3月20日に開幕した選手権も天候悪く飛べる状態ではない。4日目の23日にして、やっと天候も回復。タスクは
”佐野IC(スタート)−明野−矢板IC−明野−小俣駅−板倉(ゴール)”
の約240km。宇都宮のオペレーションとの兼ね合いからして妥当なタスクと思う。朝8時くらいから機体を組み、9時にブリーフィング、そしてスニッファーの情報を受けて11時には曳航開始。風は山際は北西に振れているが平野は南なので山からの対流をうまく利用できれば良いのだが!(水バラは積んでいない)
スタート前、当初は佐野と田沼のあたりで4〜5000Fの高度を確保できたがだんだん悪くなる。早めにスタートしないと帰ってこれないかもしれない。12時ちょっと過ぎに3500Fでスタート。明野に向かうがリフトが見つからない。だましだまし小山絹に到着、既に2000Fを切っている。工場や倉庫、駐車場などトリガーになるところ探るが上がれるリフトがない。下館のあたりで1300F。このままでは小山に沈没、スタートしただけで降りるなんてことは嫌だ。何とか、状況が変わるまで我慢することにする。苦労していると他のみなさんも小山、明野近辺でゲロゲロ状態で低くなっている。取り合えず2000Fくらいで堪えていると、リフトが3000Fを越え出し、何とか明野をクリア。もう、今日はこの辺を飛びたくないと思う。
鬼怒川と筑波・八溝山系の間を矢板へ向かう。真岡で高度がきつくなり、鬼怒川へ寄せる。ゴルフ場や橋などトリガーになるところをなめるように飛び、宇都宮の管制圏を気にしながら何とか宇都宮の山からの対流が伸びてきているところへ入り高度を獲得 ホッ!。宇都宮のリフト帯を出るとなかなか良いリフトを掴めない。氏家を抜け旋回点の矢板IC上空を飛び越してターンしないで山から発生している雲へ真っ直ぐ向かう。
良いリフトで高度を回復。このまま、山へ入り込んで今市側から雲のラインに沿って南下したいところだが、それでは宇都宮の管制圏をパスできない。仕方なく、高度を取れるだけ取って不本意ながらブルーの中、氏家へ向かう。案の定、良いリフトは無い。ホンダのTCへ振ってみるがダメだ。宇都宮側へ戻りながら工業団地上空で高度を3000Fから4500Fまで回復。所々で、せこく高度を取りながらリフトの弱い明野側へ向かう。行きたくないと思う。機体もあっちはダメだと言っているように感じる。明野到着、高度は約2000F。はああ、、もう嫌じゃ。
とにかく板倉へ戻りたい。3000F前後をキープするよう壊れたように集中する。トリガーとなるところを繋ぐ、とにかく繋ぐ。思川を越え、佐野ICを抜け足利へ向かう。3時を過ぎているが足利の山際へ出ればトリガーとなるポイントがいくつか有り何とかなるはずと思う。足利の上空で思惑通り、良いリフトに遭遇。これまでの苦労は何だったのか思うぐらい上がりが良い。ちょっと待てよ、ゴールまであと30kmくらいだぞ。程々でサーマルアウトしなければいけないところだが、”まっ、いいかあ、最後くらい楽しよう”と今日の小山・明野近辺はゲロゲロだったなあと回想しながら6000Fを越える。まだゴールもしていないのに、これじゃスピードも上がらないはずだ。
小俣駅をターンしてゴールの板倉へ戻るのだが計算では高度が4000F程余ってしまう。これではゴール高度のレギュレーションに引っかかってしまう。非常に、まずい。仕方なく10km手前からダイブを開き高度を落としながら無事、板倉着。
23日以降、再びパっとしない天気が続く。こればっかりはどうにもならない。そうこうしているうちにとうとう28日最終日を迎える。まあ、何とか飛べるコンディションだがプアーっぽい。タスクは
”大平日立工場(スタート)−小俣駅−刀水橋−栃木IC−小俣駅−刀水橋
−川島橋−板倉(ゴール)”
約154km。小さめのタスクだがこのコンディションでは小山方面へ出るの無理と思うので仕方がないか。11時頃、曳航開始。大平山・葛生・栃木ICの北側辺りで4000〜5000Fでスタンバイする。思っていたよりなかなかいい感じだ。友達が遊びに来ているから用を済ませ早く降りたいと思う。
12時過ぎにスタート。4000F前後で田沼を抜け佐野の北側(山への入り口)から足利へ向かう。小俣駅をクリアし刀水橋へ進のだが利根川方面の状況は悪そう。太田の呑龍山周辺のサーマルで高度を稼ごうと思うのだがとても小さく難しい。四苦八苦しながら刀水橋へ近づけるが高度も2000Fを切り出し次のリフトを捉えないと妻沼へ降りることになってしまう。刀水橋着1500F。ここで、GPS操作であわててしまった。呑龍山の斜面風などを意識していたのでケンブリッジGPSの表示を風向を見る画面(GOTO小俣駅のまま)にしたままであった。あわてて操作し変な表示になってしまいGOTOがファーストTPの小俣駅を指したままで刀水橋にならない。高度に余裕がないので目視で刀水橋を通過したことを確認しプラスのありそうなエリア(太田側の工場の上)へターンし高度回復後じっくりGPSを操作して復旧。
刀水橋のど真ん中を抜けたのだがGPSはTPとして捉えてくれたかどうか不安に思う。そうは言っても戻るのは面倒、いそいそと渡良瀬川側及び山側の雲が発生しているところへ向かう。葛生の富士重TC側のトリガーポイントを経由して栃木ICへ。やはり葛生の手前の地形に起伏があるあたりは上がりが良い。労せず栃木ICをクリア。
再度、小俣駅へ向かう。まずは大平山側のリフトで高度を取る(5500F、いいぞお)。あとは見える雲を伝って(かなりオフトラックしながら)4000F前後のバンドで小俣駅へ到着。
さて、次は鬼門の刀水橋なのだが最初の苦労の教訓から点在する工場をなめりながら飛ぶようにする。思った通り、高度をキープしたまま刀水橋着。しかし、ここで私の中で暗雲がたちこめる。実際の刀水橋とGPSセットの緯度経度に多少の誤差(少し川下に設定のようだ)があることがわかったのでさっき通過したときの位置についての不安倍増。まあ、今更しょうがねえか!来ている友達と話もしたいから、とっとと帰ろう。太田の工場あたりからファイナルグライドに入る。無事、板倉着。
後かたづけをしていると案の定、審判員に呼ばれ提出したGPSの航跡の説明を受ける。セカンドTPの範囲円内へ数十mほど足りていない。やっぱりそうかと納得。まあ、GPSの使い方も良くわからず曳航前に他機の人達に教えて貰っていたくらいだから仕方あるまい。これもレースの内だからなあと自分で自分を慰める。
さて、これで今回の選手権レースそのものは幕を閉じた。よい天気、そして適切なタスクと多くの仲間が揃ったグライダーレースは楽しい。と言うよりも楽しまなければ価値がないと思う。トーナメントが主体のスポーツでは試合に負けたら次が無いのでどんな調子でも勝ちにこだわるのだが、グライダーレースにこれは当てはまらない。私にとってレースの勝ち負けは楽しんだおまけみたいなものだ。まあ、そんなことでは一生勝てないのだろうが(実際に成績は悪い)明日も気持ちよく飛びたいと思うからそんはそれで良いと思っている。
勝者の市川さんはとにかく別格だ。なかなか、海外で飛ぶチャンスを持てない私にとって市川さんを通して世界を見ることができるのはいい刺激になる。また、各地の多くのグライダー仲間と話ができることは非常にいい感じだ。
そして、この選手権の場に丸伊さんがいれば、もっと有意義だったのだが..もう、それは有り得ぬことと思うと悔しい。あまりにも貧弱な日本のグライダー環境を変えて行くには一人でも多くの仲間を必要とする。こんな機会で知り合った人達との関係は大切にしたい。そして今年、ドイツで開催されるワールドへ私たちの代表として出場する市川さん、丸山さんを応援しよう。