−−開発教育・グローバル教育教材とその実践−−
1.教材のねらい
スライドの内容は以下のものを選んでいる。
1. カトマンズの風景
2. 田舎の暮らし
3. 働く子どもたち
4. 動物のいる暮らし
5. 青空学級
6. 識字学級
7. 水汲みと川での洗濯
上記の内容を、以下の多文化共生の視点から説明を加えた。
1. ヒンズー教と仏教の共存
2. 土にまみれて働くこと
3. 動物との共生。動物からも生かされること
4. 家族や地域の人々と共に働くこと
5. 異なる年齢の友人たちと同じクラスで学ぶこと
6. 障害を持っている友人と共に学ぶこと
7. 働きながら学ぶ識字学級
8. 文字を知らない人々を受け入れる社会
9. 文明の便利さ(電気・水道・自動車など)のない社会
スライドは40枚。説明内容は以下のとおり。所用時間は約40分。
3.実践例
2000年6月と7月に、神戸市内の2校の高等学校において、「開発教育」の授業のために、この教材を使った。その時のアンケート(感想)の集計を以下に示す。
この教材の実践の機会を与えてくださった、両校の校長・教頭先生をはじめ担当の先生方に感謝いたします。
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K高等学校(定時制)での実践
(1) 学年・時間等
K高等学校(定時制)第1学年4学級 「現代社会」の時間 各40分授業
(2) アンケート(感想)の集計結果から
アンケート用紙には、次の項目についての印象の強さを、1(弱い)〜5(強い)までの5段階で聞いた。その他、感想や意見を書く欄を設けた。
1. カトマンズの風景
2. 田舎の暮らし
3. 働く子どもたち
4. 動物のいる暮らし
5. 青空学級
6. 識字学級
7. 水汲みと川での洗濯
学年は高校1年生。回答数は4クラス、計53名。年齢層は10〜60代である。分析のためのグループを次の3つに分けた。
1. 20〜60代 12名 (うち男子3名、女子9名。60代が9名)
2. 10代男子 29名
3. 10代女子 12名
(表1) 印象度の平均とその標準偏差
| 項目 | 全体(n=53) | 20〜60代(n=12) | 10代男女(n=41) | 10代男子(n=29) | 10代女子(n=12) | |||||
| 平均 | 標準偏差 | 平均 | 標準偏差 | 平均 | 標準偏差 | 平均 | 標準偏差 | 平均 | 標準偏差 | |
| 1. カトマンズの風景 | 3.151 | 1.156 | 4.000 | 1.000 | 2.902 | 1.078 | 2.966 | 1.159 | 2.750 | 0.829 |
| 2. 田舎の暮らし | 3.642 | 1.030 | 4.333 | 0.850 | 3.439 | 0.989 | 3.517 | 1.133 | 3.250 | 0.433 |
| 3. 働く子どもたち | 4.250 | 1.191 | 4.909 | 0.287 | 4.073 | 1.276 | 4.000 | 1.414 | 4.250 | 0.829 |
| 4. 動物のいる暮らし | 3.170 | 1.161 | 4.000 | 0.816 | 2.927 | 1.135 | 2.759 | 1.194 | 3.333 | 0.850 |
| 5. 青空学級 | 4.019 | 1.037 | 4.667 | 0.471 | 3.829 | 1.080 | 3.724 | 1.142 | 4.083 | 0.862 |
| 6. 識字学級 | 3.462 | 1.200 | 4.750 | 0.433 | 3.075 | 1.081 | 2.929 | 1.193 | 3.417 | 0.640 |
| 7. 水汲みと川での洗濯 | 3.698 | 1.222 | 4.500 | 0.764 | 3.463 | 1.232 | 3.414 | 1.300 | 3.583 | 1.370 |
| 平均 | 3.627 | 1.142 | 4.451 | 0.660 | 3.387 | 1.124 | 3.330 | 1.219 | 3.524 | 0.830 |
(表2) 各グループ別の印象が深かった順番
| 順番 | 全体(n=53) | 20〜60代(n=12) | 10代男女(n=41) | 10代男子(n=29) | 10代女子(n=12) |
| 1 | 3. 働く子どもたち | 3. 働く子どもたち | 3. 働く子どもたち | 3. 働く子どもたち | 3. 働く子どもたち |
| 2 | 5. 青空学級 | 6. 識字学級 | 5. 青空学級 | 5. 青空学級 | 5. 青空学級 |
| 3 | 7. 水汲みと川での洗濯 | 5. 青空学級 | 7. 水汲みと川での洗濯 | 2. 田舎の暮らし | 7. 水汲みと川での洗濯 |
| 4 | 2. 田舎の暮らし | 7. 水汲みと川での洗濯 | 2. 田舎の暮らし | 7. 水汲みと川での洗濯 | 6. 識字学級 |
| 5 | 6. 識字学級 | 2. 田舎の暮らし | 6. 識字学級 | 1. カトマンズの風景 | 4. 動物のいる暮らし |
| 6 | 4. 動物のいる暮らし | 1. カトマンズの風景 | 4. 動物のいる暮らし | 6. 識字学級 | 2. 田舎の暮らし |
| 7 | 1. カトマンズの風景 | 4. 動物のいる暮らし | 1. カトマンズの風景 | 4. 動物のいる暮らし | 1. カトマンズの風景 |
5段階の印象度の平均をとったものが、(表1)である。1から5までの印象度は順位尺度であり、間隔尺度ではないので、正確には平均は意味をなさないが、ここでは印象の深かった順番に並べ替えるために使うので、便宜上使用する。この平均の大きさをもとに、印象の深かった順番に並べたものものが、(表2)である。 全体および各グループとも印象に残ったものの第1位は、「働く子供たち」であった。 第2位は年齢層によって異なる。10代の生徒は「青空学級」をあげ、20〜60代(大半は60代)の生徒は「識字学級」をあげている。10代の生徒にとって「識字学級」は第5位と低く、60代の生徒の際立った対照をなしている。 第3位、第4位には、「水汲みと川での洗濯」や「田舎の暮らし」が入っている。下位には、「動物のいる暮らし」「カトマンズの風景」が入っている。スライドも少なく、説明も十分ではなかったためであろう。 標準偏差をみてみると、最も小さいのが20〜60代のグループで、最も大きいのが10代男子のグループである。つまり10代男子は、1〜5まで広く解答している。自分の印象を素直に答えるのはいいのだが、7項目すべてにわたって興味を持たない若者がいるのが気になる。 |
(3) 感想文から
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