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  2008年3月入手情報


オーナー・コンセント

皆さんは、「インフォームド・コンセント」という言葉をしばしば耳にされておられることと思います。日本語に翻訳しないでそのまま使われていますが、説明同意などという翻訳もあるようです。さて、この言葉は、英語では、informed-consent doctrineという人の医学の用語(英語)から来たもので、医師と患者が正しい情報を基にして、患者の診療に双方が承諾する考え方(主義)です。

人の医学の場合、問診、聴診、触診などの時点からinformed-consent doctrineが大変重要になりますから、動物を診療する時の、獣医師と飼い主(ご家族)との関係とはやや違いがあります。獣医学では、獣医師と患者(動物)とのコミュニケーションはありませんし、法律では動物は物として規定していますから、医学のinformed-consent doctrineという考えをすべてそのまま獣医学に適用することは、多少無理な話でした。当然、診療を飼い主(ご家族)に理解していただき、よく話し合って進めることはだれも疑問に思っていませんから、informed-consent doctrineには大筋では合意です。

さて、やっと2007年11月に行われたアメリカ獣医師会の常任理事会で、アメリカ獣医師会が発表するすべての文書や政策などで、informed consentという用語を使用しないことが決定されました。それに変わって、owner consent(オーナー・コンセント)という用語に置き換えることになったのです。今までと基本的な内容にまったく変化はありません。ただ言葉の問題だけです。正式文書で、owner consentという言葉の使用を推奨するということですから、これでガラッとが変化するかどうか分かりませんが、獣医学でのowner consentという言葉は的確な表現だと思います。

日本では、これに対してどのように反応するのか、または、しないのか、また、owner consent(オーナー・コンセント)がどのように日本語で表記されるのか注目です。今後の動きに期待しています。

参照: News (December 15, 2007) J.Am.Vet.Med.Assoc. Vol.231, No. 12, pg. 1789

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