吟光/憲法発布式の図 |
次へ |
浮世絵大百科事典第2巻(大修館書店)の吉田漱氏に依ると「..安達吟光、明治3年頃銀光の名で戊辰戦争の錦絵を版行。明治7年より吟光に改める..」とあり、代表作の一つとして「銀婚式祝典之図」が、掲載されています。驚く事にその図は、私の紹介したこの「憲法発布図」そのものなのです。右上の題名の所の版木を入れ替えて、そっくり刷り直したんですね。大日本帝国憲法が発布されたのは、1889年(明治22年)。銀婚式は結婚25年ですから、明治天皇の結婚した年が判れば、どちらの図が元図かはっきりするのですが?当時、日本の木版は世界最高の水準にあり、数多く刷られれば、木ですから当然摩耗するわけで(最良の状態の初摺は200枚といわれる)、部分的な修復はこういった、入れ木や象眼をしたといわれています。ただ、題名の所だけ入れ替えたとなると、余り売れなかった作品の手軽な再利用、というところでしょうか...当時の出版界の事情がうかがわれて、興味深い事実です。 本日(2000.8/25)暑い中、司馬江漢の画集を観に図書館に行ったついでに調べてきました。「明治大正図誌17、図説年表」(筑摩書房)に、”明治27年3/9大婚二十五年祝典挙行”とあります。ということは、掲示板で指摘したとおり、この「憲法発布式の図」(明治22年)が、「銀婚式祝典之図」の元絵と言って、間違いなさそうです。 |
目次 |