Es管のクラリネット四本


左からペドラー、セルマー、ヴリツァー、ビュッフェの四本。四者四様である。長さも、内径もそれぞれ違う設計で作られている。ここで、クイズです。ジャン!上の四本のエスクラリネットの長さは一番短い方からビュッフェクランポン(B)、セルマー(S)、ヴリツァー(W)、ペドラー(P)の順番です。では内径が細い順は、次のうちどれでしょうか?四本ともほぼピッチはそろっています。

(1)P,W,S,B(2)B,S,W,P(3)W,B,S,P(4)W,P,S,B

さてどれでしょうか。正解はまた後で。


ケースも四様

全部オリジナルのケースですがケースの傷み具合でだいたいの製造年月日が想像つきますね。古い順番はP,S,B,Wです。ペドラーは1930年頃、一番新しいヴリツァーは1992年製。ビュッフェもセルマーも1960年前後の物です。


入れ方もしかり

ほんとに四本とも入れ方違いますね、クラリネットの分解できるところがそれぞれに違うので当たり前と言えば当たり前ですが。それにしてもやっぱりヴリツァーのエーラーはおもちゃっぽいです。


答えです。

先ほどの問題の解答です。3番が正解です。どうです当たりましたか。

内径はそれぞれ次の通りです。W(13.05mm),B(13.40mm),S(13.90mm),P(14.15mm)です。回答の解説をしましょう。正解した人は飛ばしてください。まず音程とは音が響く長さで決まります。長ければ長いほど低く聞こえてきます。では長さとはいったいなんなのか、ここで言う長さとは管楽器で言えば管の直径とそれ自体の長さの比率で決まります。これが音響学的長さです。したがって見かけ上は長くても音響学上は短いと言うこともあるのです。見かけ上同じ長さのクラリネットがあったとします。内径が細い方が音響学的には長いと言うことになるのです。したがって見かけ上同じ長さでも内径が細い方の楽器の方がピッチは低くなるのです。あ!それっておかしいじゃんと何人かの人があることに気づきましたね、そうですヴリツァーはこんなに細いのに長さでは2番目に長いではないですか。はいそう来ると思っていました。ヴリツァーはエーラーなのです。ではエーラーはなぜ細い割に長いのか。まずクラリネットはオーバーブローが12度になっています。自然な倍音ではないため、なかなか第一倍音と第二倍音(と言うのだろうか?)の音程が楽器作りにおいて難しい楽器です。それが顕著に現れる場所が、最低音のミの音と12度上のシの指使いにおいてでています。ミは低くシは高い。楽器作りにおいてこの問題はいつまで経ってもついて回るようです。フランス系の楽器はシを高めに作り奏者に低く吹いて貰おうと言うポリシーのように感じます。ミの時はせいぜい楽器を温めて高く吹いてくださいと(ほっかほっかくんがあれば心配はないのですが)現在のエーラーはその問題点をレゾナンスキー(こういうのだろうか?)で補っているのです。ベルの部分ともう一カ所に穴を空けてそれを右手の親指で閉めたり開けたりしてミからファ♯までの音程を二つのトーンホールを使ってアジャストするのです。したがってシの音を基準に楽器の長さを決められるために、長くすることができるのです。したがってベルを取ったときの長さはベーム管より短いのです。ではベーム管はなぜレゾナンスキーをつけないのか、この問題は内径が細ければ細いほど顕著にあらわれてくるため、エーラーの方が切実なのでしょう。この回答は自分の想像です。間違っていることを言っているかもしれませんので、鵜呑みにしない方が良いかもしれません。無責任ですみません。


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