、肉筆。 軸先・象牙。 共箱。 サイズ長さ約4b60p 幅23p



古絵(まくり)


絵の大きさは15X14.5cmと非常に小さい画面です。部分図なので17インチのパソコンのCRTでは、二回り程大きく感じます。状態は良いとは云えませんが、擦れや傷みがさほど気にならないのは、その小ささ故かもしれません。馬の脚の黒のグデ−ションや尻尾の細かい描写は、非常に丁寧で見事です。緑の装束に補色になる赤い馬飾は、黒と白が加わり、色彩的にもその絵画的豊かさを醸し出してるような気がします。

この絵を観てて、ふと競馬場の絵を数多く描いたジェリコ−の馬の絵の話しを思い出しました。以前読んだ美術書に、「走っている馬は、ジェリコ−が描いた様な恰好はしない」と、書かれてあったような記憶があります。ドガは絵画制作に写真も使っていましたが、ジェリコ−は馬の写真を果たして使ったのか?興味をひくところですが、それは本来の絵の魅力とは関係ないものです。でもそこに潜在化した作者の絵画思考や、時代の造形性も反映していると思うと、絵のよさとはまた別の世界が広がってくるのも、確かなことです。

さて、馬の脚の動作はその速さによって異なるらしいのですが、この絵の図柄は「常足(なみあし)」と判断してよいと思われます。@右後肢A右前肢B左後肢C左前肢という順で、脚運びをするらしいのです。すると右後脚は、もう少し後ろ側にあるような気もしますが、概ね理屈には合っているようです。絵画における走っている馬の脚、飛んでいる鳥の足、蔦の巻き方向等など、邪道かもしれませんが、面白い世界が垣間見られるかもしれない、などと考えてみるのも一興です。








屏風

かねてから水墨画の屏風と大和絵風の屏風が欲しかった。これは200年程前のものとのこと?。東柳 筆になってます。全然素性は分りませんが、雪舟じゃなくてほんとに良かったと思ってます。一枚の大きさは 37.5x57.5cm 全長は1m48cm。古色蒼然ボロボロだが広げて壁にも掛けられる大きさなので、その点は気に入っています。左の髯面の男の頭にいるのは蛙である。右の男の壷から出ている煙みたいな物は、写真では汚れか引っ掻き傷かと想ったら、龍であった。右2曲に瓢箪を持つ男と家鴨?を抱える女性が描かれて、何らかの故事を表していると想われます。その辺あまり詳しくないので、ご存知の方がおりましたら作者共々是非、ご教示願いたいと思っています。


奈良絵

奈良絵とは広辞苑に依ると「室町末期から江戸時代にかけて、奈良の東大寺・興福寺などの絵仏師が、注文や売品として大量に描いた絵画。御伽草子などに取材した小品」とあり、「源氏物語」や「住吉物語」等がその主題となったらしい。しかし残されたものは、奈良の絵仏師が描いたものばかりではなく、その定説はまだはっきりしていない。大和絵と比べると二流の作品と言われるが、金銀の泥箔を用いたものはなかなか見ごたえのあるものがある。今回紹介したものは10年くらい前、神田の古本屋街で偶然見つけたものである。3枚あったのだが他は状態も悪く絵も感心しなかったので、この1枚だけを購入した。金箔だけでも置きかえればあるいはもっと豪華になるかもしれないが、それがいいかどうか迷っている。顔は胡粉で描いたのであろう、一様に真っ白である。
さて、この絵はどんな場面なのだろう?服装の意匠と背景の紅葉から推測して、「竜田川」であろうか?「もみぢ葉の 流れざりせば 竜田川 水の秋をば 誰か知らまし」(古今和歌集)にぴったりだと思えるのだが......心当たりの方が居たらご教示願いたいと思っています。



初代・広重

「桜と群馬図」軸装 本紙(21X50)


 一応初代広重として手に入れたものです。真贋は不明ですが本物と思っている訳では決してありません、書き辛いところです。ただ同じ図柄の肉筆は残されております。印譜、落款が何を意味するか、その検討のための資料です。印譜、落款を捜してますが、未だ同じようなものが見つかりません。どなたか、ご存知でしたらメ−ルご連絡お願いします。



鈴木華邨

「松に雀図」絹本軸装 25X36cm(総寸 113X48)


部分



松窓乙二


芹堤で 出たりな鷺の すみかより

絹本軸装 (28X30cm 総寸 39X90)


           
千種有功  茶掛

千種有功(ちぐさありこと、寛政9(1797)〜安政元(1854)

「美のやまのみねに  おひたる玉かしは  くもると見しは  かすみなりけり」

美濃の山に生えている 柏の木がくもって見えるのは 霞がかかっているから


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