2.エネルギー保存と単振動
使用したセンサー:光ゲートセンサー
実験内容・装置


上写真左は実験装置の概観。光ゲートセンサーはデジタルゲートとしてはたらくよう、イージーセンスのAポートに接続してある。右写真はつりあいの位置におもりがあり、光ゲートセンサーを写真のようにセットして計測を行う。おもりはこのつりあいの位置より上方20cmのところから落下させる。するとおもりはこのつりあいの位置を振動の中心とする単振動をするので、その運動のいろいろな位置におけるおもりの速さを測定することが今回の実験である。
授業計画は2時間を配当した。1時間目はセンサーをつりあいの位置にセットして、力学的エネルギー保存の法則が成立しているかどうかを検証する。2時間目は光ゲートセンサーの位置を変え、いろいろな位置での速さを測定してみる。測定した速さが、単振動の式より導かれる速さに等しいかどうかを検証し、同時に、位相との関係を考える。
実験結果
エネルギー保存については、下の表を見ても分かるようにほとんどの班で予想値を真の値と考えたときの相対誤差が5%以内となり、検証としては充分と考えられた。相対誤差の最大値は14%、最小値は0.4%であった。他の班と比較してこの14%は極端に大きいことから、実験の方法に問題があったと考えられる。

速さの単位はm/s
2時間目の実験結果の例を以下の図で示す。
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| この結果は実際に生徒が行った実験結果の一部である。ピンクの点が計測値で、単振動の式から計算した理論値は紺色でプロットされている。それぞれの値は滑らかな曲線で結ぶように設定されている。この班は非常に誤差が少なくできた班である。全部で5点を、3回ずつ計測している。一番大きな相対誤差でも3%程度となっている。 |
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こちらも同じクラスの別の班の実験結果をグラフにまとめたものである。こちらは実験の前半に誤差が大きく見られるが、実験後半になると相対誤差で1%以下の結果となっている。この要因として考えられるのは、センサーの設定位置が悪かったことや後半は実験に慣れてきておもりの落下が上手にいったことなどである。 |
いずれの実験も生徒実験としては充分な精度と考えられる。また、この実験を実施すると共に、単振動の位相という部分を意識させるために単振動のそれぞれの位置における位相を求めさせた。位相と振幅が分かれば速度がわかる、という点を理解させる意図で実施した。この点に関しては、はじめに気づかせることを意識しすぎたため、各点の位相を求めることに時間をとられてしまった。結果、実験時間が短くなり、1時間の中でまとめどころか満足に結果が得られないという事態に陥った。そこで次のクラスでは位相と速度の関係について一通り解説した後(つまり気づかせるという部分はあきらめた)位相を求めさせたところ、1時間で実験も終了し、内容のまとめまで終了した。
実験に対する評価
結果のグラフからもわかるように、生徒実験としてはかなり誤差の少なく出る実験となっている。光ゲートセンサーが1/1000秒まで差を出してしまうため、測定値に大きな差があるように思える部分もあるが、これは実験時にセンサーを水平に通ったかどうかによって変化すると考えても良いだろう。逆に言えばその影響も考慮すれば、誤差がもっと大きくでても良いと考えられる。よって今回の結果は幾つかの要因によって誤差が良い方向に出た例と考えられるだろう。実験時に一番誤差の出易い要因として、おもりの落下の方向が考えられる。複数の目でまっすぐ落ちるように気をつけさせたが、それでもわずかにずれてしまう。落下させるときに注意を払うことはもちろんであるが、落下役の生徒が慣れてくるとだいぶ改善されるようだ。落下させる方法について、糸でつって焼ききる方法や電磁石を用いる方法なども考えたが、50分で実験を終了させることを考えると糸を焼ききる方法は現実的ではない。また電磁石を用いる方法についてもいくつかの課題がみつかっている。今後検討していきたい。
その他
今回の実験では、単振動をさせる物体・ばねの選定が一番苦労した点であった。おもりの大きさ・重さと単振動の振幅の大きさのちょうど良い点を考えた。その結果、単振動するおもりの重さは50gとした。ばねのほうはいろいろな試行錯誤の結果、50gのおもりで20cmの振幅が取れるものが市販品ではなかったため、中村理科工業さんにお願いして、工場を紹介していただき、直接仕様について話し合いをした結果、ちょうど良いものを作っていただいた。結局は中村理科工業さんで販売している、線径0.45mmのステンレスまきばねを200回巻いてもらった。まきばねということで振動の減衰は無視できないものであったため、本実験では最初の振動のときだけで実験を実施している。取り付け部の工夫も考えたが時間がなかったことと、よいアイデアが生まれなかったこともあり今回は見送った。おもりの取り付け部が回転できるようにすれば、この部分も改善できるのではないか。ただし、値段は高いです。超特急で作ってもらったこともあり、特急料金でした(;_;)
今回の実験で使用したばね。左は大きさを比較するためのチョーク。ばねの全長は約80mm。
実際におもりが振動する様子はこちらから。ただし、4MB以上ありますのでご注意ください。