「ネパールの教科書から」

「ティハール」

小学校2年 「マヘンドラ・マーラー」(旧課程国語教科書)



 
  ティハールは私たちの楽しいお祭りです。このお祭りは例年カーティク月にあります。私たちはこのお祭りを5日間祝います。この5日間をヤムパンチャクあるいはパンチャクといいます。

 ティハールの最初の日をカーグ・ティハール(カラスのティハール)といいます。カーグ・ティハールの日は、私たちはカラスに御飯をあげます。私たちはカラスに対して、遠くからであってもプージャ(礼拝)をします。カラスにはたくさんの長所があります。カラスはごみを食べてくれます。カラスが良い知らせを持ってくると人々は言います。

 ティハールの2日目は、ククル・ティハール(犬のティハール)です。この日私たちは、犬のプージャをして、犬が好む食べ物をあげます。私たちは犬にマーラー(花輪)もかけてあげます。犬は恩を忘れない生き物です。これは家の番もしてくれます。これは信義に厚い動物です。この日は町も村もどんなところでも、犬たちが喜んでいるのが見られます。

 ティハールの3日目は、ガーイ・ティハール(雌牛のティハール)です。ガーイ・ティハールは、新月の日にあたります。この日は朝、雌牛のプージャがあります。雌牛を私たちは、ラクシュミーとみなします。雌牛を私たちは、お母さんと思っています。私たちは雌牛のミルクを飲みます。雌牛の尿は神聖なものと考えられています。ゴーバル(雌牛の糞)で、家を塗り固めます。ゴーバルの肥料で、田畑が豊かになります。雌牛は私たちの財産です。雌牛は私たちの「国の動物」です。

  ガーイ・ティハールの夕方は、ラクシュミー・プージャがあります。ラクシュミーというのは、富と豊穣の女神です。ですから私たちはその日、お金や穀物・野菜にプージャをします。私たちはラクシュミーの姿絵にもプージャをします。ラクシュミー・プージャをする時、ジャヤ(万歳)、ジャヤ(万歳)、ラクシュミー、出て行かないで、私たちの家にいらして、ずっと落ち着いて下さいと言いながらお祈りをします。家中、戸口、窓、部屋、屋根、四方に灯りをともし、この日は灯明祭を祝います。このように灯りのお祭りなので、ティハールをディパワリー(灯明祭)とも言う習慣があります。その日は、子供たちが家々をバイロをしながらまわります。(注:バイロ(bhailo) = ラクシュミー供養の夜、ラクシュミーへの賛歌を唱しながら家々を巡り歩いて菓子類やお金の供物を求める行事)

 ティハールの4日目は、ゴバルダン・プージャとゴル・ティハール(雄牛のティハール)を祝います。雄牛は私たちの田畑を耕します。雄牛は荷車も引きます。ゴル・ティハールの日またはバーイ・ティカの日は、デウシーも行ないます。(注:デウシー(deusi) = ラクシュミー供養の夜とその翌日および翌々日に歌われる賛歌、ティハール祭の賛歌、これを奏しながら練り歩く行事)

 ティハールの最後の日は、バーイ・ティハール(弟のティハール)またはバーイ・ティカです。バーイ・ティカの日は、姉妹たちが自分の兄弟たちに、油をつけてあげます。彼女たちは兄弟たちに、5色のティカをつけてあげます。彼女らは兄弟たちに、センニチコウ、キク、マリーゴールド、ギョウギシバなどのマーラー(花輪)もかけてあげます。彼女たちは兄弟たちに、おいしいセル(ドーナッツ状の揚げパン)、プーリー(平たい揚げパン)やお菓子を食べさせ、またナッツ類や果物も与えます。同じように兄弟たちも、自分の姉妹たちに衣服やプージャの金品を贈って喜び合います。

 ティハールには、家、広場、前庭はいつもよりずっときれいにします。これらのところは、(赤土やゴーバルで)塗り固めることもあります。ティハールの5日間は、家中きらきらと灯りをつけます。このお祭りでは、子供たちからお年寄りまでみんなうれしくなります。ティハールでは、家々、村、通り、近所、どこも楽しく見えます。ティハールのお祭りでも、私たちはピン(ブランコ)で遊びます。私たちは、バイロやデウシをします。これは私たちの楽しいお祭りです。


(終わり)


【練習1】口頭で答えなさい。
  @ ティハールのお祭りは普通どの月にありますか?
  A 私たちは、ティハールのお祭りを何日間祝いますか?
  B ティハールのどの日を、どう呼んでいますか?
  C ティハ−ルのどの日が、ラクシュミー・プージャですか?
  D ラクシュミー・プージャでは私たちは、何々を礼拝しますか?
  E ティハールのどの日が、バーイ・ティカになりますか?
  F バーイ・ティカの日、姉妹たちは兄弟たちに、何々を与えますか?

【練習2】下の単語を用いて、適切な文を作りなさい。     
       カラス、犬、雌牛、ラクシュミー、雄牛、ティハール




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