「ネパールの教科書から」
小学校3年 生活科教科書
ノルブは小学校3年です。彼の学校は今日は休みです。そこで、彼はお父さんと一緒に、カトマンズにやって来ました。ふたりの乗ったバスは、シャヒド・ゲートのあたりに来た時、止まってしまいました。警察官はバスを前に行かせません。ですから、みんなはここでバスを降りました。シャヒド・ゲートのまわりに、たくさんの人々の集まっているのをノルブは見ました。ノルブはびっくりしました――人々はどうして道をふさいで集まっているのだろう!
ノルブはお父さんに聞きました――「お父さん、みんなどうしてこんな道いっぱい集まってるの?」
「さあ、どうしてだろうね。わしらも見に行ってみよう。」とノルブのお父さんは言いました。シャヒド・ゲートの近くに来た時、ノルブのお父さんは人々が手に手に花輪を持って立っているのを見ました。そこには首相や他の偉い偉い人々もいました。これを見てお父さんは思い出しました――今日はシャヒド・ディバース(殉国者慰霊祭)なんだ。
お父さんはノルブに言いました――「今日はマーグ月16日(訳注:西暦では1月30日頃)だろう。今日は、シャヒド・ディバースなんだよ。だからおまえの学校も休みだったんだよ。」 彼はノルブにそこの大きな門を見せながら言いました――「ほら、あそこの門がシャヒド・ゲート(殉国者の門)だよ。そこに4人の殉国者の彫像が見えるだろう。彼らを1997年(訳注:西暦では1940年)にラナ政府が殺してしまったのだ。だから彼らの慰霊のために、シャヒド・ディバースを奉ってきたのだよ。」
「お父さん、殉国者というのは何なの? ラナ政府はその人々をなぜ殺したの?」ノルブは知りたがりました。
お父さんは説明しました。――「その頃は、ラナ家の摂政政府だったんだ。ラナ家の人々は、民衆が読み書きを学ぶのを許さなかったんだ。読み書きを知ると民衆は、反対運動をするだろうとラナ家の人々は恐れた。ラナ政府は民衆にどんな権利も与えなかった。だから、この英雄たちはかくれて民衆たちに読み書きを教えたんだ。彼らはラナ政府のひどいやり方に対しても反対した。ラナ政府はこのことをよく思わなかった。そしてラナ政府はこれらの4人の英雄たちを捕らえて、殺してしまったんだ。このことで民衆はたいへん怒った。そして民衆とその時の国王であるトリブバン陛下は力を合わせてラナ政府を倒したんだ。そして2007年(訳注:西暦では1950年)に民主主義がやってきた。自由と権利のために、これらの人々は自分の命を捧げたんだ。このように国の自由のために、命を捧げた人々を、シャヒド(殉国者)というのだよ。だから、民衆たちは彼らを崇拝するために彫像を作ったんだ。
「その人たちは誰々なの、お父さん?」とノルブは聞きました。お父さんは説明しました――「彼らの名前は、シュクラ・ラージ・ジョーシー博士、ガンガ・ラール・シュレスタ、ダスラト・チャンダ、ダルマ・バクタ・マーテマだよ。」
「それからどうなったの、お父さん?」とノルブは再び聞きました。お父さんは答えました――「それから2015年(訳注:西暦では1958年)に国民は首相を選ぶ権利を得たんだ。しかし2017年には、国民はその権利を再び失ってしまった。それから2047年カーティク月23日(訳注:西暦1990年11月9日)に新しい憲法ができた。今の憲法は国民に、読み書きや言論、自分で感じたことを言うことができるというようなたくさんの権利を与えているんだ。だからわしらはカーティク月23日の憲法記念日を祝うんだよ。」
(終わり)
【練習1】
ノルブはひとつの彫像について、以下のようにノートに書きました。
@誰の彫像――トリブバン国王陛下
A どこにあるか――バネパの十字路に
B どうして置かれたのか――2007年に民主化をもたらす助けをしたから
君もどれか彫像を見たことがありますか? あるのなら、誰のか?どこにあるのか?そしてどうして置かれてあるのか? 見たことがないのなら、一番近くの彫像についてたずねて書きなさい。
【練習2】
私たちの王様の名前は、ビレンドラ国王陛下です。王妃様の名前は、アイシュワルヤ妃殿下です。王様の第一の男の子は、王子といいます。王子の名前は、____です。
【練習3】
新しい憲法ができてから、国民は首相を選ぶことができるようになりました。今の首相は国民が選んだのです。誰かにたずねて、首相の名前をノートに書きなさい。
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