35mmカメラ用リバーサルフィルムの特徴と評価

 各リバーサル(ポジ・スライド)フィルムの粒状性や色調・階調など、私が使用して感じたままを記述しています。評価の部分は、私が風景撮影用に使うなら、ということで採点しています。採点は5点満点で、★が1点、☆が0.5点です。
 なお、特徴も評価も同じ条件で同じものを撮影して比較したわけではないので、かなりいい加減な評価です。あまり鵜呑みにはしないで下さいね。


フジクロームプロビア100プロ
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RDPII 粒状性 ★★★☆
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★☆
粒状性 :微粒子 発色 ★★★★☆
色調 :忠実 コントラスト ★★★☆
階調 :中庸 総合評価 ★★★★☆
■特徴と評価
 発色は忠実度を保ちながらも適度に鮮やかで深みもあります。カメラ任せで撮影するとシャドー部も階調豊かに表現してくれますが、アンダー気味に撮影すると色に深みが増しメリハリの利いたドラマチックな表現をしてくれます。シャープネスも良好ですし常用リバーサルフィルムとして非常に好感が持てます。販売中止になるまでは私の愛用フィルムでした。特に、失敗したら大ショックの海外旅行での撮影では、安心感の高いこのフィルムばかり使っていました。全体的に、粒状性以外は後継のRDPIIIよりも良かった気がします。
フジクロームプロビア100F
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RDPIII 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :超微粒子 発色 ★★★☆
色調 :忠実 コントラスト ★★★★
階調 :中庸 総合評価 ★★★☆
■特徴と評価
 RDPIIの後継フィルムです。カラーバランスはいたってニュートラル。見た目に近い発色であり、ハイライトからシャドーまで豊富な階調表現をしてくれますが、RDPII同様、アンダー気味に撮影すると色に深みが増してメリハリの利いた表現が可能です。欠点はやや青に色カブリすることと、超微粒子(RMS粒状度:8)なんですがシャープネスが先代よりやや欠けることで、立体感の表現もあと一歩といった感じです。総合的には、残念ながら先代の方が良かったように思います。
フジクロームトレビ100C
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :TREBI 100C 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★☆
粒状性 :超微粒子 発色 ★★★★
色調 :やや派手 コントラスト ★★★
階調 :やや軟調 総合評価 ★★★★
■特徴と評価
 超微粒子(RMS粒状度:8)のオールラウンドなリバーサルフィルムです。発色は忠実ながらさわやかな鮮やかさがあり、ヌケが良く透明感の高い発色をします。コントラストは見た目に近くシャドー部が潰れにくいです。感度ラチチュードが広いようで、露出面での大失敗写真は少ないため、リバーサルフィルムの初心者には使いやすいフィルムと言えるでしょう。このような特性から、旅行時のように人物と風景の両方を撮影することが多い場面には特におすすめできます。価格が安いのも魅力の一つです。
フジクロームベルビア
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RVP 粒状性 ★★★★☆
ISO感度 :50 シャープネス ★★★★☆
粒状性 :微粒子 発色 ★★★★★
色調 :派手 コントラスト ★★★★★
階調 :硬調 総合評価 ★★★★★
■特徴と評価
 風景撮影用の代表的なリバーサルフィルムで、発売当初からその粒状性の良さ(RMS粒状度:9)と発色で大変話題になり、現在でも愛用者の多いフィルムです。感度が50なので手持ち撮影はまず無理なことと価格が高めなのがマイナス点ですが、風景撮影においては少し前まで私も常用していました。
 非常にシャープで立体感があり、コントラストが高く、ややマゼンタの色カブリはありますがすばらしく鮮やかに発色し、色の深みもあります。見たままの風景ではなく、脳裏に刻まれている情景の鮮やかさを表現してくれるフィルムです。実物より彩度を高く強調して発色するので、例えば枯れ葉を撮影すると見た目よりも生き生きとした色になってしまいますが、それを逆手に取ると印象的な絵作りができます。また、雪の風景は青カブリすることが多いのですが、それがかえって寒さを強調してくれることもあります。実効感度がやや低めで使いにくいところもありますが、風景写真を撮る方は、ぜひ一度は使ってみて欲しいフィルムです。
フジクロームベルビア100
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RVP100 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :超微粒子 発色 ★★★★☆
色調 :派手 コントラスト ★★★★☆
階調 :硬調 総合評価 ★★★★☆
■特徴と評価
 2003年発売の最新リバーサルフィルムです。デジカメ全盛のこの時代に個性ある新フィルムを発売してくれるなんて、うれしい限りです。
 ベルビアの名を冠していることから分かるように、風景撮影用に開発されたリバーサルフィルムで非常に鮮やか。カラーバランスも良好で特段の色カブリも感じられません。ベルビア以上に超微粒子(RMS粒状度:8)で透明感の高い発色をしますが、色の深みとシャープネスではやや劣るように思います。より原色を強調するような発色をするため、晴天下よりもむしろで曇天下での撮影において、その鮮やかな発色と高コントラスト性能が強い味方となります。曇空の中、花や紅葉を撮影する際にはぜひ携行したいフィルムです。また、露出補正による白飛びや黒潰れが起こりにくく、オーバー気味に撮影すればよりさわやかな感じに、アンダー気味に撮影すれば色にコクを与えることができ、露出表現の自由度が高いです。元祖ベルビアより安価で感度も100あるので、現在ではエクタクロームダイナハイカラーと共に、私の常用フィルムの一つとなっています。
フジクロームベルビア100F
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RVP F 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★★
粒状性 :超微粒子 発色 ★★★★☆
色調 :やや派手 コントラスト ★★★★☆
階調 :やや硬調 総合評価 ★★★★★
■特徴と評価
 ベルビア100と同時に発売された最新リバーサルフィルムです。こちらもベルビアの名を冠していますが、元祖ベルビアやベルビア100よりも派手さが抑えられています。すなわち、ベルビアやベルビア100の鮮やかさには一種の「嘘臭さ」があるのですけれど、このフィルムはそれを感じることは少なく、鮮やかさを保ちつつ忠実性を重視した発色で、クリアかつ深みのある発色には非常に好感が持てます。カラーバランスも良好で色カブリも感じられません。シャープネスもベルビアと同等、ベルビア100より良好に思えます。RMS粒状度は8で、ベルビア100と同等の超微粒子です。コントラストは高めではありますが豊かな表現力があります。実効感度は私がよく使うベルビア100やエクタクロームダイナハイカラーと比べると、ほんの少しですが低い感じがします(むしろこの2本の方が高いのかもしれません)。
 唯一かつ最大の欠点は価格の高さですね。カメラ量販店ならば、このフィルム2本分の金額でエクタクロームダイナハイカラーを3本買えてしまいます。しかしながら、総合的に見て現在トップクラスの性能を有するリバーサルフィルムであることには間違いないでしょう。価格を気にしないで済む方にはおすすめのフィルムです。感度も100ですので、風景撮影だけではなくスナップや旅行用にもおすすめ出来ます。
フジクロームアスティアF
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RAP F 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★
粒状性 :超微粒子 発色 ★★☆
色調 :やや地味 コントラスト ★★★
階調 :軟調 総合評価
■特徴と評価
 RMS粒状度が7という超微粒子を実現したフィルムです。人物の肌を美しく表現するように開発されているらしく、コントラストは弱めで階調表現が豊か、発色は柔らかく滑らかな感じです。しかし、風景写真ではそれが仇となってメリハリのない絵になってしまいます。
フジクロームプロビア400プロ
メーカー :富士フイルム 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :RHP 粒状性 ★☆
ISO感度 :400 シャープネス ★★★
粒状性 :粒状感あり 発色 ★★★
色調 :忠実 コントラスト ★★★★
階調 :やや硬調 総合評価
■特徴と評価
 発売当時は、感度400では数少ない使えるリバーサルフィルムでした。色再現は忠実ですが少し彩度に欠けます。粒状性と発色からは風景撮影には向きませんが、暗所での撮影やスポーツ写真などに威力を発揮します。現在は後継フィルムのプロビア400Fが発売中ですが、こちらはまだ使ったことはありません。
エクタクロームダイナEX100
メーカー :コダック 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :EB100 粒状性 ★★★☆
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :微粒子 発色 ★★★★
色調 :やや派手 コントラスト ★★★★
階調 :やや硬調 総合評価 ★★★
■特徴と評価
 EB-3の先代に当たるフィルムです。深みのある発色でシャープネスもあり、オールラウンドに使えるリバーサルフィルムです。感度ラチチュードはオーバー側に弱いようです。
エクタクロームダイナハイカラー
メーカー :コダック 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :EBX 粒状性 ★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :微粒子 発色 ★★★★☆
色調 :派手 コントラスト ★★★★★
階調 :硬調 総合評価 ★★★★☆
■特徴と評価
 ベルビアに対抗して開発されたリバーサルフィルムと聞いたことがありますが、そう言われると傾向は似ており、コントラストと彩度が高く、やや赤みがかりはしますが深みのある発色をします。粒状性・シャープネスは良好ですが、ベルビアには一歩及ばないようです。使い込んで分かったのですが、細かい被写体(例えば桜やツツジなど、一つ一つの花が小さいようなもの)はクッキリと写りにくい気がします。また、色のヌケや透明感もベルビアに若干劣るように思います。感度ラチチュードが狭いのか、特にオーバー露出では白く飛びやすいですが、風景撮影ではややアンダーで撮ると、より立体感のあるコッテリと色の乗った写真になります。ダイレクトプリントとの相性も良く、私の常用フィルムの一つです。
 価格も比較的安いので、風景写真用のリバーサルフィルムとしてはトータル的なパフォーマンスは非常に高いと言えますが、ベルビア100Fのすばらしさを知ってしまうと、これで全ての風景撮影に対応する訳にはいかなくなりました。
エクタクロームダイナHG100
メーカー :コダック 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :EB-3 粒状性 ★★★★★
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :超微粒子 発色 ★★★☆
色調 :やや派手 コントラスト ★★★★
階調 :やや硬調 総合評価 ★★★☆
■特徴と評価
 EB100の後継製品として2003年に発売されたリバーサルフィルムで、粒状性はダイナハイカラーよりも細かく、RMS粒状度は8を実現しています。鮮やかで透明感があり、ダイナハイカラーよりもやや落ち着いた忠実性の高い発色をしますが、アンダーな露出をしてもダイナハイカラーほどの色乗りにはなりません。また、シャドー部の階調表現は今一歩という印象があります。価格も安く、クリアでさわやかな発色はどんなシーンにも使えますが、逆にこれといった特徴がないような気がするのが残念です。富士フイルムではトレビ100Cに該当するフィルムと言えるでしょうか。
コニカクロームSINBI100HQ
メーカー :コニカ 風景撮影用フィルムとしての評価
略称 :SRA 粒状性 ★★☆
ISO感度 :100 シャープネス ★★★★
粒状性 :粒状感あり 発色 ★★★
色調 :地味 コントラスト ★★★
階調 :中庸 総合評価 ★★☆
■特徴と評価
 地味ですが深みのある発色をするフィルムです。特に青や緑を階調豊かに表現します。雨に濡れた森林の緑の撮影などに威力を発揮しますが...それ以外だと使い道が難しいフィルムです。私にとってはわざわざこのフィルムを選ぶ理由は見つけにくいですね(実は安売りしてたので手元にはたくさんありますが)。シャープネスは良好ですが粒状性(RMS粒状度:11)の割には粒状感があります。総合的にもう一歩頑張って欲しいです。

2003.11記、2004.5改訂


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