Beespiを用いた鉛直投げ上げにおける加速度の測定実験


1.はじめに
 Beespiを用いた実験については、過去にいろいろな報告があり、物理教育Vol48 には詳細な実験報告がなされている。筆者も過去に自由落下の実験などを行ってきたが、今回これを鉛直投げ上げに応用すべく実験装置を制作してみた。この実験の目的は2つあり、一つは加速度の測定の正確さ、もう一つは授業の演示実験で手軽にできるようにすることである。以下はその報告である。

2.実験の概要
 右写真のような装置を組んだ。Beespiが取り付けてあるのは
東急ハンズで買ってきたポリカーボネード製の透明パイプ(1m)。
パイプの途中に2台のBeespiを固定し、下に島津製作所の
空中衝突実験器で使用する投射装置を配置した。この投射装置
から小球を投射させ、途中のBeespiを通過する速度を測定する。
投げ上げが等加速度運動であるとすれば、V2-V02=2as の式
を利用して加速度が測定できる。


3.実験の結果
 測定値は次のようになった。なお、Beespi間の距離s=0.255m、測定された速度の単位はkm/h、加速度の単位はm/s2である。なお、加速度の符号は鉛直上向きを正とする。

  加速度
10.71 8.33 −6.86
14.43 12.07 −9.46
10.12 6.03 −9.99
14.29 11.79 −9.86
14.26 12.00 −8.98
12.79 10.04 −9.50
14.08 11.48 −10.05
14.79 12.08 −11.02
13.11 11.03 −7.60
    平均値 −9.26


4.考察
 結果の平均値だけを見ると、よくある数字9.8m/sと近い数字が出ているが、各回の結果を見ると値がかなりばらついていることがわかる。この原因としては、一番大きいのは装置の設定にあると思われる。設定のうち、パイプが正確に鉛直に立っているかというものが結果に一番影響を与えていると考えられ、現実にはわずかながら斜めに測定している。また、投射装置も正確に鉛直投げ上げになっているわけでなく、わずかに斜めに初速度を与えていたと考えられる。これはボールの大きさと、投射装置の発射口の大きさに関係するが、あまりぴったりだとうまく発射できないため、何か工夫が必要であろう。また、Beespiの個体差を吸収するために、使用したBeespiを反対にして測定することも必要である。さらに、等加速度運動であることを確認するためには、Beespiを5台程度等間隔で並べて、速度を測定するなどの工夫が必要だ。これらは次回の実験で試すことにする。