小学校3年 国語教科書
ずっと昔のことです。ひとりの導師がいました。彼は自分の弟子たちの試験をしようと思いました。彼は弟子たちを自分のそばに集めて言いました。「弟子たちよ。わしはたいへん歳をとって、弱ってしまった。もうこれからは、おまえたちでお金や食べ物を持ってきてわしを助けなきゃならん。」

みんなは言いました。「そうだ、私たちで導師を助けなきゃならない。」 しかしひとりの弟子が導師に言いました。「導師!この仕事は簡単ではありません。ここの人々は慈悲深くはありません。いいえ人々は私たち施しをしてはくれません。」 導師は言った。「弟子よ。わしはおまえたちに施しを受けに行けと言ったのではない。施しを受けに行ってもうまくゆかん。わしは全くたずねないで黙って持ってこいと言ったまでだ。その仕事はわし自身することはできん。だからおまえたちに助けを求めたのだ。誰がわしを助けるのかな?」
みんなはいっしょになって言いました。「私たちがお助けします。私たちは何をしなければなりませんか、説明して下さい。」
導師は言いました。「誰にも見られないところに行って隠れるのだ。そこで誰かお金持ちが来るかじっと待っていろ。お金持ちが来たらすぐにそっと、誰にも見られないようにそいつの財産とお金を奪って来い。しかしそいつにはどんな種類の迷惑をかけては行かんぞ。」
どの弟子も導師の言うことに従うつもりになりました。しかしひとりの弟子は頭をうなだれてじっと座っていました。導師は少し大きな声でその弟子に言いました。「弟子よ、おまえはどうしたのだ。おまえはわしの言うことに従うつもりはないのか?」
その少年は言いました。「導師、お許し下さい。私はあなたが言ったとおりにすることはできません。」
「どうしてなんだ?おまえはどうしたのだ、わしにみんな説明してくれ。」と導師は言いました。
少年は答えました。「導師!誰にも見られないところに行って盗めと、あなたは私たちに命令されました。しかし、こんな行いは許されるものではありません。私ひとりだけのところであっても、私の中の神様が見ていらっしゃるのです。ですから、むしろ私は施しを受けに行きますが、盗みには行きません。私が盗んだことは私自身が知ることになるわけです。私は自分を欺くことはできません。」

少年のこうしたことを聞いて、導師の顔は明るくなりました。導師は大変うれしくなりました。喜びにあふれて話し始めました。「結局ひとりだけが、わしが教えたことを理解したようだ!」
導師の言うことを聞いて、他のすべての弟子たちは恥ずかしくなってうつむきました。彼らは頭をうなだれました。してはいけない行いを、彼らはその日から絶対にすることはありませんでした。自分の中の神様が見ていらっしゃるということを、彼らはいつも心に刻みました。
【練習1】 下の問に答えましょう。
(a) 導師は弟子たちに、何をするよう命令したのですか?
(b) 導師が言った行いを、誰がするつもりになったのですか?
(c) 導師が言ったことを従わなかった者がいましたが、従わない理由は何だったのですか?
(d) 彼の答えを聞いて、導師の顔がなぜ明るくなったのですか?
(e) 導師が弟子たちの試験をした理由は、何だったのですか?
(f) 試験にだれだれが合格したのですか?
(g) このお話から得られる教訓は何ですか?
(h) 「私の中の神様が見ていらっしゃる。」 この文の意味は何ですか?
【練習2】 話し合いましょう。そして、きれいな文字で書きましょう。
君も弟子の中のひとりであったら、どうしたでしょうか?
| 「ネパールの教科書から」 の扉のページに戻る |
| トップ・ページに戻る |