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音 楽    M _ 0 1 6

私 の 好 き な 音 楽 の 話
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   「元気です」 吉田拓郎

風が草木を靡(なび)かせるように、多くのひとを靡き従わせることを「風靡(ふうび)」と言うけれど、吉田拓郎が、まさしく一世を風靡 した時期があった。'60年代後半、それまでの優しいカレッジ・フォークが影をひそめ、代わりに、学生運動と共に激しく社会や人 生と向き合うフォークが若者の支持を得るようになった。その社会性が少し薄れかけた頃、人気のあった拓郎がこれまで所属 していた小さなレコード会社(エレック)から、大手資本のレコード会社(ソニー)に突然移籍してしまったのである。それはある意味、フォークの終焉を象徴 する出来事であった。以後、拓郎や井上陽水、あるいはユーミンがつくる音楽は、ニューミュージックと呼ばれ、大衆化した。拓郎が移籍した 時、それまでのファンからは批判されたけれど、彼の名前が社会に認知されて「一般化」し、絶大な影響力を持てたのは、やはりこ のときの移籍が功を奏したといえる。ひとりのアーティストとして、大きな、そして難しい決断であったことだろう。移籍後初めてのアル バムに、彼は直筆で下記の文章を寄せている。


気が付いてみると、フォークほど「こうでなければ」とか「こんな事はしちゃいけない」とか云う規制が多いものはないのです。より自由であ った筈なのに。(中略) だからもう、うんざりなのです。フォーク・シンガーになんかなりたくないのです。だって僕はもっと自由でいたいし、人前だけで器用に自由 を売り物になんかしたくないから。


僕はやっぱり元気なのです。

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