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広重/浜松

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遠くに見えるのは、浜松城である。冬枯れの田んぼを背景に、一本の杉の木の根元で、農夫と旅人がいっしょに、焚き火で暖をとっている。この絵を見ると、なぜかしら少年の頃、風邪をひいて一人で寝ていた時の、寂しさを思い出す。どんよりと曇った空に、それでも冬のはりつめた空気の中で、遠くに聞こえる人の声、小鳥のさえずり...冬空の寂寥感のなかで、立ちのぼる仄かな煙は、人恋しさと、なんとはなしの温かさを、感じさせます。
これも對中氏から、煙の上がり方が科学的でないとの、指摘がなされていますが...私はそれほどの不自然さは、感じません。科学的であることと芸術的であることは、あくまで別なもの。人間の視覚や感情等、不条理であることが自然であることもあると思うのですが...


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