子供と犬の生活:事故ゼロを目指して

子供たちの人間形成において、犬との生活がもたらす恩恵は
はかりしれません。しかし、現代社会において、犬が咬みつく
などの問題行動(意識?)が、子供と犬の関係をもう一つ
押し進めことを阻んでいると思います。

以前から、子供と犬の相互関係をうまくいくための方法が
いろいろ発表されています。最近、よくまとめられた総論が
発表されました[1]。参考になる部分を抜粋してみました。
詳しくは原著[1]をお読み下さい。

1)未成熟の犬以上に成犬をペットとして選んだほうが良い。
     人獣共通伝染病をできるだけ予防できるため[2]
     気性が分かっているため[2]
     行動がある程度予測できるため;若い犬(1歳以下)
          と幼児(5才以下)[3]

2)子供が十分成長するまで(6歳以下ではまれ)、ペットの
    世話をする責任を押しつけたり、しつけ訓練を勝手に行っても
    よいというように教えないこと。[2]

3)子供にすべての見知らぬ動物(特に病気やけがをした動物)は
    避けるように教えること。[2,4]

4)近所や遊び友達の犬に子供を紹介したり、友達になれるような
    努力をすること。これは、犬と子供のそれぞれの保護者が
    いっしょになって行うことが必要です。[2]

5)犬の喧嘩に巻き込まれないように子供に教えること。大人の
    助けを求めることを確認する。[2]

6)ペットの保護者としての責任を子供に教えること
    散歩では、
     大人が犬の散歩をしているときに、子供をいっしょに
          連れていく
     犬が残したものをきれいにするということを率先して見せる
     子供が大きくなって犬といっしょに歩いたり、犬が
          残した物をきれいにするようになった時でも、 大人は
          子供に良い行動について教えるために一緒に散歩すること[5]
      健康面では、犬の健康について教えること。狂犬病ワクチンの
          重要性と咬傷を理解させること。

7)子供にすべての犬を理解してあげ、大切にすることを教える。特に、
    犬が食べたり、寝たり、排便排尿をしたり、子犬の面倒をみたり
    している時は、ちょっかいを出して犬を不安にしないこと。[2,5,6]

8)子供に、犬をびっくりさせたり、ぞんざいに扱ったり、いじめたり
    しないように教えること。[5,7]

9)犬から逃げて走らないこと、犬をにらみつけたり、大声をだしたり、
    犬に向かって吠えてみせたりしないようにすること。特にフェンス
    越しにいる犬、よく知らない犬や、車の中にいる犬などに対して。[7]

10)フェンスの上からまたは、庭、フェンス、車、犬小屋、クレートの
    中に手を入れないようにする。子供たちに、犬の目の前で、前とか
    後ろに向かって走ったり、自転車、スケートボード、ローラー・
    ブレードなどに乗ったりしないように教える。[2]

11)特に犬も子供も共に食べたいような食事がある時とか、犬にとって
    刺激になるような会や予期できないようなできごとある場合(たとえば、
    子供の誕生会など)、犬と子供を分けておくこと。[6]

12)子供における犬との相互関係をよく注意して観察すること。特に、
     新しい子供が犬に近づく場合とか、子供または犬が疲れていたり、
     怒っていたり、病気の時など。[4]

参考文献
[1] Love, M. and Overall, K.L. (2001) How anticipating relatioship
     between dogs and children can help prevent disasters. 
     J.Am.Vet.Med.Associ. 219: 446-453.     
[2] Carithers, H.A.(1958) Mammalian bites of children. Am.J.Dis.
     Child. 95: 150-156.
[3] Daniels, T.J. (1986) A study of dog bites on the Navajo 
     reservation. Public Health Rep. 101:50-59.
[4] Monks of New Skete (1986) How to be your dog's best friend. 
     Boston, Little, Brown & Co.      
[5] Sokol, A.B. and Houser, R.G. (1971) Dog bites: prevention and 
     streatment. Clin. Pediatr. 10: 336-338.
[6] American Veterinary Medical Association (1997) U.S. pet ownership
     and demographics source book. Schaumburg, Ill: Center for 
     information Management, 1-105.
[7] Matthews, J.R. and Lattal, K.A. (1994) A behavioral analysis 
     of dogs bites to children. J.Dev.Behav.Pediatr. 15: 44-52.

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