石尊稜・大同心稜

日時:平成22年1月9日〜11日

メンバー:CLマツ、タツ、ハッパフミフミ文責

 


 

 

1月9日(晴れ) 

美濃戸13:30 川原14:30 赤岳鉱泉16:05

 

初日はすばらしく天気がよく食料が大量に入ったザックは重かったが眼前に広がる大同心・小同心みながら期待に心をふくらませ歩みを進める。赤岳鉱泉のテン場は満杯で我々のテントの張るスペースは確保できないので、樹林の隅を開拓する事になる。小屋にテントの受付に行くとN会長の弟さんと出くわす、彼とは藤内小屋を通る時にもよく会うことがある。

そうこうしている内にテントでは宴会が始まる、夕食はたっぷりの肉と野菜が入ったすき焼きで私たちの山行には山での野菜不足と言う言葉は適用できない。多少荷物が重くても美味しいものを食べるには労を惜しみたくはない。

何回も冬の南八ヶ岳には来ているのだがこの時期に赤岳鉱泉に来るのは初めてで、アイスキャンデーの様な氷の塊を見て納得した事がある、前回秋に来た時小屋の増築だと思った足場の鉄パイプは、アイスクライミングの練習用の骨組みであった事が解かった。

 

 

1月10日(曇り) 

赤岳鉱泉8:00 石尊稜取り付き9:25 2ピッチ目11:30 3ピッチ目14:30 赤岳鉱泉16:00

 

2日目はゆっくりの出発で、中山峠に向かう途中のつづら折りの急登になるあたりから沢にそれるトレースをたどる、尾根の末端を越え急な斜面を登り狭いスペースでザイルを結び合う、1ピッチ・2ピッチは急な潅木が生えている沢登りでの巻き道の様な斜面でザイルが岩に絡まったりしたのでかなり時間が掛かってしまった。

3ピッチ目は岸壁の下に出て核心部だと解かる。ガイドブックには冬のバリエーションルートの初心者コースなどと書いてあるのだが私には昨年の赤岳主稜・阿弥陀北稜よりも難しく感じた。

トップはマツさんタツさんの順に登りトップとラストの私はトランシーバーで交信してビレイ解除・ザイルを引く・緩める等とやり取りをして登るのだが、風の強い冬の岩場では声が非常に通りにくく聞こえないのだが、トランシーバーのおかげで大変スムーズに意思の疎通をする事ができた。

やっとの事で3ピッチを登りそこからは潅木が生えた急な尾根がつづく、後は楽に行けそうであったが、時間をかなりかけてしまった事と、全員岩登りに満足したと言う事で懸垂下降にて降りることにする。2ピッチで北側の沢に下りたのだがその上から別ルートで石尊稜へ取り付くルートがあった。5メーターくらいの氷瀑を越えれば後は急なルンゼが続き我々が登った所より楽に行けそうである。次回はここから行ってもいいかなとも思う。

テン場には早めに着いたので小屋で一休みしてテントの入る事にする。私は昨年ビールを凍らせた苦い経験があるので用心してビールはテントの中の中心に置いておいて助かったが、一名は凍らせて文字どおり苦いビールになった。

熊 発見!

                                                      

1月11日(晴れ)

赤岳鉱泉6:50 大同心基部9:10 赤岳鉱泉10:30 12:50 美濃戸13:30

 

樹林がまばらになり大同心が目前に迫った頃、休憩している二人を残して独りで偵察に行ったときの事である50メーターくらい先を黒い影が通り過ぎたのである。それを見たとたん一歩も前に進む気になれず、無線で熊が出た事を知らせたのだが、返事は「熊は冬眠中で今はいないはず」と言われ納得する。やっと前に進む気になり進んでいくと、そこにはトレースをカモシカかシカの足跡がはっきりと横切っている。カモシカだと解かればなんともないが、その時はまったく前に進む気にはなれなかった。本人は熊だと確信していたのである。

大同心基部に到着したが稜線までは行くには時間が掛かりすぎラッセルも予想されるので、ここで引き返す事にする。今回は一度も稜線にたどり着くことができなかった。原因はガイドブックの冬壁入門者でも楽しめると言う言葉にこのコースを甘く見ていた事に尽きる。