私の親父の短歌

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このページは、私の親父(桶田力雄)が作った短歌で、日本経済新聞の「歌壇」(通常は日曜日に掲載)に選ばれたものを載せています。

■ 2004年

・2004-12-05

一度のみ見たる狐を又見たく餌の油げをその道に置く

・2004-10-31

永遠と言ふものの無き世に生きてそれでも不老長寿を願ふ

・2004-09-12

出し抜けに上がる花火にふと気付く今日妙観院の千日参り

※この短歌については、  Wang Dang Doodle: 妙観院  もご覧ください。

・2004-07-04

何の理由ありてかわれに好意持つ人と決めつつ疑はず謝す

・2004-04-04

道広くなりしかば川に続きゐる地域の故に風吹き易し

・2004-01-25

そんなにも今の世界が明るきか戦時の日々の暗かりしを言う

■ 2003年

・2003-11-16

散歩かと問ひたくもなる秋空の高き日に行く飛行機見れば

人生に駄目くじ引きしと嘆くまじ上にも下にも人ら生きゐて

■ 2002年

・2002-06-30

衰へぬ力を見せて叩きをり乾きし布団取り込む人は

・2002-05-12

二人して並び歩める人見れば倖せは其処にある心地する

・2002-04-14

書斎無き吾が家にありて分散の形に本は蔵はれてあり

・2002-03-03

驚きの無き人生は味気なし強風ときに吾が胆冷やす

■ 2001年

・2001-12-09

選ぶこと自由にならば真夏とか真冬は避けて死にたきものを

・2001-11-18

行動範囲極めて狭く暮らしゐて今年もいまだ県外に出でず

・2001-06-24

冬の雪見事なりけるこの年は桜の花も華やかなりき

・2001-01-28

会はざりし一年は過ぎ今年こそ会へる予感のほのぼのと湧く

■ 2000年

・2000-10-29

しぐれ降る季節となるに濡れぬためいづこに行くにも傘は離せず

・2000-07-09

気持ち良く今朝もなし終ふ青葉せる園の木下の朝の体操

・2000-05-07

沖かがりする船見えぬ七尾湾広きのみにて賑はひの無く

・2000-03-05

楽観と悲観こもごも織りまぜて上下しやまず株といふ株

・2000-02-13

竜頭蛇尾に終はらねば良き 年頭の株の高騰いささか憂ふ

・2000-02-06

朗らかにありたきものを在らしめぬ桎梏の如きものありて憂し

■ 1999年

・1999-05-16

日毎訪ふ公園なれば咲く日より散るまでの花つぶさに眺む

・1999-04-04

ぼろぼろの心臓血管思はせて空をバックに桜老樹は

・1999-02-28

あの酸ゆきレモンに口を潤して流行り風邪より身を庇ひ生く

・1999-01-24

出入の船影さまで多からず港の設備充実せしに

・1999-01-10

公園にこの春建ちし新トイレ無駄の明かりを夜通し灯す

■ 1998年

・1998-11-29

薄れゆく視力悲しと思ふ日も是非考へず本を買ひ来る

・1998-09-06

細胞らいまだ覚めざる起床後の身を促して散歩に出づる

・1998-07-05

あれ程に待ちしに会へばありふれし事のみ語り又別るなり

・1998-03-01

ちらほらと何に遊べる雪片か空の広さを右に左に

・1998-02-15

外出の機会少なきわが日々に朝の散歩は唯一尊と

・1998-01-18

新聞はスペース広く白鳥の飛来を写し解説も載す

■ 1997年

・1997-06-29

軒下に並ぶ花鉢この家に心やさしき人住めるがに

・1997-04-27

真宗の町に育ちて涅槃会に団子撒く行事見ず知らず来し

・1997-04-13

わが固き身を感じつつぶら下がる鉄棒も冬の冷たさのまま

・1997-03-23

生きてゐる証しの如く今朝も来て園の樹下に体操をする

■ 1996年

・1996-12-15

わが暮らし日々ひかりなし顧みれば寄り添ひし妻失ひてより

・1996-09-29

行き先の分からぬ汽車に乗り込める思ひなり株を買ふ其の時は

・1996-08-25

善やある悪やあるとて論ずれど誰も見しことなき裡の像


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Original: 2000-05-22; updated: 2006-02-26
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