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日本選手権再生へ向けて

---準備調整(民間及び公的機関へのお願い)---

 

 選手権を再生させることは「日本のグライダー環境は、このままでよいのだろうかと言う悶々とした状態からの脱却へ向けての第一歩」と考えていた。

 有志達の気持ちがうまく滑空協会へ伝わらなくJCCが否定されようとしている。残念なことだ。しかし、選手権再生の意志を失うわけにはいかない。

 滑空協会のスローな動きに合わせていたら事は進まない(もちろん、手続きを最優先にせざる終えない協会の事務局の方々の苦労には敬意を払うと共に同情をする)。

 世界中のレースを転戦している市川さんが中心になり選手権規程の素案が有志たちに提示される。また、選手権の位置づけがおぼろげながらも輪郭を整えてきた。

 11月末、もっとも頼りにしている丸伊さんをオーストラリア選手権の事故で失う。でも、後退はしない。八尾さんのワークで選手権公示の準備が進む。

 さて、関東で、私にとって地元の板倉をベースにしてやるのだが板倉組としては何をしなければならないのか?話し合いの中で、

 板倉町役場、藤岡町役場との調整

 航空局との調整

 北関東の中心にある陸上自衛隊宇都宮飛行場との調整

 飛行エリア内の警察、消防との調整

が上げられた。しかし、調整と言ったってどうのようにすれば良いのだろう。

 年明け、3月の選手権までもう間近。対外的に説明をするため選手権の意味・意義について、個人的にもう一度整理する。それは、日本のグライダー環境の現状認識と今後どうして行きたいのかを含めてである。

 1月29日(金)に目的、体制、概要(規模・空域・グライダー競技とは)をA4用紙3枚に記した選手権企画書とグライダーのビデオ(滝川で行われた選手権とニュージーランドの世界選手権の映像)を持って、まず板倉町役場、藤岡町役場へ向かう。アポ取りは板倉町在住の新井理事(日本グライダークラブ)にお願いした。新井理事にはその後も地元関係の担当役を担っていただく。板倉町役場では企画課の方々が対応してくれた。資料を使って選手権の概要と趣旨を説明し後援をお願いした。板倉町役場からは住民あっての行政、滑空場周辺の地域の方々への連絡と何らかの形で選手権に触れる機会を設けてほしいとの要望があった。藤岡町役場では助役さまに対応していただいた。地域の方々との関係を第1に考えていたので期間中、見に来ていただいた方々を対象にモーターグライダーの体験飛行を行うこととした。しかし、選手権運営の予算が殆どない状態でモーターを手配できるのか!?そこは地域の方々を大切にすると言う考えで一致した仙台グライダークラブと日本グライダークラブにモーター運航経費などの80%以上の負担協力をしてもらい実現した。

 2月8日(月)午後、以前のクラブクラス選手権準備で航空局情報官の方々とプラン等について調整実績のある秋山理事(日本グライダークラブ)の協力を得、共々羽田の空港事務所へ向かった。羽田では主幹航空管制情報官の方々に対応していただいた。挨拶を交わしたあと選手権の概要を企画書に添って説明した。特に、空域についてと選手権ではグライダーがどんな飛び方をするのかを重点的に話をした。情報官の方々もグライダーについて大変興味があるようで競技そのもののことをいくつか質問された。もちろん、O/Lのことも話に出た「野外に降りてしまうこともあるでしょう。警察などに誤解を受けないような対処をして置いたほうがよいですね。」と切り出された。既に地元の町役場へ選手権の説明を済ませ、広いエリアにわたるので難しいのだがと前置きしたうえ、これから地元警察署を始めに県警察本部や各署轄へ情報を流す予定であることを伝えた。また、何時でもO/Lについて的確に説明できるよう各グライダーは常識として航空法79条、172条のコピーを搭載していることを説明し、不足の事態、農作物などに被害を及ぼすようなことがあった場合に対しては各機、誠意をもった十分な保証が出来るよう必ず保険をかけていることを説明した。そして、期間中のフライトプランの提出とクローズについて効率良く、確実に行えるようにするためにはどのような方法がよいか話し合いをし、この件については後日参加者、参加機が明確になった時点で再度、話し合いを持ち決定することとした。最後に、宇都宮自衛隊の飛行場のことを正直に話した。

緊急時、河川敷にO/Lするより自衛隊飛行場への着陸が絶対的に安全であること

グランドリトリブは宇都宮の道路交通の状態を考えるとよりリスクを減らす為に曳航機によるリトリブがより安全であること

を説明し、「宇都宮との調整を行うべく、どのようにコンタクトしたら良いのか悩んでいます。」と相談した。情報官の方々には、趣旨を大変理解していただけ、「出来るだけ応援します。こちらからアポを取りますから宇都宮への具体的説明にはそちらで行って下さい。」と言って頂けた。大変ありがたいことだ。一通り、選手権についての話が終わったあとフライトプラン受付の現場とレスキュウー体制の現場を見学、丁寧に説明して頂いた。グライダーの現場のことにとても理解があり実際にはプラン通り飛べないことがあることもご存じで、レスキューはそのことを考慮して指示するのでフライトプランの意義を理解してほしいと言っていた。情報官も大変なんだなあと思った1日であった。

 2日後、担当情報官の方より電話があり宇都宮基地の企画室の方とコンタクトし選手権時の飛行場への着陸希望について簡単にご説明して頂けた。そして、こちらの趣旨、希望等の話を聞いて頂けないかと切り出して頂いた。情報官の方々の親切な対応にはとても感謝!早速、電話で案内のあったオペレーションを担当されている運航幹部の方へ連絡し2/17(水)に川島さん(競技委員長)と一緒にお伺いすることにした。当日は運航幹部の方と上司の方が選手権についての話を聞いてくれた。結果、大変ありがたいことに飛行場へのO/LもエアリトリブについてもOKして頂けたのだ。もちろん、自衛隊の事情(教育隊の訓練、イベント、トラフィック)もあるので期間中の連絡方法などを含め色々な情報交換を行い、約束ごとなどについて合意した。ここで強く感じたことは、航空法でカバーできない部分が現場ではどうしても発生してしまう。そこは紳士協定でカバーできる。目的は違うがお互いを尊重しあえる飛び仲間であることを認めあえたことが大きな収穫であり、自衛隊の方々に大変感謝したい。

 2/26(金)板倉町役場からの紹介などで館林警察署と藤岡警察署へ連絡説明へ新井理事と向かった。館林警察署では地域課の方がこちらの話を受けてくれ県警本部の航空隊などへ連絡をしてくれた。そして、滑空場から目と鼻の先にある藤岡警察署では地域課の方とその上司の方が私どもの話を聞いてくれ気持ちよく協力を約束してくれた。栃木県域が飛行エリアの大部分を占める。そう言った意味で栃木県警本部へ藤岡警察署から連絡して頂いたことは大変うれしくありがたかった。後日、栃木県警本庁の地域課企画の担当の方からこちらに連絡があり、無用なトラブル回避のため

グライダーの競技が実施されること

グライダーの性質上、気流が悪くなった場合OLせざる終えないこと

の2点を各所轄へ連絡して頂くことになる。警察の方々はグライダーについて大変詳しい。宇都宮飛行場と航空局への連絡はどうしているか、O/L場は押さえているか、河川敷などに降りる可能性があるでしょうから建設省への連絡はなどの質問があった。全てについて、ありのままを伝え納得して頂いた。そして、この日の夕方、板倉町役場へ再度おじゃまし、選手権の準備状況を報告するととともに日本グライダー環境の現状についてやこれから私たちがどうして行きたいのか、私たちへの要望など企画課の方々と多くの意見交換を行った。その後、滑空場周辺にお住まいの地域の方々へのご連絡や体験飛行のご案内をすることになる。

 3月に入り選手権間近、まだ上記の方々と全ての調整が済んだ訳ではない。宿題を持って帰って来ていて最終調整や提出書類の作成などが残っている。島川さんや相澤さん、大石さんが引き継いで的確にこなしてくれた。

 

 今回の準備活動が完璧だったか?もちろん、Noである。不手際はたくさんあった。しかし、選手権を上記に登場してくれた方々の暖かいご協力で無事行えることができた。選手権はグライダーに携わる人々だけで成立しているわけではない。滑空場周辺に住む方々、町役場の方々、情報官の方々、自衛隊の方々、警察の方々など多くの人達の快い協力があって成り立っていることを忘れてはいけない。グライダースポーツはマイナーすぎるくらいマイナーである。一般の人達からどんな目を向けられているのか認識することが重要だと思う。グライダースポーツが日本で発展しない、文化として受け入れられない理由は社会の仕組みや環境に問題が有るのではなく私たちグライダーに携わる人達一人一人の心構えと身勝手さに大きな原因があるのではないだろうかと多くの人達と話をしてきて感じた。選手権には私たちの代表者を選出する指標としての役割がある。これはこれで重要だが、もっと大きな意義として土手上で見ている子供達や滑空場の近所に住む人達など多くの人に夢を与えるようなものにして行かないといけないと感じた。そうしないとグライダースポーツに未来はない。