写楽「多作の謎」の解明2

嵐竜蔵と三代大谷広次(部分) 三代目大谷広次(部分) 二代目嵐竜蔵(部分)
上図大谷広次の奴土佐の又平 上図大谷広次の奴土佐の又平 左2図を重ね合わせた図
最上段の嵐竜蔵の奴浮世又平 最上段右端の二代目嵐竜蔵 左2図を重ね合わせた図
図を観ていただけば、何の説明もいらないと思います。多少の縮尺率の違いによる比較はご容赦して下さい(後日正確な作業をしたいと思っていますが)。しかしそれであってもこれだけの類似は決して偶然ではありえません。1枚の版下絵、或いは数枚の墨摺り絵を利用すれば図の反転や角度の変化に、髪型や恰好の変化を加えれば全く違った図柄の作品が出来上がります。直接役者に取材しなくても、芝居の役者名と出し物の情報だけで、役者絵は描けた事になります。版下や他人の図が現代の写真の役目を果していた事の証明とも言えます。
二代目大谷鬼次の川島治部五郎(部分) 市川男女と二代大谷鬼次(部分
上図二代目大谷鬼次 上図二代大谷鬼次の浮世土平(角度変更) 左2図の重ね合わせ図
この図は眉と鼻筋は合うものの、口と顎がほんの少し合いません。しかし耳だけ合わせてみると、殆どその細い線まで合うのです(口も同様)。これはどう理解してよいか分かりませんが、他の部分、つまり眉、眼、鼻、口、輪郭という似顔絵としての主要な要素は殆ど、自己模倣していると断言してよいと思います。つまり要所だけはしっかりと押さえているのです。
三代佐野川市松と市川富右衛門(部分 三代佐野川市松の祇園町白人おなよ(部分
上図三代佐野川市松の部分図 上図三代佐野川市松を左右反転した図 左2図を重ね合わせた図
未だ全ての図を検証しておりませんので、ここから何が導き出されるかはもう少し時間をかけて調べてみたいと思います。写楽の作品はその画風から四期に分類されますが、その関係もありますし...。又同様な手法で梅原猛氏が豊国と写楽を分析しているので、著作をもう一度読み直して、今度は豊国との関係も調べてみたいと想っております。取りあえず、最初の閃きのままの作業を紹介させて頂きました。予想通りの所、また以外な点も見つけましたが、最終的な詳細は後日掲示版でも書かせて貰うつもりでおります。ただ専門家ではありませんので、時間はかかりそうです。急いで書きましたので誤解の指摘や、分析の感想等あれば是非お聞かせ願えればと思っております。




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同じく両図の耳を中心に合わせた図 広重・箱根図の山の謎へ
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