QC手法(簡単な紹介)
更新:2000年03月12日

ここでは、QC手法について簡単に説明します。実は勤務先会社の社内報用に私が原稿作製したものをそのまま載せています。
参考文献:角田克彦,広瀬 淳,市川享司、「QC手法 I、II,III」,1991 その他
※特に新QC七つ道具などで参考にさせていただきました。ちなみに私の本は、市川氏のサイン入り!
【PDCAの輪をまわそう!】1996年11月号
「PDCAの輪」と言われても「何それ?」と思う方もいると思います。私たちは何かを実行する時に方法・考え方を決め、手順を決めて実行します。そしてその結果が希望通りであったかを確認し、希望通りでなかったら、更になんらかの対策をとります。PDCAとは、これらをPlan(計画)―Do(実施)―Check(確認)―Action(処置)で表しその各頭文字をとったもので、第四段階のActionは次期のより改善されたPlanへとつながり、このPDCAは繰り返されていきます。別名「管理のサイクル」とも言われているものです。
わかりましたか?職場ではもとより、健康管理においてもPDCAの輪をまわしたいですよね!!
【QC7つ道具って?】1996年12月号
あなたは、「7つ言えますか?」ときかれて、正確に答えられますか?名前を知っているから良いというものでもありませんが、実際に職場でいろいろな管理・改善活動に使えて効果的なのがこの手法です。
その7つというのは、ヒストグラム、グラフ・管理図、チェックシート、パレート図、層別、特性要因図、散布図です。名前を覚えにくいという方は、ゴロ良く「ヒグチパ層特散」(各手法名の第一文字を並べたもの)と覚えてしまいましょう!手法が使えるようになりたいという方は、社内で「QC7つ道具入門コース」を実施していますので受講をおすすめします。
【分けることは分かること!(層別)】1997年02月号
地層って、"地"が年代別に"層"を成しているから地層って言うんです。"層別"の"層"は、グループを意味します。データは、ある共通の特徴を持ったグループ(装置別、時間別、材料別など)に別けていくと、これまでわからなかったものがだんだんわかるようになってきます。層別という手法は、良く他のQC手法と一緒に使われます。
例えば、あなたは毎月何にどれだけお金を使っているかわかりますか?目的(用途)別にまとめてみると良く分かりますね。自動車関係が多い人、飲食関係が多い人、スキー関係が多い人など…。
「分けることは、分かること」なのです。層別を活用してみましょう。
【重点指向の手法(パレート図)】1997年03月号
「重点指向で考えろ」なんて言われたことありませんか?何が一番なのかまたそれは全体のどれくらいを占めているのか等は、物事を判断するときにパッと判った方がいいですよね。そのための便利な道具がパレート図です。不良等の項目は棒グラフで大きさの順位が判ると共に、全体に占める割合は占有率として簡単に読み取ることができるため、見る人に対して非常に説得力があります。数値のみを並べた表とは比べ物になりません。改善活動では、現状把握や効果の確認のステップで良く使われる手法です。縦軸を損失金額や停止時間などで表すようにすると何処にロスがあるのか良く分かりますね。
パレート図の「パレート」とは、イタリアの経済学者の名前です。
MS-EXCELによるパレート図の作り方
Pareto.xls (Excel95形式)
※Excel97でこのファイルを開いた場合は、累積比率の軸の目盛が正しく表示されません。
上記のファイルにカーソルを合せ、右クリックからダウンロードするなどして下さい。
【使えるリスト(チェックシート)】1997年04月号
職場の問題を解決するには、事実をはっきりつかんで問題を解決することが重要です。事実に基づいてデータを採ったり、まとめたりするのに用いられる手法の一つに「チェックシート」があります。このチェックシートは、用途により「調査・記録用」と「点検・確認用」の2つに大別することができ、自動車の車検時の記録シートは「点検・確認用」チェックシートの一例です。
チェックシートとは、チェックしやすいように必要項目などをあらかじめ記入しておきチェックした結果をすぐに記入して、データの集計や整理を容易にした記録用紙のことですが、チェックシートを作る際は、まず、何のために何をチェックするのか、目的をはっきりさせることが大切です。
【バラツキを知る(ヒストグラム)】1997年05月号
一円玉は約1グラムの重さがあります。同じ機械で同じ様にして作られた一円玉でも、測定の制度を上げて重さを量れば各々は同じ値をとることなく、1.01グラムや0.98グラムといったようにある範囲内で異なった値を示すことが確認できます。このようにデータの大きさがそろっていないことや、そのふぞろいの程度をバラツキと言います。バラツキの状態(分布の姿)を知るには、ヒストグラムを作成するのが最適です。
ヒストグラムとは「横軸に測定値、縦軸に区間の度数をとり、度数表の度数を柱に立てた柱状図」のことを言います。ヒストグラムを作成することによって、データの全体の姿(分布の型)、中心の位置(平均)、バラツキの大きさ、異常値が含まれていないか、規格外れはないか等がわかります。分布の型は数種類ありますが、一般的に良く管理された安定な工程からのデータは左右対称の釣鐘の様な型をした正規分布型となります。
【魚の骨で整理(特性要因図)】1997年06月号
QC手法の一つに魚の骨の様な手法があります。「特性要因図」と呼ばれる手法ですが、名前は知らなくても、一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか。この手法は、特性(結果)に対してゴチャゴチャとしている要因(原因と考えられるもの)を整理するときに非常に有効です。よって、「要因の解析」のステップで良く使われ、改善テーマ選定時にも使われています。特性要因図作成時の注意点としては、特性は事実(結果)を示すなるべく具体的な数値やグラフで表すこと、ブレーンストーミング等を活用し関係者の意見を集めること、ナゼナゼを繰り返し大骨−>中骨−>小骨−>孫骨の順に要因を掘り下げて記入していくこと等があります。書き上げたら、川の流れのように孫骨から特性へと読んでみましょう。うまく書けていれば、「○○だから□□」の様に、つかえることなく読み取れるはずです。
海外では、発明者にちなみイシカワダイヤグラムと呼ばれています。
【頭脳の嵐(ブレーンストーミング)】1997年07月号
ブレーンストーミングは、QC七つ道具の一つではありませんが良く利用される手法の一つです。米国のある広告会社がアイデアを出すときに行なっていた方法で、まるで頭脳の嵐のようだとのことからこのように名付けられました。
さてその特長は、アイデアを出すステップ(飛躍的、非論理的な思考)とそれをまとめたり評価するステップ(論理的な思考)を全く分けて行なうことにあります。これにより、参加者のアイデアが存分に引き出されるわけです。アイデアを出すステップで注意することは、1.批判厳禁(自由な発想にブレーキをかけないように) 2.自由奔放(奇想天外・型にはまらない発想を) 3.便乗歓迎(他人のアイデアをさらに発展させて) 4.量を多く(沢山打てばひとつはヒット)の四つのルールを守ることです。
さぁ頭をやわらかくして、沢山のアイデアを出してみましょう。
【色々な顔(グラフ)】1997年08月号
グラフというと、私たちは小学校の時から色々なものを使ってきてますのですぐに幾つかの名前が上がると思います。グラフは、単に数値だけでは判りにくいものを視覚化して大変判りやすく出来ることに最大の特徴があります。
数量の大きさを比較するには棒グラフ、数量の時間的変化を見るときは折れ線グラフ、内訳の割合を見るときは円グラフや帯グラフ、各項目間のバランスを見るときはレーダーチャート、計画と実績の関係を見るときはガントチャートを用います。グラフは使用目的に合ったものを用い、作図の際も軸の大きさ・目盛のとり方に注意し、相手に何を知らせたいのか明確になるようにして下さい。原点・軸名・単位やデータの期間などは記入忘れしない様にしましょう。目盛線は軸の内側に、図番・表題は図の下に書くのが基本です。
改善活動等の際には、グラフに目標線を書き入れておくと便利です。
【2つの関係(散布図)】1997年10月号
縦軸と横軸が書かれていて、そこに点が散らばっている(散布している)図、それが散布図です。散布図は、対になったデータの関係を調べるために良く用いられます。対になったデータの例としては、身長と体重の関係(結果系と結果系)がそうです。また、原因系と結果系の例として、化学反応槽内での温度と収率などがあります。
散布図は、出来上がりの大きさがなるべく正方形に近い形になり、目盛は打点した結果がグラフの端に片寄らないように作図しましょう。出来上がった散布図の点の散らばり具合から、二つのデータに関係がある場合は、「相関がある」と言います。また、「相関がある」または「相関がない」場合であっても、データを良く層別してみると実は違っていたということがありますので注意して下さい。
更に詳しく知りたい方には、「相関分析」を学習することをお奨めます。
【工程管理のための道具(管理図)】1997年11月号
製造過程で工程管理を行うときに良く使用される手法の一つに管理図があります。管理図を使うことによって私達は「工程が正常か異常か」を統計的に合理的にかつ客観的に判断することができます。管理図は「管理線を記入した折れ線グラフ」と見なすことができ、QC七つ道具では「グラフ・管理図」としてセットで紹介されています。
グラフ同様に管理図にも色々な種類があり、用途に応じて7種類程度に分類することができます。その中でも代表的なものが (エックス・バー・アール)管理図です。この管理図は、平均値の変化を見る管理図とバラツキの変化を見る管理図を組み合わせて使います。
管理図は、1)点が管理限界外(または線上)に無いか、2)点の並び方にクセが無いかを確認し、この2条件が同時に満たされている場合に「工程は管理(または安定)状態である」と判断します。
【新QC七つ道具】1997年12月号
「新QC七つ道具」と言われても、何のことか全くわからないという方も多いと思います。「新」という言葉がついているのでQC七つ道具にとって代わる新しい手法と思いがちですが、実はそうではありません。品質管理が製造以外の部門にも拡大するに従い新しい手法が望まれるようになり、1977年に示されたのが新QC七つ道具(略してN7)です。
親和図法、系統図法、連関図法、マトリックス図法、マトリックスデータ解析法、PDPC法、アローダイヤグラム法の手法があり、親系連ママPア(オヤケイレンママパァ)と覚えてみてはいかがでしょうか。
手法の特長としては、Q7手法は主に数値データを扱うのに対し、N7手法は主に言語データを扱う事が挙げられます。N7手法は作成に時間がかかるものがありますが、逆に時間をかけてしっかりしたものを作ることによって大きな効果を生むのもN7手法の特長です。
【関係を見るための連関図】1998年02月号
連関図とは、漠然としている大きな問題や、たくさんの要因が複雑にからみ合っている問題などを明らかにするために原因−結果、目的−手段の関係を理論的に矢線で結んで表した図のことです。一般的には、紙の中央にテーマを記入してから次々に要因を挙げて矢線で結んでいく、中央集中型がよく用いられます。特性要因図と同様に要因の解析のステップでよく使われていますが、問題を整理することができるのでテーマ選定時にも有効な手法です。
連関図作成時はメンバー全員が参画するようにしましょう。その作成過程でメンバー全員の理解が得られ、その上考え方が自然と一致してくるので、問題の解決にメンバー全員の協力が得られやすくなります。
言語データを用いる手法ではありますが、特性要因図と同じで可能な限り数値データを採り、要因と要因、要因と結果の相互関係を確認することが重要です。
【手段追究のための系統図法】1998年03月号
QCサークル活動において、系統図はよく見かけることができる手法のうちのひとつです。系統図は、VE(Value Engineering)の機能分析に用いる機能系統図の考え方と作り方を応用した手法で、目的を果たす手段を追究していくのに有効な手法です。
目的を達成するために手段を選定し、その手段を講じるために下位レベルの手段を選定していきますが、この場合、上位レベルは下位レベルにとって目的となります。この概念を用いて、目的・目標を達成するために必要な手段・方策を求めていきます。
問題解決の手順の「対策の立案」のステップで良く使われ、連関図や特性要因図等で追求された要因の中から特に重要な要因を解決するために、それを系統図のテーマとして取り上げ、具体的に実施できる対策案を作っていきます。その際は、「自責で実行する」という考え方で進めていくことが重要です。
【ホウレンソウ(報告・連絡・相談)】1998年04月号
ホウレンソウって栄養があって、ポパイが良く食べているもの・・・ホウレンソウは、私達の食生活に欠かせないものの一つですが、会社生活においても欠かせません。会社で言うホウレンソウとは、報告・連絡・相談のことを意味します。
私達は、仕事の状況を上司に伝えたり(報告)、電話があったことを不在者に伝えたり(連絡)、自分だけでは判断できないことを上司と話し合ったり(相談)をしています。これらはいずれも、全てにおいて重要なものです。なぜなら、会社の業績というものは複数の人の仕事の成果であるからです。組織が複雑になったり、人数が増えれば増えるほど、これらはより重要になってきます。
食生活ではホウレンソウをとらないと栄養バランスの問題が生じますが、会社生活でホウレンソウを怠ると、ミスなどの不具合が生じ、会社に損害が出ます。報告は、まず結論から。連絡は、5W1Hで。相談は、状況や前提条件の説明を行ってから。これらが、おいしいホウレンソウのポイントですね。
【マトリックス図法】1998年05月号
簡単にいえば、格子状になった図のことです。一般的に2つ以上のことの関係を調べる時に、図のような表(L型マトリックス図)にて全体の関係をつかんだり、問題点がどこにあるかを探したりします。
マトリックス図には、その型からL型、T型、Y型、X型、C型等がありますが、一番なじみの深いものはL型ではないでしょうか。L型マトリックス図では、AとBといった2つの関係を表すときに用いられます。また、T型マトリックスは、2つのL型マトリックス図を組み合わせたものです。例えば、不良現象と原因の関係、原因と対策の関係を1つの図で示すことができます。
QCサークル活動では、テーマ選定、要因の解析、対策の検討等のステップで使用されています。
【アロー・ダイヤグラム】1998年06月号
アロー・ダイヤグラムとは、計画を実行するのに必要な作業の順序関係を矢線と結合点を用いて表した図(矢線図)のことで、日常管理上の重要な経路を明らかにして効率的な日程計画を作製すると共に、計画の進捗を管理する手法です。
日程管理の方法としては、従来からガントチャートがよく使われてきましたが、この手法は概略的な日程管理には適しているものの、複雑に絡み合っている仕事の場合には日程管理が実施しにくいという欠点があります。一方、アロー・ダイヤグラムは、慣れないうちは手間がかかりますが、きめ細かく日程計画を立て管理できるという利点があります。また、どの作業が遅れると全体の納期にどの様な影響を及ぼすかが判断できることも特徴です。
アロー・ダイヤグラムは、以前から日程計画・日程管理に使われてきたPERT(パート;Program Evaluation and Review Technique)と同じ手法です。
【PDPC法】1998年09月号
PDPC法の特徴は、計画を設定する際に関連する環境や事態が流動的で、計画実施中にそれらの状況を見定めて色々なルートを選び進めていかなくてはならないような場合の、計画策定段階で活用できるところにあります。
図形的には、スタートからゴールまで「実施する事項」「実施後の状況」「ルート選択の判断」等を時間の経過に従い、その順序を矢線で示したものです。
この手法は、1968年に東京大学の紛争解決のために、当時同大学工学部の近藤次郎教授が開発された問題解決・思考決定の方法で、PDPCとは過程決定計画図(Process Decision Program Chart)の頭文字をとったものです。
【QCサークル大会】1998年11月号
QCサークル活動の成果を発表する場として「QCサークル大会」があります。一般に「大会」といわれるのは、単に事例発表だけでなく特別講演会等のプログラムも加えた相互啓発の場として実施しているからです。
一般的に、「社内大会に企業グループ内の発表会も含まれる」とみることが出来ますが、社外大会は主催するところにより次のように分類することができます。
・ QCサークル地区大会・・・地区(およそ県単位)が主催する大会。
・ QCサークル支部大会・・・支部が主催する大会。支部躍進大会、支部選抜大会など。
・ QCサークル本部大会・・・財団法人日本科学技術連盟内にあるQCサークル本部が主催する大会。全国各地で行われ、レベルが高い。本部大会で発表するには、年間予約が必要。全日本選抜大会で発表するには、支部選抜大会で支部の推薦を得る必要があります。
また、これらの大会に発表参加する場合は、それぞれ基準がありますので、詳細は行事の主催団体に確認する必要があります。
【QCサークル選抜大会】1999年01月号
(財)日本科学技術連盟内にあるQCサークル本部では、QCサークル活動の普及と活発化、レベルアップを図るため、1971年に「QCサークル本部長賞」を創設しました。全国9支部(新潟は北陸支部)から18の優秀なサークルが選抜され「全日本選抜QCサークル大会」で発表ならびに審査が行われて、本部長賞が授与されます。本部長賞は、「QCサークルの基本」の精神に則り他の範となるべき活動を行うサークルに授与されるもので、「QCサークル本部長賞金賞」「QCサークル本部長賞銀賞」が設けられており、「全日本選抜QCサークル大会」は正に日本一のサークルを決める大会となっています。
発表は、サークルの歩みを中心に改善事例を交えながら20分間で行います。通常のQCサークル大会では改善事例1件についての発表ですから、ここが大きく異なります。全日本選抜QCサークル大会の様子は、ビデオにもなっていますので、まだご覧になったことのない方は是非ご覧下さい。
【問題解決の手順】1999年03月号
一般に問題を解決するには、
(1)問題とされているものを選ぶ(問題をはっきり決める)
(2)現状を細かく分解する
(3)分解されたものについて不要な機能を捨てる
(4)必要な機能を出来るだけ簡単な形に組み立てる
(5)新しいものを実施する
の5段階によって行うのが科学的だと言われ、この方法を「科学的接近法」と呼んでいます。この方法に基づいて必要な手順とやるべき内容を具体的に決め、問題が合理的に解決できるようにしたのが「問題解決の手順」です。
QCサークル活動などによる職場の問題解決には、管理のサークル(PDCA)に基づいて次の手順が良く用いられます。
手順1:テーマの選定
手順2:現状の把握と目標の設定
手順3:活動計画の作成
手順4:要因の解析
手順5:対策の検討と実施
手順6:効果の確認
手順7:標準化と管理の定着
問題によって手順1、2、3が入れ換わることもあります。その問題に合うように色々と工夫して進めることが大切です。また、改善事例はこの「問題解決の手順」に従ってまとめて報告すると、解りやすくなります。
残念ながら、業務担当が変わったため、ここで連載が終わってしまいました。