世界のニュースあれこれ
  2009年10月入手情報


狂犬病の話 2009年

アメリカ国内での狂犬病発生の調査結果(2006年)を昨年2月の「世界のニュース」の中で紹介しましたが、今回、2008年の結果が報告されました(文献1)。 日本では、現在、狂犬病の発生がありませんが、世界ではアメリカなど多くの国で狂犬病が発生しています。毎年の狂犬病ワクチン接種を忘れないようにしてください。

2008年に確認されたアメリカ合衆国における狂犬病の件数は、動物では6,841頭、 人では2人でした(アメリカの49州とプエルト・リコを含む)。 前年(2007年)は、動物で7,060頭、人では1人という結果でした。

感染している動物では、93%が野生動物、7%が家畜という内訳で、動物種別で見ると、アライグマ 34.9%,コウモリ 26.4%、スカンク 23.2%、キツネ 6.6%、ネコ 4.3%、犬 1.1%, ウシ0.9%。 野生動物の中に潜んでいる狂犬病をどのように撲滅するかが今後の課題です。幸いワンちゃんから他のワンちゃんへの感染は確認されていません。人の狂犬病では、一人はメキシコからの最近移民した人(カリフォルニア州)で、もう一人はコウモリから狂犬病が感染したと思われる症例(ミズーリ州)でした。

ワクチン接種したワンちゃんやネコちゃんの狂犬病に感染にかんする調査も発表されています(文献2)。 狂犬病に感染した264頭のワンちゃんと840頭のネコちゃんで調査したところ、ワンちゃんでは13頭(4.9%)、ネコちゃんでは22頭(2.6%)のワクチン接種の記録が残っていました。ワンちゃん2頭とネコちゃん3頭はワクチン接種が有効な状態(ワクチンを定期的に接種)、そして1頭のワンちゃんと5頭のネコちゃんは今まで2回ワクチンを打っていることが分かりました。狂犬病の感染は、ワクチン接種しているワンちゃんやネコちゃんではほとんど起こりませんが、今回の結果のように可能性はあります。

日本では一緒に生活しているワンちゃんに狂犬病ワクチンを接種することが義務付けられています。是非毎年(いつでも結構です)接種するようにしてください。

参考文献:
1) Blanton, J. et al. (2009) Rabies surveillance in the United States during 2008. J.Am.Vet.Med.Associ. 235 (6) 676-689.
2) Murray, K.O. et al. (2009) Rabies in vaccinated dogs and cats in the United States, 1997-2001. J.Am.Vet.Med.Associ. 235 (6), 691-695.

関連記事:  2008年2月の世界のニュース(「人と動物との絆」のホームページ)

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