「ネパールの教科書から」

「ウサギとカメの競争」

(小学校3年 旧課程「マヘンドラ・マーラー」(国語))




 ある川のふちを一匹のカメがゆっくりゆっくり歩いておりました。一匹のウサギがとっとと走ってそこにやってきました。ウサギは水を飲みにそこにやってきたのでした。ウサギは水を飲み飲みカメをみつけました。カメがのそのそ歩くのを見て、ウサギは笑いがこみあげてきました。ウサギはカメをからかいながら言いました――「君はまったくのろまなんだなぁ。なんて歩くのが遅いんだろう。ぼくのようにさっさと歩いてごらんよ!ぼくが走ったら、誰も追いつくことはできないんだぞ、わかったかい?君なんて、歩いているのかいないのか、わからないくらいだ。」

 カメは頭を上げながら言いました――「じゃあこっちにおいでよ。いっしょに競争してみよう、どっちが速く走るかどうか。」

 カメの言うことを聞いて、ウサギはにやにや笑って答えました――「ようし、競争しようじゃないか。」

 カメとウサギはスタートラインに立ちました。ウサギが言いました――「あの向こうの山のふもとの菩提樹の木まで、ふたりで競争するとしよう。どちらが最初にあの木にさわるか、それで勝負が決まるんだぞ。それでいいかい?」

 カメは、「いいよ」と言い、もうすでに歩き始めました。カメの歩く様子といえば、とても遅いものでした。カメの動きを見て、ウサギは心の中で考えました――「ぼくはあっという間にあの木にたどりついてやるさ。あそこに行って、どうしてカメを待ち続けなきゃならん?ここでちょっとの間、休んでもかまわないだろうともさ。」このように考えて、ウサギは川のふちの緑の草の上に寝そべりました。カメはといえば、のそのそと一時も休まずに、自分のペースで歩み続けました。

 しばらくしてウサギは道の方を見ました。カメはまだすぐ近くにいました。ウサギは考えました――「ちょっとぐらい寝ても、ぼくはカメより早く着くさ。ひとねむりでもしようじゃないか。」このように考えてウサギは、ふたつの目を閉じました。

 だいぶたってから、ウサギは目を覚ましました。すぐにウサギは、山のふもとの菩提樹の木の方を見ました。カメは木のすぐそばまでたどり着いていて、今にも木に届きそうではありませんか。それを見てウサギは飛び跳ねました。ウサギは自分の力のある限り、ぴょんぴょん走りました。ウサギは、はぁはぁぜぃぜぃしながら、ようやく木の近くにたどり着きました。ウサギがちょうどそこにやってきた時、カメは木に触れていました。ウサギは競争に負けました。カメが競争に勝ったのです。

 ウサギのように速く走る動物でも、時間を無駄にしたために、競争に負けてしまったのでした。

(終わり)





【練習1】 口頭で答えなさい。
 (ア)  ウサギはカメをどうしてからかったのですか?
 (イ)  カメの歩く様子はどうだったのでしょうか?
 (ウ)  カメの動きを見て、ウサギは心の中で何を考えたのでしょうか?
 (エ)  カメとウサギは、競争でどこまでたどり着くことにしたのでしょうか? 
 (オ)  ウサギのように速く走る動物でも、どうして競争に負けてしまったのでしょうか?
 (カ)  カメはどうやって競争に勝ったのでしょうか?

【練習2】 ウサギとカメの競争のお話を短くして、友達に聞かせましょう。

【練習3】 誰が誰に言ったのですか、口頭で答えなさい。
 (ア)  君はまったくのろまなんだなぁ。
 (イ)  じゃあこっちにおいでよ。いっしょに競争してみよう、
 (ウ)  どちらが最初にあの木にさわるか、それで勝負が決まるんだぞ。
 (エ)  ひとねむりでもしようしようじゃないか。

【教師への助言】 
(国語)
  (ア)  教師はすべての生徒たちに、ウサギとカメの競争の話の会話の部分を声に出して読ませる。
  (イ)  教師は生徒たちに宿題として、自分の知っている短い話を書いて持ってこさせる。
  (ウ)  教師は生徒たちに、家で飼っている動物と森にいる動物のリストを5つずつ作らせる。
  (エ)  生徒たちに、下のリストの他に、5つずつ木の名前を書き加えさせる。
        @菩提樹 Aバンヤン樹 Bマンゴーの木 ...

(社会)
 教師は生徒たちに、ウサギとカメの競争で、カメがどうやって一番になったかということについて、以下のことを話し合いをさせる。
  (ア)  自分の能力にうぬぼれない。
  (イ)  どんな仕事においても時間を無駄にしない。
  (ウ)  忍耐強く仕事をする。




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